消防設備士乙7の実技試験は「鑑別等試験」と呼ばれ、CBT(コンピュータ試験)画面上で機器の写真を見て名称・用途を記述する形式が中心です。筆記とは異なり「語句・数値を書く力」が問われます。この記事では、CBT形式での写真識別・数値記述・工具名の攻略手順をまとめます。
実際の問題を解いて身につけたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 乙種第7類 問題集
鑑別等試験とはどんな試験か
乙7の実技試験(鑑別等)は、CBT画面に表示された機器の写真や図を見て、名称・用途・判定根拠などをキーボードで入力または選択する形式です。試験問題数は5問、合格基準は60点以上(実技単独の合否あり)です。
鑑別等試験の主な出題パターンは次の3つです。
- 写真識別:機器の外観写真を見て名称・用途・識別理由を答える
- 数値記述:規格・省令に定められた数値(電流値・音圧・距離など)を答える
- 工具識別:使用する工具の名称・用途・使い方を答える
写真識別の攻略:零相変流器・受信機・機器の見分け方
最もよく出題されるのが零相変流器(ZCT)と受信機の識別です。外観の特徴と識別のポイントを整理しておきます。
零相変流器(ZCT)の特徴
- 外観:リング状(トロイダル形)または分割型の鉄心コイル
- 電路(引込線)に貫通させて取り付ける構造
- 接地線(アース)は貫通させない(貫通させると検出誤差が生じる)
- 乙7試験では「引込線を貫通させる」「アースは通さない」の2点が記述ポイント
受信機の特徴
- 電源ランプ(電源表示灯)・警報灯・試験スイッチ・音響装置(ブザー)が一体になった筐体
- 壁掛け型が多く、引込線の近く(屋内の見やすい場所)に取り付ける
- 写真問題では「このスイッチの名称は何か」「この部品は何のためのものか」を問われる
識別で迷ったときの切り口
「形状→取付方法→用途」の順で記述すると解答が整理されやすくなります。例:「トロイダル形のコイルで電路を貫通させて取り付ける。電路の地絡電流を検出して受信機に信号を送る。」
数値記述問題の攻略:参考値と留保の書き方
乙7の数値問題は、消防法施行規則・規格省令で定められた数値を正確に記述する形式です。試験対策として覚える参考値を示しますが、最終的な数値は試験当時の規格省令(消防庁告示)で確認してください。
| 出題項目 | 参考値(規格省令で確認) |
|---|---|
| 公称作動電流値の区分 | 100mA・200mA・400mA・500mA・800mA・1,000mAのいずれか(漏電火災警報器の規格省令第3条参照) |
| 音響装置の音圧 | 受信機から1m離れた位置で70dB以上(同規格省令参照) |
| 変流器の取付位置(引込線からの距離) | 省令・告示の定めによる(試験当日の問題文で確認) |
| 予備電源の容量 | 10分間以上監視状態を継続できること(規格省令参照) |
数値記述では「○○mA」「○○dB」のように単位まで書くことが採点のポイントです。単位を省略すると減点されることがあります。
工具識別の攻略:絶縁抵抗計・クランプメーター・通電試験器
乙7の鑑別等試験では、点検や整備に使う工具の名称・用途・使い方も問われます。代表的な3つを整理しておきます。
絶縁抵抗計(メガー)
- 用途:電路と大地間(または電路間)の絶縁抵抗を測定する
- 外観:大型の針式メーター(またはデジタル表示)+高電圧発生部
- 乙7での使用場面:変流器の電路側・受信機の配線の絶縁劣化を確認
- 記述ポイント:「電路と大地間の絶縁抵抗を測定する計器」
クランプメーター(クランプ式電流計)
- 用途:電路を切断せずに電流値(漏電電流を含む)を測定する
- 外観:C字形(クランプ部)で電線を挟む構造
- 乙7での使用場面:変流器を取り付けた電路の実際の漏電電流を確認
- 記述ポイント:「電線を挟んで電流を測定する。電路を遮断しなくてよい」
通電試験器(試験用電源)
- 用途:模擬的な漏電電流を発生させて受信機の作動を確認する
- 外観:ハンディ型の試験装置、電流調整つまみ付き
- 乙7での使用場面:総合点検で公称作動電流値以下の電流を流して警報発報を確認
- 記述ポイント:「公称作動電流値以下の電流を流して警報の発報を確認する」
鑑別の練習法:CBT形式に慣れる手順
鑑別等試験はCBT形式で「画面を見て文字を入力する」作業です。以下の手順で練習すると効果的です。
- 機器の写真を見て、まず「何か分かるか」を書き出す練習をする
- 分からない機器は参考書・問題集で写真と名称をセットで覚える
- 「名称→用途→識別ポイント」の3段階で説明できるよう練習する
- 数値は単位ごとセットで記憶する(例:「70dB以上」「10分間以上」)
- 工具は「何を測るか・どう使うか」をひと言で言えるようにする
外観識別の問題傾向については乙7鑑別の識別問題傾向の記事も参照してください。また、試験対策の全体像は乙7鑑別試験の対策まとめでまとめています。この記事はCBT形式での具体的な記述手順に特化した内容です。
まとめ
乙7の鑑別等試験は、CBT画面で写真を見て名称・用途・数値を記述する形式です。零相変流器(ZCT)は「リング状・引込線を貫通させる・アースは通さない」、受信機は「電源ランプ・警報灯・試験スイッチ一体型」で覚えます。数値は単位まで記述し、規格省令の定めによる参考値(公称作動電流値・音圧70dB以上・予備電源10分間以上)を整理しておきましょう。工具は絶縁抵抗計(絶縁測定)・クランプメーター(電流測定・非遮断)・通電試験器(作動確認)の3種を区別できるようにしておくことが鑑別対策の基本です。
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