入院時情報連携加算と退院・退所加算。取得のための連携と単位数を整理する。

入院時情報連携加算と退院・退所加算。取得のための連携と単位数を整理する。 介護

居宅介護支援事業所のケアマネジャーが取得できる加算のなかで、病院との連携に関わる加算が2種類あります。「入院時情報連携加算」と「退院・退所加算」です。

どちらも利用者が入退院するタイミングに発生する加算で、医療機関との連携を積極的に行うほど収入が増える仕組みになっています。この記事では、それぞれの加算の単位数・算定要件・日数のカウント方法を整理します。

算定の根拠は、厚生労働省告示第125号(令和8年6月適用)です。

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入院時情報連携加算の単位数と算定要件

入院時情報連携加算は、担当する利用者が医療機関(病院・診療所)に入院したとき、ケアマネジャーが医療機関の職員(医師・看護師・医療ソーシャルワーカーなど)に対して、利用者の日常生活状況・心身の状態・サービスの利用状況などの情報を提供した場合に算定できます。

入院時情報連携加算(令和8年6月適用)
区分 単位数 算定の条件
(Ⅰ) 200単位/回 入院から3日以内に情報提供した場合
(Ⅱ) 100単位/回 入院から4日目〜7日以内に情報提供した場合

出典:厚生労働省告示第125号(令和8年6月適用)・指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)

単位が高い(Ⅰ)を取るには、入院の連絡を受けてから3日以内に情報を届ける必要があります。日数のカウントは入院日を含めた3日です。たとえば月曜日に入院した場合、水曜日までが(Ⅰ)の算定期限になります。

情報提供の手段は、電話・文書・FAX・電子メールのいずれも認められています。ただし、提供した内容と日時の記録が必要です。「いつ・誰に・何を伝えたか」を介護支援経過記録に残しておくことが算定の前提になります。

同一の入院に対してこの加算は1回しか算定できません。(Ⅰ)と(Ⅱ)を両方算定することはできません。

退院・退所加算の単位数と算定要件

退院・退所加算は、担当する利用者が医療機関または介護保険施設・地域密着型介護老人福祉施設などから退院・退所する際に、ケアマネジャーが病院側・施設側の職員と情報連携した場合に算定できます。

退院後に居宅でのサービス提供を再開するために必要な情報収集・カンファレンスへの参加を評価する加算です。

退院・退所加算(令和8年6月適用)
区分 単位数 算定の条件
(Ⅰ)イ 450単位/回 カンファレンス参加なし・情報収集のみ
(Ⅰ)ロ 600単位/回 カンファレンスに参加した場合
(Ⅱ)イ 600単位/回 入院時情報連携加算を算定済み・情報収集のみ
(Ⅱ)ロ 750単位/回 入院時情報連携加算を算定済み・カンファレンス参加
(Ⅲ) 750単位/回 施設等からの退所・カンファレンス参加・3者以上の参加

出典:厚生労働省告示第125号(令和8年6月適用)

区分が上がるほど単位数が増えますが、その分だけケアマネジャーが行う連携の内容も厚くなります。カンファレンス(退院前カンファレンス)に参加するには、実際に医療機関に赴くか、テレビ電話等による参加も認められています。

退院・退所加算は月3回まで算定できる

退院・退所加算は、1人の利用者に対して1か月に3回を上限として算定できます。同一の退院・退所に対して複数回算定することはできませんが、月内に複数の入退院(たとえば入院→退院→再入院→再退院)があった場合は、それぞれの退院・退所について算定が可能です。

ただし、1か月の上限が3回であることを念頭に置いておく必要があります。

入院時情報連携加算と退院・退所加算を組み合わせると収入が大きく変わる

入院から退院まで一連の流れで両方の加算を算定した場合、得られる単位数を試算してみます。

一連の入退院で両方算定した場合の単位数試算例
加算 区分 単位数
入院時情報連携加算 (Ⅰ) 200単位
退院・退所加算 (Ⅱ)ロ(カンファレンス参加) 750単位
合計 950単位

地域区分が10.00円の場合、950単位 × 10.00円 = 9,500円になります。ひとつの入退院につき、基本報酬(要介護1・2:1,086単位)と合わせると、その月の利用者1人あたりの収入が倍近くになる場合もあります。

入院時の連携を丁寧に行うことは、利用者にとって必要なことであると同時に、事業所の収入にも直結するという性格を持っています。

算定するために必要な記録

どちらの加算も、算定のためには記録が必要です。運営指導(旧「実地指導」)では、加算の根拠となる記録が確認されます。

入院時情報連携加算の記録として残すべき内容です。

  • 入院した日(連絡を受けた日時)
  • 情報提供した日時
  • 情報提供した相手の氏名・職種
  • 提供した内容(利用者の日常生活状況・サービス利用状況・心身の状態など)
  • 提供の手段(電話・文書・FAXなど)

退院・退所加算の記録として残すべき内容です。

  • 退院・退所した日
  • 情報収集の日時・相手・内容
  • カンファレンスを行った場合は、参加者・日時・内容
  • 居宅サービス計画への反映状況

これらを介護支援経過記録や所定の様式に記載しておくことが、適切な算定の前提になります。

入院の連絡を受けたときの対応フローを事前に決めておく

利用者が急に入院した場合、家族から連絡が入ることが多いです。その際にスムーズに動けるよう、対応フローを事前に整理しておくことが実務上重要です。

参考として、よくある対応の流れを示します。

  1. 家族から入院の連絡を受ける
  2. 入院した医療機関・病棟を確認する
  3. 医療機関の担当者(担当看護師・医療ソーシャルワーカーなど)に連絡を取る
  4. 利用者の日常生活の状況・サービスの利用状況・心身の状態などを伝える(3日以内:(Ⅰ)・7日以内:(Ⅱ))
  5. 伝えた内容と日時を介護支援経過記録に残す
  6. 退院が見込まれる段階でカンファレンスへの参加を調整する

入院直後の3日という期限は想定外の入院でも変わりません。緊急の入院であっても対応できる体制を作っておくことが、加算の取りこぼしを防ぐことにつながります。

医療機関との顔の見える関係が加算の土台になる

入退院連携加算は制度として設けられているものですが、実際に算定するためには医療機関の担当者が「この事業所のケアマネジャーなら情報共有ができる」と認識していることが前提になります。

開業直後から医療機関に挨拶回りをしている事業所と、入院のたびに初めて電話をかけてくる事業所では、担当者が情報を共有してくれるかどうかに差が出ることがあります。地域の病院・クリニック・医療ソーシャルワーカーとの日頃の関係構築が、加算の算定率にも影響します。

また、退院後に利用者が自宅に戻ってからの生活を円滑にするためにも、入退院時の連携は重要です。加算の観点だけでなく、利用者にとっての必要性からも、入退院時の情報連携は居宅介護支援の重要な業務のひとつになっています。

令和8年6月改定後の単位数への対応

本記事で示した単位数は令和8年6月適用の告示第125号に基づくものです。介護報酬は原則として3年ごとに改定されますが、実際には告示の都度変更が生じる場合もあります。加算を算定する際は、その時点で適用されている告示を確認してください。

次の報酬改定は令和9年(2027年)4月が予定されています。改定案は改定前年の秋〜冬に厚生労働省から公表されます。

出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」・告示第125号(令和8年6月)

まとめ

入院時情報連携加算は、利用者の入院から3日以内(200単位)または7日以内(100単位)に医療機関へ情報提供した場合に算定できます。退院・退所加算は、退院時にカンファレンスへ参加するか・入院時に情報連携加算を算定済みかどうかによって450〜750単位の幅があります。

両方を組み合わせると、1回の入退院で最大950単位の加算が得られます。入退院時の連携を丁寧に行う体制を作ることが、利用者への支援の質を高めるとともに事業所の収入安定にもつながります。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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