就労移行支援から就労定着支援への引継ぎ研修、6か月後の連絡調整と情報共有の手順。
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就労移行支援の定着支援は就職後6か月間が義務(第182条第1項)です。6か月が終了した後、利用者が就労定着支援の利用を希望する場合、就労定着支援事業者への引継ぎが必要になります(第182条第2項)。この引継ぎを「自然に任せる」のではなく、義務として行う必要があります。
就労継続支援B型では就職後の定着支援・就労定着支援への引継ぎという業務がなく、就労移行支援固有の場面です。この記事では、第182条第2項が定める連絡調整の義務と、引継ぎ研修で確認すべき手順を整理します。
第182条第2項(就労定着支援事業者との連絡調整)
第182条第2項は「利用者が指定就労定着支援の利用を希望する場合には、前項に定める支援が終了した日以後速やかに当該指定就労定着支援を受けられるよう、指定就労定着支援事業者との連絡調整を行わなければならない」と定めています。
条文のポイントは次のとおりです。
- 「利用者が利用を希望する場合」=希望しない利用者への強制は不要・本人の意思確認が前提
- 「速やかに」=6か月の定着支援が終わってから空白期間なく移行できるよう、終了前から準備する
- 「連絡調整を行わなければならない」=義務(努力義務ではない)
定着支援終了前に行う準備(研修で確認する手順)
終了の2か月前:本人の意向確認
- 「6か月の定着支援が終わったあと、就労定着支援を利用したいですか」という意向確認を行う
- 就労定着支援の内容(就職後1〜3年の相談支援)を分かりやすく説明した上で意向を確認する
- 意向確認の結果を記録に残す
終了の1か月前:就労定着支援事業者との連絡調整
- 利用者が希望する場合、就労定着支援事業者に連絡を取り、引継ぎの日程と方法を決める
- 引継ぎ情報(後述)を整理し始める
- 利用者・就労定着支援事業者・就労移行支援事業者の3者で確認する場(担当者会議・対面またはオンライン)を設定できるか検討する
定着支援終了時:引継ぎの実施
- 整理した引継ぎ情報を就労定着支援事業者に提供する(本人の同意を得た上で)
- 引継ぎを行った日付・提供した情報の内容・同意の取り方を記録に残す
引継ぎで共有すべき情報
引継ぎで提供する情報は、就労定着支援事業者が就職後の支援を続けるために必要な内容です。利用者の同意を得た上で提供します。
| 情報のカテゴリー | 具体的な内容 |
|---|---|
| 障害特性・支援上の注意点 | 障害種別・主な特性・就職活動中に職員が気をつけていたこと |
| 職場環境の情報 | 就職先の業種・業務内容・配慮を依頼している事項・企業担当者の名前と連絡先 |
| 定着支援6か月間の経過 | 6か月間の定着支援で把握した課題(通勤疲弊・人間関係・通院管理など)・改善されたこと・継続課題 |
| 通院・服薬の状況 | 主治医・通院頻度・服薬の状況(本人の同意が特に必要) |
| 緊急連絡先 | 本人の緊急連絡先・キーパーソン |
引継ぎ不要なケースの確認
第182条第2項は「利用者が就労定着支援の利用を希望する場合」の義務です。次のケースは引継ぎの義務対象ではありません。
- 利用者が就労定着支援の利用を希望しない場合(本人の意思)
- 利用者の居住地域に就労定着支援事業所がない場合
「希望しない」場合も、「希望しないことを確認した」という記録を残します。「意向確認をしなかった」と「希望しなかった」は記録上で全く異なります。
研修で確認する3つのこと
- 定着支援終了2か月前から本人の意向確認を始めるタイムラインを確認する:サービス管理責任者が担当者に周知するための手順を決めておく
- 引継ぎで提供する情報の内容と、情報提供前の本人への同意取得を確認する
- 「希望しない」場合も意向確認の記録を残すことを確認する:記録がないと「確認を怠った」と見なされる可能性がある
まとめ
就労移行支援から就労定着支援への引継ぎは、第182条第2項で義務化されています(利用者が希望する場合)。定着支援終了前の2か月から意向確認・就労定着支援事業者との連絡調整・引継ぎ情報の整理と提供を進めます。空白期間なく移行できるよう「速やかに」という条文の趣旨に沿って、終了時期を見越した準備が必要です。
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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第182条第2項。引継ぎで共有する情報の範囲は本人の同意と個人情報保護の観点から判断してください。


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