自動火災報知設備の感知器回路は、火災を正確に検知するだけでなく、配線が断線したときにもすぐに異常を知らせる仕組みを持っている。この断線監視の仕組みと、感知器回路に使う配線の種類(耐熱配線・耐火配線)は、消防設備士4類の試験でくり返し出題されるテーマだ。電源についても予備電源の容量基準が問われる。本記事では断線監視の原理から配線の選び方、予備電源の規定まで一通り整理する。
断線監視の仕組み:終端抵抗を使った電流監視
P型自動火災報知設備の感知器回路は、終端抵抗(エンド抵抗)を回路の末端に接続することで断線を監視している。受信機は回路に微小な監視電流を流し続けており、その電流が正常に流れているかどうかで異常を判断する。
通常時は終端抵抗を通じて監視電流が流れているため、受信機は「正常」と判断する。火災時は感知器の接点が閉じることで回路抵抗が下がり、電流が増加して火災信号として受信機に伝わる。断線が発生した場合は電流が流れなくなるため、受信機は「断線(回線断」として表示する。
| 状態 | 回路の電流 | 受信機の表示 |
|---|---|---|
| 通常監視中 | 微小な監視電流が流れる | 正常(表示なし) |
| 火災(感知器作動) | 電流が増加(接点閉) | 火災表示・地区音響鳴動 |
| 断線発生 | 電流が流れない | 断線(回線断)表示 |
| 短絡(地絡) | 過大電流が流れる | 火災表示または短絡表示 |
終端抵抗の位置は回路の最末端の感知器の近傍または端子箱内に設置する。途中に設置すると終端抵抗より先の断線を検出できなくなるため、必ず最末端でなければならない。これは試験でも「終端抵抗を途中に入れてはいけない理由」として出題される。
なお、R型受信機はアドレス式感知器を使うため、従来の終端抵抗による断線監視とは異なる方式(通信の途絶による検出)を採用している。試験ではP型の終端抵抗方式と区別して覚えておく必要がある。
感知器回路に使う配線:耐熱配線と耐火配線の違い
自動火災報知設備の配線は、火災時の熱でも一定時間機能を保てるものを使わなければならない。消防法施行規則第24条第1号ロは感知器回路・発信機回路の配線について耐熱電線または耐火電線の使用を規定している。
耐熱配線と耐火配線は似た名前だが、耐えられる熱の程度と使用場所が異なる。
| 区分 | 耐熱配線 | 耐火配線 |
|---|---|---|
| 対応する規格の例 | 600V2種ビニル絶縁電線(HIV)・耐熱電線(HP) | 耐火電線(FP-C)・MI ケーブル |
| 耐熱性能の目安 | 60分間・380℃に耐える | 30分間・840℃に耐える(実態は耐熱より高温対応) |
| 主な使用場所 | 感知器回路・発信機回路・地区音響装置回路 | 非常電源から受信機・感知器回路(高熱リスクが高い場所) |
| 電線管への収容 | 金属管・可とう管に収める場合あり | 耐火電線単体でも可 |
| 根拠 | 施行規則第24条第1号ロ | 施行規則第24条第1号ロ |
試験では「感知器回路に耐熱電線を使う根拠条文」「耐熱配線と耐火配線のどちらをどこに使うか」という形で出題される。感知器回路・発信機回路・地区音響装置回路は耐熱配線以上が必要、非常電源回路は耐火配線が必要という区分を整理しておくとよい。
600V2種ビニル絶縁電線(HIV)とは
通常の低圧配線には600Vビニル絶縁電線(IV線)が広く使われるが、自動火災報知設備では600V2種ビニル絶縁電線(HIV線)が一般的に採用される。HIV線はIV線より耐熱性が高く、最高許容温度が75℃(IV線は60℃)となっている。感知器回路に一般のIV線を使うことは認められない。
耐熱電線(HP型)はさらに高い耐熱性を持ち、耐火電線(FP-C)は高温火炎中でも30分以上機能を保てる。設備の規模や設置場所のリスクに応じて選択する。
予備電源(蓄電池)の容量基準
自動火災報知設備には主電源(商用電源)のほかに予備電源(蓄電池設備)の設置が義務づけられている(消防法施行規則第24条第1号ヌ)。主電源が停電した場合でも、予備電源で監視・警報機能を維持できるようにするためだ。
予備電源の容量は以下の基準を満たす必要がある。
| 設備の種類 | 監視状態の継続時間 | 火災作動時の継続時間 |
|---|---|---|
| 自動火災報知設備(P型・R型) | 60分間以上 | 10分間以上 |
| ガス漏れ火災警報設備 | 60分間以上 | 10分間以上 |
「監視60分・鳴動10分」という数字は試験頻出だ。「30分」「20分」といった数値を混ぜた選択肢が出題されることが多いため、監視は60分、鳴動(火災作動)は10分、と確実に覚えておく。
予備電源には蓄電池設備(鉛蓄電池・アルカリ蓄電池)が使われる。受信機に内蔵されるタイプと、別置きで設置するタイプがある。蓄電池は定期的な点検と交換が必要であり、機器点検(6か月ごと)・総合点検(1年ごと)の対象でもある。
主電源喪失時の動作
主電源(商用電源)が停電すると、受信機は自動的に予備電源(蓄電池)に切り替わる。この切替えは自動で行われ、手動操作は不要だ。切替え時に一時的な誤報は発生しない仕様になっている。
予備電源に切り替わっている間も監視状態は維持され、火災が発生した場合は正常に火災表示・音響警報が出る。ただし停電が60分を超えると予備電源が消耗し、監視機能が維持できなくなる可能性がある。
試験でよく出る断線・配線・電源のパターン
試験に出やすい出題パターンを4つ整理する。
パターン1:終端抵抗の位置
「終端抵抗を回路の途中に設置した場合、終端抵抗より先の断線を検出できなくなる」という問いに対し、「正しい」と答える。終端抵抗は必ず最末端に設置する。
パターン2:断線時と短絡時の違い
「断線が発生した場合、受信機は断線(回線断)表示を出す。火災表示は出ない」。これに対し短絡(地絡)の場合は火災表示が出ることがある。断線と短絡で受信機の反応が異なる点を整理しておく。
パターン3:感知器回路の配線種別
「感知器回路に使用できる配線はIV線である」は誤り。感知器回路には耐熱電線(HIV線など)以上を使わなければならない。IV線(1種ビニル絶縁電線)は使用不可。
パターン4:予備電源の容量
「予備電源は監視状態を10分間維持できること」は誤り。正しくは60分間。火災作動(鳴動)状態での継続時間10分間と混同しないようにする。
断線監視・配線・電源をまとめると
- 断線監視は終端抵抗を回路最末端に設置し、受信機が監視電流を常時流すことで行う
- 断線時は電流ゼロ→断線(回線断)表示、短絡時は過大電流→火災表示または短絡表示
- 感知器回路・発信機回路は耐熱配線(HIV線など)以上を使用(施行規則第24条第1号ロ)
- 耐火配線(FP-C等)は耐熱配線より高温に耐え、非常電源回路等に使用する
- 予備電源の容量:監視状態60分以上・火災作動10分以上(施行規則第24条第1号ヌ)
- 主電源停電時は自動で予備電源に切替え、手動操作不要
断線監視・配線種別・予備電源は、設備の「信頼性を保つ仕組み」として一体で理解するとよい。配線が正しくても断線を検出できなければ意味がなく、予備電源がなければ停電時に無力になる。この3つのテーマをセットで押さえておくと、製図問題や鑑別問題でも対応しやすくなる。
消防設備士4類 AI問題集(甲4・乙4)では、断線監視の仕組み・配線種別・予備電源容量に関する問題を出題しています。確認済み問題126問は無料で解けます。
試験の概要・受験資格・学習の進め方は消防設備士4類 試験ガイドもあわせて参照してください。
出典・参考
- 消防法施行規則第24条第1号ロ(感知器回路・発信機回路の配線の耐熱保護)
- 消防法施行規則第24条第1号ヌ(予備電源の容量基準)
- 消防庁「自動火災報知設備の設置基準」(消防予第245号等通知)
- 消防試験研究センター「消防設備士試験 試験科目及び問題数」
※本記事の内容は執筆時点の法令・通知に基づいています。改正が行われた場合は最新の一次資料をご確認ください。また、本記事はAIが生成した文章を含みます。重要な判断は消防設備士または消防機関に確認することをお勧めします。


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