消防設備士 乙7の設置基準と設置届。施行規則第24条の2のポイントをまとめる

施行規則第24条の2は「どこに・どうつける」を定める規則だ

漏電火災警報器を設置しなければならない建物の要件は消防法施行令第22条が定めている。では、実際に設備をどこに取り付け、どのように配線するかは誰が定めているのか。それが消防法施行規則第24条の2だ。

施行令が「設置義務の対象」を、施行規則が「設置の技術的な方法」を定めるという役割分担になっている。試験では両方の条文が問われるため、条文の役割の違いを押さえておく必要がある。設置義務の対象建物(面積・構造・電流容量の要件)についてはこちらの記事で別途整理している。

変流器の配線方法と台数の考え方

零相変流器(ZCT)は、建物への電力引込口の付近に設置し、電線をZCTの貫通孔に通す方法が基本だ。電線を貫通させることで、その電路に流れる漏洩電流を検知する仕組みになっている。

貫通させる電線の組み合わせには制約がある。往路と復路の電線をまとめて貫通させることで、正常時は磁界が打ち消し合い、漏洩電流があるときだけ差分が検出できる。往路のみを通す誤った配線をすると、正常電流も検知してしまい誤報の原因になる。

引込口が複数ある建物では、原則として引込口の数に対応した台数の変流器が必要だ。1か所の変流器で複数の引込口を一括監視することはできない。変流器の台数は「引込口の数」で判断するのが基本となる。

受信機は常時人がいる場所に設置する

受信機(警報を受け取って鳴動させる機器)は、防火対象物において常時人がいる場所に設置しなければならない。漏電警報が鳴ったときに即座に確認できるようにするためだ。

設置高さについては、操作・確認がしやすい高さの基準が施行規則で定められている。具体的な高さの数値は施行規則で確認が必要だが、操作パネルが目線の範囲内に来るよう設計するのが基本的な考え方だ。

受信機が常時人のいる場所に設置できない場合の代替措置についても規則で扱われており、試験でも出題されるポイントだ。

音響装置は防護対象に警報が届く位置に設置する

音響装置(ベルやブザー)は、漏電警報を人に確実に伝えることが目的だ。そのため、音が届かない場所に設置してもよいというわけにはいかない。

音響装置の音圧については、規格省令で一定以上の音圧が求められている。設置位置の基準は、防護対象全体に警報が届くことを前提に決定する。具体的な音圧の数値・設置距離の基準は施行規則および規格省令で確認が必要だ。

音響装置は受信機と連動して鳴動する。受信機が漏電を検知したとき、音響装置が自動的に作動する構成が基本だ。

設置工事は電気工事士が担当し、着工届を提出する

消防設備士第7類には甲種が存在しないため、消防設備士の資格では漏電火災警報器の設置工事を行うことはできない。変流器を電路に接続する設置工事は電気工事士の業務範囲となる。乙種第7類は整備・点検のみできる(消防法第17条の5)。

設置工事の着手前には所轄の消防署長に着工届を提出する義務がある(消防法第17条の14)。届出には設備の概要・設置場所・施工者などを記載する。提出のタイミングや様式は各消防署の指示に従って確認する。

整備・点検については乙種第7類で対応できるため、消防設備会社では乙7を持つ技術者が定期点検を担う形になることが多い。

試験で出やすい施行規則第24条の2のポイント

乙7の試験では、施行規則第24条の2に関する問題が法令類別の科目から出題される。特に次の点が頻出だ。

  • 変流器の設置場所(引込口付近)と設置方法(電線の貫通)
  • 受信機の設置条件(常時人のいる場所)
  • 施行令第22条(設置義務の対象)と施行規則第24条の2(技術基準)の役割の違い
  • 設置工事の担当者(電気工事士・甲種第7類は存在しない)と整備・点検の担当者(乙種第7類)の違い

条文番号を正確に覚えるより、「誰が何を定めているか」「どの条文が使われているか」という役割の理解を優先するとよい。具体的な条番号は「施行規則第24条の2」として押さえておけば十分だ。

数値の確認は施行規則と規格省令で行う

この記事では数値を断言する代わりに「施行規則で確認」と留保している。試験対策では設備の構造や動作原理を理解した上で、実際の数値は消防試験研究センターが発行する参考書や施行規則・規格省令の原文で確認するのが確実だ。

乙7の問題集アプリでも施行規則第24条の2に関する問題を収録しているので、合わせて活用してほしい。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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