光電式感知器の種類と選び方。スポット型1種・2種・3種と分離型の違いを整理する。

光電式感知器の種類と選び方。スポット型1種・2種・3種と分離型の違いを整理する。 資格
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光電式感知器は煙を検出して火災を知らせる感知器で、消防設備士4類の試験では「1種・2種・3種の感度の違い」と「設置できる場所の制限」が繰り返し出題される。差動式感知器と並んで出題頻度が高く、種別ごとの数値と設置場所の組み合わせをセットで覚えることが攻略のポイントだ。

この記事では、光電式スポット型1種・2種・3種の感度の違い、設置できる場所の制限、光電式分離型の仕組みと設置基準、試験での出題パターンを整理する。

光電式感知器の検出原理

光電式感知器は光を使って煙を検出する。スポット型と分離型では検出の仕組みが異なる。

スポット型の原理(散乱光方式)

光電式スポット型感知器は、感知器本体の暗箱(検知チャンバー)内に発光素子と受光素子を向かい合わせで配置している。平常時は光が受光素子に直接当たらないように角度をずらして設置されている。

火災で煙が暗箱内に入ると、煙粒子に光が当たって散乱する。散乱した光が受光素子に届くと電流が流れ、一定以上の値を超えた時点で火災信号を出す。この「散乱光」を検出する方式を散乱光式という。

分離型の原理(減光方式)

光電式分離型感知器は送光部と受光部を離して設置し、その間を光ビームが走る構造だ。平常時は光が減衰なく受光部に届いている。煙が光路に入ると光が遮られ、受光量が一定割合を超えて低下したときに火災信号を出す。この方式を減光式という。

分離型は広い空間(倉庫・体育館・アトリウム等)に向いており、スポット型では対応しにくい場所で使われる。

スポット型1種・2種・3種の感度の違い

光電式スポット型感知器は感度によって1種・2種・3種に区分される(自動火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令・以下「規格省令」)。

種別 作動する煙濃度(公称感度) 感度の位置づけ 主な設置場所
1種 5%/m以下 最も高感度 廊下・階段・エレベーターロビー・就寝用途
2種 10%/m以下 標準感度 居室・事務室・廊下・階段など一般的な場所
3種 25%/m以下 最も低感度 廊下・階段・エレベーターロビーには設置不可

「%/m」は光の減衰率で、1mあたり何%光が遮られる濃度の煙に反応するかを示す。数値が小さいほど薄い煙に反応するため、1種が最も感度が高い。

煙濃度5%/mの煙は視界がかなり良好な状態で、早期に感知できる。25%/mは視界がかなり制限される濃さで、3種は比較的濃い煙にしか反応しない。

設置できる場所の制限(施行規則第23条第4項)

光電式スポット型感知器の種別によって、設置できる場所に制限がある(消防法施行規則第23条第4項)。特に廊下・通路・階段・傾斜路・エレベーター乗降ロビーには、3種を設置してはならない。

設置場所 1種 2種 3種
廊下・通路(階段を除く) 可 可 不可
階段・傾斜路 可 可 不可
エレベーター乗降ロビー 可 可 不可
居室・事務室・その他一般室 可 可 可

廊下・階段・エレベーターロビーは避難経路にあたる。火災時に人が逃げる経路での早期感知が重要なため、感度の低い3種の設置が禁止されている。

試験では「廊下に設置できる光電式スポット型感知器の種別はどれか」という形で出題されることが多い。正解は1種と2種で、3種は廊下に設置できない。

煙感知器が必要な場所

消防法施行規則第23条第5項は、特定の場所については煙感知器(光電式またはイオン化式)の設置を義務付けている。熱感知器(差動式・定温式)では対応できない場所だ。

煙感知器が必要な代表的な場所は以下の6か所だ。

  • 廊下・通路(階段・傾斜路を除く)
  • 階段・傾斜路
  • エレベーター乗降ロビー・パイプシャフトなどの竪穴区画
  • 天井が高い場所(取付面の高さが20mを超える場所)
  • 11階以上の階の一般室(施行規則第23条第4項第7号)
  • 特定一階段等防火対象物の廊下・通路(必ず煙感知器、かつ3種不可)

廊下と階段はイメージしやすいが、「11階以上の一般室」も煙感知器が必要であることは見落としやすい。試験でも出題実績がある。

光電式分離型感知器の仕組みと設置基準

光電式分離型感知器は送光部と受光部を空間を挟んで対向させる。送光部から受光部に向けて赤外線ビームを発し、煙による減光を検出する。

公称監視距離

分離型の光ビームが有効に機能する距離(公称監視距離)は5m以上100m以下と規格省令で定められている。送光部と受光部の間隔が5m未満でも100mを超えてもいけない。

設置位置の基準

分離型の設置基準は施行規則第23条第4項で以下のとおり定められている。

設置基準の項目 数値
光軸の高さ(天井面の下方) 0.6m以内
壁からの距離 0.6m以上
公称監視距離 5m以上100m以下
光軸の相互間隔 14m以下

スポット型の「天井面下0.3m以内」と比べて、分離型は「天井面下0.6m以内」と数値が異なる点に注意が必要だ。試験で紛らわしい選択肢として出題されやすい。

分離型の正常判定

分離型は光ビームが正常に届いているかで判定する。煙がない状態で光の減衰が一定以下であれば正常だ。受光部の受光量が設定値を大きく下回ったときに火災信号を出す。

光軸がずれると誤作動や未検出の原因になるため、設置時に光軸調整を正確に行うことが重要だ(整備・鑑別の試験でも問われる)。

スポット型と分離型の使い分け

スポット型は天井面に個別に取り付けて感知区域を分担する形で使う。一般的な居室・廊下・階段では標準的な選択肢だ。

分離型は大空間(天井が高い・広い)で使う。体育館・倉庫・アトリウム・吹き抜けなど、スポット型を天井面に敷き詰めるとコストや工事の制約が大きい場所に向く。1本の光軸で最大100mをカバーできる点が強みだ。

ただし分離型は光軸の調整が必要で、障害物(フォークリフトや荷物など)が光路を遮る環境では誤作動が起きやすい。倉庫でも棚が光路に入る場合は配置に注意が要る。

よくある誤解と試験の引っかかりポイント

光電式感知器に関して試験で紛らわしい選択肢が多いポイントを整理する。

「光電式スポット型3種は廊下に設置できる」は誤り。3種は廊下・階段・エレベーターロビーへの設置が禁止されている。

「光電式分離型の光軸は天井面下0.3m以内に設置する」は誤り。分離型は0.6m以内で、0.3m以内はスポット型の数値だ。

「光電式感知器はすべての場所に設置できる」は誤り。廊下・階段には煙感知器(1種または2種)が必要だが、3種の光電式は設置できない。

「光電式分離型の公称監視距離は100m以下であれば制限なし」は誤り。5m以上100m以下の範囲内でなければならない(5m未満も不可)。

「光電式スポット型1種は最も感度が低い」は誤り。1種が最も高感度(5%/m以下で作動)で、3種が最も低感度(25%/m以下で作動)だ。

試験出題パターン5件

光電式感知器に関する試験の典型的な出題パターンを5件まとめる。

パターン1「廊下に設置できる感知器の種別を選ぶ問題」:光電式スポット型1種または2種が正解。3種は不可。熱感知器(差動式・定温式)も廊下には設置できない。

パターン2「感度の数値(%/m)と種別の対応を問う問題」:1種(5%/m以下)・2種(10%/m以下)・3種(25%/m以下)の組み合わせを正確に覚えておく。

パターン3「光電式分離型の光軸の設置高さを問う問題」:天井面下0.6m以内が正解。スポット型の0.3m以内と混同させる選択肢がよく出る。

パターン4「分離型の公称監視距離の上限と下限を問う問題」:5m以上100m以下が正解。上限だけ答えさせる問題では100m以下、下限だけでは5m以上と答える。

パターン5「煙感知器が必要な場所と理由を問う問題」:廊下・階段・エレベーターロビー・11階以上の一般室・竪穴区画が代表的な場所。理由は「避難経路での早期検知が必要」または「法令で定める特定場所」。

まとめ

光電式感知器のポイントをまとめる。

  • スポット型は散乱光方式(暗箱内の煙粒子が光を散乱させる)、分離型は減光方式(光路の煙が光を遮る)
  • スポット型の感度:1種(5%/m以下)・2種(10%/m以下)・3種(25%/m以下)。数値が小さいほど高感度
  • 3種は廊下・階段・エレベーターロビーに設置不可(施行規則第23条第4項)
  • 分離型の光軸は天井面下0.6m以内(スポット型の0.3m以内とは異なる)
  • 分離型の公称監視距離は5m以上100m以下・光軸間隔は14m以下
  • 廊下・階段には煙感知器(1種または2種)が必要で、熱感知器は設置できない

種別と設置場所の制限をセットで覚えておくと、「廊下にどの感知器を設置するか」という問題で迷わなくなる。AI問題集では光電式感知器の種別・感度・設置場所の問題を繰り返し出題している。確認済み問題126問で基礎固めをしたうえで、AI生成問題で定着させてほしい。

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出典

  • 消防法施行規則第23条第4項(感知器の設置基準・煙感知器が必要な場所)
  • 自動火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(規格省令)(種別・感度・監視距離)
  • 消防試験研究センター「試験実施状況」(試験科目・出題区分)

※この記事は試験対策を目的とした解説です。実際の設計・施工にあたっては施行規則の原文および所轄消防署の指導に従ってください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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