訪問看護のターミナルケア加算。介護保険2,500単位と医療保険25,000円の違いと算定の条件。

訪問看護のターミナルケア加算は、利用者が在宅で亡くなった月に1回算定できます。介護保険では2,500単位(地域区分により約25,000〜28,500円)、医療保険ではターミナルケア療養費として25,000円です。同じ看取りの支援でも、介護保険か医療保険かで算定の仕組みが異なります。新規開業から1件目の看取りで算定でき、件数を重ねることが看護体制強化加算(月550単位)の実績要件につながります。

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介護保険のターミナルケア加算は2,500単位・死亡月に1回

介護保険の訪問看護でターミナルケア加算を算定すると、2,500単位が死亡した月に1回加算されます(令和6年告示第86号)。

地域区分 単価(円/単位) ターミナルケア加算(円)
1級地 11.40 28,500
2級地 11.12 27,800
3級地 11.05 27,625
4級地 10.84 27,100
5級地 10.70 26,750
6級地 10.42 26,050
7級地 10.21 25,525
その他 10.00 25,000

算定の詳細な条件(同意の取得方法・訪問記録の要件など)は最新の告示・通知でご確認ください。

医療保険はターミナルケア療養費として25,000円

医療保険での訪問看護(訪問看護療養費)では、ターミナルケア療養費として25,000円が死亡した月に1回算定できます(令和8年告示第74号・令和8年6月1日施行)。医療保険は全国一律の金額なので地域区分の影響を受けません。

がん末期・難病などは医療保険が優先される

要介護・要支援の利用者は原則として介護保険による訪問看護が適用されますが、次のような状態の場合は医療保険が優先されます。

  • がん末期(厚生大臣が定める疾病等の対象)
  • 難病(特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等)
  • 主治医が特別指示書を交付した急性増悪の状態

がん末期の利用者は医療保険が優先されるため、看取りの多くは医療保険での算定になります。ターミナルケア療養費(25,000円)が適用されます。

看取りの月の収入の試算例(医療保険利用者・月8回訪問)

医療保険の利用者が亡くなった月(8回訪問・看護師・機能強化型なし・単一建物)の収入を試算します。

項目 計算 金額(円)
管理療養費(月初日) 1回 7,710
管理療養費(2日目以降) 7回 × 3,010円 21,070
基本療養費(8回・週3日以内) 8回 × 5,550円 44,400
ターミナルケア療養費 1回 25,000
合計 98,180

24時間対応体制加算(6,800円/月)や特別管理加算(2,500〜5,000円/月)が算定されている場合はこれに加算されます。通常月より収入が増える月になります。

ターミナルケアの実績が看護体制強化加算に必要になる

介護保険の看護体制強化加算(月550単位/I・200単位/II)の実績要件の一つに、ターミナルケアの件数があります(令和8年告示第95号)。

  • 看護体制強化加算 I: 前12か月にターミナルケア加算を算定した利用者が年5名以上
  • 看護体制強化加算 II: 前12か月にターミナルケア加算を算定した利用者が年1名以上

看護体制強化加算IIは年1名以上という条件なので、年に1件でも看取りの実績があれば算定の要件の一つを満たします(他の要件もあります)。ターミナルケア加算を1件ずつ積み上げることが、将来の看護体制強化加算の取得につながります。

新規開業でも1件目から算定できる

ターミナルケア加算(介護保険)・ターミナルケア療養費(医療保険)は、開業直後から算定できます。前年度の実績が必要な減算(PT等の-8単位減算など)とは異なり、開業1年目から適用されます。

一方、看護体制強化加算はターミナルケアの実績を積み上げた後に算定できるようになるため、新規開業時から算定することはできません。

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参照した資料
厚生労働省告示第86号(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準・令和6年改定)。厚生労働省告示第74号(訪問看護療養費・令和8年6月1日施行)。厚生労働省告示第95号(指定居宅サービス等に係る施設基準・令和6年改定)。数値は令和8年10月時点。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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