就労移行支援の事故・苦情対応研修、企業実習中の事故と就職が決まらない苦情への対処。

就労移行支援の事故・苦情対応研修、企業実習中の事故と就職が決まらない苦情への対処。 就労移行支援





就労移行支援の事故・苦情対応研修、企業実習中の事故と就職が決まらない苦情への対処。

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就労移行支援では、事故が発生した際に都道府県・市町村と家族への報告義務があり、苦情については第三者委員を含む解決体制の整備が義務づけられています(指定基準第40条・第39条・第184条で準用)。就労移行支援固有の論点は、企業実習中の事故という「事業所の外で起きた事故の報告義務」と、就職活動の進捗に対する利用者・家族からの苦情です。

この記事では、就労移行支援の事故・苦情対応研修の根拠と、固有の場面を整理します。

事故発生時の3つの義務

指定基準第40条(事故発生時の対応)は、事業者に次の義務を定めています。

義務の種類 内容
速やかな連絡 利用者に事故が発生した場合は、速やかに都道府県・市町村および家族等に連絡するとともに必要な措置を講じなければならない
事故記録の作成 事故状況および事故に際して採った処置についての記録を作成しなければならない
損害賠償 利用者に損害を与えた場合は、速やかに損害賠償を行わなければならない

連絡先が「行政(都道府県・市町村)+家族」の2か所である点を、職員全員が把握しておく必要があります。自治体ごとに報告書の書式・提出期限が定められているため、指定権者の案内で確認してください。

苦情解決体制の整備義務

指定基準第39条(苦情解決)は、利用者からの苦情に対応するための体制整備を義務づけています。

  • 苦情受付担当者の設置
  • 苦情解決責任者(管理者等)の設置
  • 第三者委員の設置(外部の第三者が苦情解決に関与する体制)
  • 苦情の受け付け・対応・解決結果の記録
  • 苦情内容とその対応結果のサービスの改善への反映

第三者委員は外部の者(民生委員・社会福祉士・弁護士等)が担うことが多く、事業所の開設時に選任しておく必要があります。

就労移行支援固有の事故・苦情の場面

企業実習中の事故

就労移行支援では、企業での職場体験(職場実習)を組み込んでいる場合があります。実習中に利用者が転倒・けがをした場合、事業所の外での事故であっても就労移行支援の報告義務(第40条)は適用されます。

実習先企業への連絡・事業所への報告・行政への届け出・家族への連絡という手順を、職員が事前に把握しておくことが必要です。実習先企業との間で「事故が起きた場合の連絡体制」を実習開始前に確認しておくことも重要です。

送迎中の事故

就労移行支援で送迎を行っている場合、送迎中の交通事故・乗降時の転倒は事故として報告・記録が必要です。送迎担当職員が事故時の連絡先・手順を把握しておくことが求められます。

就職活動の進捗に関する苦情

就労移行支援固有の苦情として、就職活動の進捗に対する利用者・家族からのものがあります。「もっと早く就職させてほしい」「紹介してくれる求人が少ない」「何度面接しても採用されない、支援の仕方が悪いのでは」などが典型例です。

こうした苦情は、就労移行支援の支援内容の説明不足・目標設定の齟齬から生じることが多くあります。苦情として受け付けた後は、現在の支援方針・就職活動の状況・今後の見通しを丁寧に説明し、記録に残します。支援方針の変更が必要な場合は個別支援計画の見直しにつなげます。

就職後に離職した場合の苦情

就労移行支援の利用者が就職後に短期離職した場合、「事前の説明と違った」「合わない職場を紹介された」という苦情が家族から寄せられることがあります。就職日から6か月を経過するまでの間、月1回以上の状況確認が義務(第182条第1項)ですが、定着支援の内容・連絡頻度についての事前説明が不足していた場合は苦情になりやすいです。就職前に「就職後もどんな支援が受けられるか」を丁寧に伝えておくことが、苦情の予防になります。

研修で確認する主な内容

項目 確認内容
事故発生時の初動 ①利用者の安全確保→②管理者への報告→③家族への連絡→④行政への報告(速報)→⑤記録作成
企業実習中の事故連絡 実習先企業の緊急連絡先・実習先で事故が起きた場合の職員の対応手順
苦情の受け付け 誰が受け付けるか・口頭でも書面でも受け付ける・記録様式を使う
第三者委員 誰が就任しているか・利用者・家族への周知方法・委員との連絡手順
就職活動への苦情対応 支援方針の説明・個別支援計画との整合・見直しの手順

まとめ

就労移行支援の事故・苦情対応研修では、指定基準第40条・第39条に基づく報告義務と体制整備を確認するとともに、就労移行支援固有の企業実習中の事故・就職活動進捗への苦情・就職後離職時の苦情という場面を研修に含めます。事故発生時の連絡先が「行政+家族」の2か所である点と、第三者委員の活用方法を職員全員が把握しておくことが、対応の遅れを防ぎます。

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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第39条(苦情解決)・第40条(事故発生時の対応)(第184条で準用)。行政への報告書式・提出期限は指定権者の案内を確認してください。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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