放課後等デイサービスの研修記録、何を書いて何年保存するか。様式の作り方。

放課後等デイサービスの研修記録 何を書いて何年保存するか 福祉事業の開業と運営





放課後等デイサービスの研修記録、何を書いて何年保存するか。様式の作り方。

放課後等デイサービスの研修記録、何を書いて何年保存するか。様式の作り方。

放課後等デイサービス(以下、放デイ)の義務研修を実施しても、記録が不十分だと運営指導(実地検査)で「実施の証明ができない」とみなされるリスクがあります。研修を行ったこと自体と、記録として残っていることは別です。

この記事では、指定通所支援基準が求める義務研修の記録として何を書けばよいか・何年保存すればよいか・様式をどう作るかを整理します。

研修記録に書く必要がある項目

記録すべき項目 書き方のポイント
実施日 年月日を記載。年度をまたぐ場合は年度ごとに整理する
研修テーマ 「感染症研修」「虐待防止研修」など、義務の根拠条文と対応するテーマ名を書く
実施方法 「資料配布・説明」「外部講師による講義」「動画視聴後に質疑」など具体的に書く
実施時間 30分・60分など。研修として認められる最低時間の定めはないが、実施内容と整合する時間を記録する
参加職員の氏名と確認サイン 参加者リストへの自署(サイン)が証明として機能する。印刷した名簿への押印でも可
研修内容の要点 配布資料の写し・議事メモ・理解度確認テストの結果などを添付する
欠席者への対応 欠席した職員に対して資料配布・録画視聴・補講を行った場合はその記録も残す

研修の対象職員の範囲

義務研修は「全職員」が対象です。常勤・非常勤・パート・派遣を問わず、施設で働くすべての職員が受講する必要があります。

年度途中の採用者・担当替えの職員については、採用後できるだけ早い時期に研修を受けさせる機会を設けます。「年1回の研修に間に合わなかった」場合でも、補講・資料読み合わせ等で補完し、その記録を残しておくことで「対応した」という証明になります。

委員会の記録との区別

研修の記録と委員会(感染症委員会・虐待防止委員会等)の記録は別物です。混在させると運営指導で「どれが研修でどれが委員会か」が分かりにくくなります。

区分 記録に書く内容
研修の記録 実施日・テーマ・方法・時間・参加者サイン・内容の要点
委員会の記録(議事録) 開催日・出席者・議題・審議内容・決定事項・次回開催予定・職員への周知方法

同じ日に研修と委員会を開催した場合でも、記録用紙は別々に作成します。それぞれの義務の根拠が別条文であるため、個別に証明できる形にしておくのが安全です。

研修記録の保存期間

指定通所支援基準では、事業所の運営に関する記録の保存期間として「完結の日から5年間」と定められています。研修記録は「研修を実施した年度の末日」が完結日の起算点の目安となります。

令和3年の指定基準改正前は保存期間が2年でしたが、現在は5年に延長されています。古い社内ルールのまま2年で廃棄している事業所は、現行基準への切り替えが必要です。

欠席した職員の研修をどう記録するか

資料配布・読み合わせ:研修資料を欠席者に配布し、内容を確認したことをサインで記録します。記録欄に「欠席・資料配布により補完・確認日:〇月〇日」と書きます。

動画録画の視聴:研修を録画しておき欠席者が後日視聴する方法は、内容の均質化にも役立ちます。視聴完了後にサインをもらい、記録に日付を記載します。

補講の実施:管理者や担当者が個別に説明する場合は、実施日・説明者・対象者・説明内容の概要を記録します。

様式の作り方(記載項目の例)

【放課後等デイサービス 研修実施記録】
実施日    年  月  日( 曜日)
実施時間   :  〜  :  (  分間)
研修テーマ (例:感染症の予防・まん延防止研修)
実施方法 (例:資料配布・説明、動画視聴、外部講師)
研修内容の要点 (箇条書きで記載、または配布資料を添付)
【参加職員・確認サイン欄】氏名と自署を記載
【欠席者への対応】欠席者名・対応方法・確認日・サインを記載

長期休暇中のスポット職員・短期採用者への対応

放デイでは夏休み・冬休み・春休みの長期休暇中に利用者が増え、アルバイト・短期採用職員を入れる事業所があります。この場合、年間の定期研修タイミングを外れた職員が「義務研修を受けていない」状態で支援に入るリスクがあります。

長期休暇期間中に入る職員には、採用直後に少なくとも「虐待防止・感染症・緊急時対応」の3テーマを資料配布または動画視聴で補完し、確認サインをもらいます。短期間であっても研修記録に残しておくことで、運営指導での「全職員が受講している」という証明になります。

運営指導で研修記録を確認されるポイント

  • 年間計画と実績が対応しているか(計画した研修が実施されているか)
  • 参加者サインがあるか(「やった」という証明になる)
  • 義務研修のテーマ(感染症・虐待防止・身体拘束・BCP等)が網羅されているか
  • 欠席者への補完対応が記録されているか
  • 研修の記録と委員会の議事録が区別されているか
  • 保存期間が5年間になっているか(令和3年改正後の基準)

法定研修・訓練のキットを使う

放課後等デイサービス向けの義務研修に対応した教材・確認テスト・研修記録様式・年間計画テンプレートを収録した研修キットを公開しています。

▶ 研修記録様式・年間計画テンプレート付きの放デイ研修キット


出典:指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準・厚生労働省「実地指導の標準化・効率化等の運用指針」(令和元年)・障害福祉サービス等の指定基準改正(令和3年)。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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