グループホームの重度障害者支援加算。区分6の利用者を受け入れると何単位増えるか。
グループホーム(共同生活援助)の重度障害者支援加算は、障害支援区分6の利用者1人につき1日あたり100単位が加算されます(出典:平成18年厚生労働省告示第523号)。算定には「夜間支援等体制加算(I)または(II)を当該月に算定していること」という要件があります。定員15人のうち区分6が5人在籍するケースでは、月15万円・年間180万円の収入増につながります。
この記事では、重度障害者支援加算の単位数・算定要件・夜間支援等体制加算との関係・収入への影響を整理します。グループホームの開業を計画している方や、加算の追加を検討している既存運営者の参考としてご活用ください。
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重度障害者支援加算は、障害支援区分6の利用者1人につき1日100単位。
重度障害者支援加算の単位数は、1日あたり100単位です(出典:平成18年厚生労働省告示第523号・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」)。介護サービス包括型・日中サービス支援型のどちらでも算定できます。
| 加算名 | 単位数(1日あたり) | 対象 |
|---|---|---|
| 重度障害者支援加算 | 100単位 | 障害支援区分6の利用者(要件を満たす場合) |
1単位の単価は事業所が所在する地域区分によって異なります。「その他の地域」(全国の多くの事業所が該当)では10円です。区分6の基本報酬が1日600単位のため、重度障害者支援加算が算定されると1日あたり700単位(600+100)となります。
なお、重度障害者支援加算は区分6の利用者のみを対象とします。区分5以下の利用者には算定できません。
算定には、2つの要件を同時に満たす必要がある。
重度障害者支援加算を算定するには、次の2つの要件をどちらも満たしている必要があります(出典:平成18年厚生労働省告示第523号)。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 要件①:利用者の区分 | 障害支援区分6に該当する利用者であること |
| 要件②:夜間支援等体制加算の算定 | 夜間支援等体制加算(I)または(II)を当該月に算定していること |
要件②について補足します。夜間支援等体制加算には(I)〜(III)の3種類があります(詳細は夜間支援等体制加算の記事を参照)。このうち重度障害者支援加算の算定に結びつくのは(I)または(II)のみです。夜間支援等体制加算(III)を算定している月のみの事業所は、重度障害者支援加算を算定できません。
また、告示には「地域における生活に移行するため重点的な支援を必要とする者として厚生労働大臣が定める者を除く」という除外規定があります(出典:平成18年厚生労働省告示第523号)。具体的にどのような状態の利用者が除外に該当するかは、都道府県・市区町村の指定権者に確認してください。
区分6が5人入居する事業所では、月15万円・年間180万円の収入増になる。
定員15人の介護サービス包括型で、区分6の利用者が5人在籍しており、かつ全員について重度障害者支援加算を算定できる場合を例に、収入への影響を試算します(その他の地域・1単位10円・30日・基本報酬と重度障害者支援加算のみ)。
| 条件 | 区分6・5人分の月収入(概算) |
|---|---|
| 重度障害者支援加算なし | 600単位×5人×10円×30日 = 900,000円 |
| 重度障害者支援加算あり | (600+100)単位×5人×10円×30日 = 1,050,000円 |
| 差額(加算による増収分) | 150,000円/月(年間1,800,000円) |
区分6の利用者1人あたりの加算額は、100単位×10円×30日=30,000円/月です。区分6の在籍数が増えるほど、加算による収入増が積み上がります。
ただし、この試算は要件をすべて満たす場合の上限です。夜間支援等体制加算(I)または(II)を算定できていない場合は0円になります。また、除外規定に該当する利用者には算定できません。
夜間支援等体制加算(I)の算定が、重度障害者支援加算の前提条件になる。
重度障害者支援加算を算定するためには、夜間支援等体制加算(I)または(II)を当該月に算定していることが必要です。まず夜間支援等体制加算(I)の算定要件を満たしているかを確認することが優先です。
夜間支援等体制加算(I)の概要は次のとおりです(詳細は夜間支援等体制加算の記事を参照してください)。
| 加算の種類 | 概要 | 重度障害者支援加算の前提 |
|---|---|---|
| 夜間支援等体制加算(I) | 夜間・深夜帯に夜間支援従事者を配置し、共同生活住居に泊まり込む体制 | ○(算定できる) |
| 夜間支援等体制加算(II) | 夜間・深夜帯に夜間支援従事者が複数の住居を巡回する体制 | ○(算定できる) |
| 夜間支援等体制加算(III) | 夜間・深夜帯に警備会社等による緊急通報体制を整備する | ×(算定できない) |
夜間支援等体制加算(I)は、夜間支援従事者が共同生活住居に宿泊・常駐する体制が必要です。人件費がかかる分、収入への効果も大きい加算です。重度障害者支援加算を組み合わせると、区分6の利用者1人あたりの1日の単位数は次のようになります。
- 基本報酬:600単位
- 夜間支援等体制加算(I):(住居の定員・配置体制による単位数。詳細は夜間支援等体制加算の記事を参照)
- 重度障害者支援加算:100単位
重度障害者支援加算の100単位は、夜間支援等体制加算(I)の単位数とは別に加算されます。両方の要件を満たす場合は、それぞれが積み上がります。
重度障害者支援加算は、収支シミュレーターに未実装。収益計画への組み込み方。
障害者グループホーム 開業向け収支シミュレーター(https://fufumumu-design.com/gh-keikaku/)は、現時点では重度障害者支援加算の入力欄に対応していません(シミュレーターの画面上にその旨を表示しています)。
重度障害者支援加算を収支計画に組み込む場合は、次のように手動で加算してください。
- シミュレーターで基本収支を試算する(基本報酬・夜間支援等体制加算・処遇改善加算等を含む)
- 重度障害者支援加算の月収入を別途計算する:100単位×区分6の在籍者数×1単位の単価×30日
- シミュレーターの月収入に②の金額を上乗せして、最終的な収支を確認する
たとえば、その他の地域(1単位10円)で区分6の利用者が5人在籍する場合、重度障害者支援加算だけで月15万円・年間180万円を別途上乗せした収支になります。
重度障害者支援加算の対応は、今後のシミュレーターのアップデートで追加を検討しています。対応状況はシミュレーターの画面を確認してください。
介護サービス包括型と日中サービス支援型で、算定要件は同じか。
両方の形態で重度障害者支援加算は算定できます。ただし、日中サービス支援型は夜間支援等体制加算(I)・(II)・(III)の代わりに「夜勤職員加配加算」が設定されており(夜間支援等体制加算は対象外)、夜勤職員加配加算を算定している場合に重度障害者支援加算が算定できるかどうかは、告示または指定権者に確認してください。本記事に記載した要件は介護サービス包括型を主な対象としています。
区分6の認定を受けた利用者全員に算定できるか。
告示には「地域における生活に移行するため重点的な支援を必要とする者として厚生労働大臣が定める者を除く」という除外規定があります。除外に該当する利用者については算定できません。具体的にどのような利用者が該当するかは指定権者(都道府県・政令市・中核市)に確認してください。
重度障害者支援加算と人員配置体制加算は、同時に算定できるか。
両方の算定は可能です。それぞれ別の要件で定められた加算です。人員配置体制加算の要件(夜間支援等体制加算(I)を算定しており、かつ一定の配置比率を満たすこと等)を確認したうえで、両方を算定できる体制を整えることが重要です。詳細は人員配置体制加算の記事を参照してください。
まとめ
重度障害者支援加算は、障害支援区分6の利用者1人につき1日100単位が加算される仕組みです。算定には①区分6の利用者であること、②夜間支援等体制加算(I)または(II)を当該月に算定していること、という2つの要件を同時に満たす必要があります。
収入への影響は、区分6の在籍数に比例して大きくなります。区分6が5人の事業所では月15万円・年間180万円の上乗せになります。夜間支援等体制加算(I)の算定を前提として、どの利用者に算定できるかを指定権者に確認することが重要です。
現在の収支シミュレーターには重度障害者支援加算の入力欄はありませんが、別途計算して上乗せすることで収支計画に組み込めます。
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【出典一覧】
・平成18年厚生労働省告示第523号(指定障害福祉サービス費の算定基準):重度障害者支援加算の単位数・算定要件
・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf):報酬算定の全体構造

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