就労定着支援の支援内容の中心は、面談と訪問です。省令では月1回以上の利用者との連絡・相談対応が義務付けられており、面談・訪問・電話・オンラインなど方法は問いません。ただし、記録と請求の根拠になるため、実施した方法・内容・日時を必ず記録することが求められます。
月1回以上の支援が報酬請求の前提
就労定着支援の報酬(月額単位数)を請求するためには、その月に1回以上の支援を実施していることが前提です。支援が行われなかった月は報酬請求の対象外となります。
「月1回以上」は最低基準であり、利用者の状況に応じて複数回の連絡・訪問を行うことが実態です。就職直後・異動後・体調の変化があるときは頻度が高くなります。
面談の主な方法と特徴
| 方法 | 特徴・使いどころ |
|---|---|
| 事業所での面談 | 落ち着いた環境で詳しい相談ができる。利用者が来所する必要がある |
| 職場訪問 | 実際の職場環境・人間関係を直接確認できる。職場の担当者と直接話せる |
| 自宅・外出先での面談 | 体調不良・外出が難しいときに対応できる |
| 電話・ビデオ通話 | 移動の負担なく頻繁に連絡できる。記録の残し方に注意が必要 |
支援の方法は利用者の状況・職場の環境・利用者の希望に応じて選択します。「職場に来てほしくない」という利用者もいるため、方法は利用者と事前に確認しておくことが重要です。
職場訪問で確認する主な内容
職場訪問では、職場担当者(上司・人事担当者等)と直接話し、以下の点を確認します。
- 業務の状況(こなせているか・ミスの状況)
- 職場の人間関係(同僚・上司とのトラブルの有無)
- 勤務時間・休暇の取得状況
- 職場側の困りごと・要望
- 配慮事項の実施状況(障害に応じた業務配慮が行われているか)
訪問後は職場担当者から得た情報を記録し、利用者への支援計画の見直しに反映します。職場側への訪問は事前に日程を調整し、業務の妨げにならないよう配慮します。
利用者との面談で扱う主な内容
利用者本人との面談では、職場の状況だけでなく生活全般の状況も確認します。就労の継続に影響する要因は職場内だけとは限らないためです。
- 体調・睡眠・食事の状況
- 職場での困りごと・ストレスの状況
- 収入と生活費のバランス
- 家族関係・住居の状況
- 医療機関・支援機関との連携状況
面談の内容は利用者本人の同意のもとで記録し、必要に応じて職場担当者・医療機関・行政機関等と共有します。
電話・オンライン支援の注意点
電話やビデオ通話での支援は、移動の手間なく頻繁に対応できる利点があります。ただし、実地指導では「電話のみで支援をした」という記録が適切かどうかが確認されます。
電話対応であっても、実施日時・通話時間・相談内容・対応結果を記録に残すことが必要です。記録がなければ支援を行ったことの証明ができません。
関係機関との連絡調整も支援のひとつ
就労定着支援員は、利用者の状況に応じて職場・医療機関・行政機関・家族等との連絡調整を行います。これも支援の一環として記録します。
連絡調整の例:
- 職場の担当者に障害特性の理解を促す資料を提供する
- 主治医に職場での状況を伝え、通院スケジュールの調整を依頼する
- 市区町村の福祉担当窓口に生活支援の相談をつなぐ
- ハローワークに雇用継続に関する相談をする
支援頻度と就労定着率の関係
支援の頻度・質と就労定着率の間には関係があります。定期的な連絡・訪問によって職場のトラブルや体調の変化を早期に把握し、対応することが就労の継続につながります。就労定着率は事業所の報酬区分を決めるため、支援の質の向上は事業所の収益にも直結します。
就労定着支援の収支シミュレーションは就労定着支援 収支シミュレーターで確認できます。
参考・出典
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第171号)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(解釈通知・平成18年)
この記事は2026年11月時点の法令・通知に基づいています。
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