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計画相談支援の基本報酬には、通常型のほかに「機能強化型」という上位区分があります。機能強化型Ⅰ〜Ⅳの4段階に分かれており、上位の区分を算定できるほど基本報酬が高くなります。
この記事では、機能強化型の各区分の報酬額と、算定するための主な要件を整理します。担当件数別の収入差の試算も示します。
機能強化型は通常型の上位区分にあたる
計画相談支援の基本報酬は、通常は「サービス利用支援費」(新規ケアプラン作成時)と「継続サービス利用支援費」(モニタリング時)の2種類です。
機能強化型は、地域の相談支援体制の強化に向けた取り組みを行っている事業所に対して、通常型よりも高い報酬を算定できる制度です。要件を満たした事業所が指定権者(都道府県・市町村)に体制届出を行うことで、算定が可能になります。
機能強化型を算定するには一定の体制整備が必要なため、開業直後から算定できるとは限りません。開業後の体制整備の目標として、機能強化型の要件を把握しておくことが重要です。
機能強化型Ⅰ〜Ⅳの基本報酬
通常型と機能強化型の各区分の基本報酬を比較します(令和8年6月施行分)。
| 区分 | サービス利用支援費(新規) | 継続サービス利用支援費(Ⅰ) |
|---|---|---|
| 通常型 | 1,572単位/件 | 1,308単位/件 |
| 機能強化型Ⅳ | 1,672単位/件 | 1,408単位/件 |
| 機能強化型Ⅲ | 1,822単位/件 | 1,558単位/件 |
| 機能強化型Ⅱ | 1,914単位/件 | 1,661単位/件 |
| 機能強化型Ⅰ | 2,014単位/件 | 1,761単位/件 |
出典:「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援に要する費用の額の算定に関する基準」(告示125・令和8年6月施行)。
機能強化型Ⅰは通常型のサービス利用支援費1,572単位に対して2,014単位と、約28%高い報酬です。継続サービス利用支援費でも通常型1,308単位に対して1,761単位と、約35%の差があります。
下位の機能強化型Ⅳでも、通常型より新規で100単位・継続で100単位高くなります。体制整備が進めば進むほど、担当件数が多いほど収入の差が大きくなる仕組みです。
担当件数別の収入比較:通常型vs機能強化型Ⅰ
担当件数別に、通常型と機能強化型Ⅰの月次収入を比較します(地域単価11.20円・1級地・新規3件・継続の内モニタリング頻度は毎月1割・3か月に1割・6か月に8割の仮定)。
| 担当件数 | 通常型の月次収入の目安 | 機能強化型Ⅰの月次収入の目安 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 20件 | 約23万円 | 約28万円 | 約5万円 |
| 35件 | 約43万円 | 約52万円 | 約9万円 |
| 50件 | 約59万円 | 約72万円 | 約13万円 |
※新規・継続の件数比率やモニタリング頻度によって変わります。上記は概算です。
担当件数35件で月9万円、年間に換算すると約100万円以上の収入差があります。機能強化型Ⅰを算定できる体制を整えることは、収益面で大きな意味を持ちます。
機能強化型Ⅰ〜Ⅳの主な算定要件
機能強化型の各区分の主な要件を示します(告示125の注の概要。詳細は告示を直接確認してください)。
| 区分 | 主な要件(概要) |
|---|---|
| 機能強化型Ⅰ | 主任相談支援専門員を1名以上配置していること。地域の相談支援体制強化に向けた取り組みを行っていること |
| 機能強化型Ⅱ | 複数の相談支援専門員(常勤換算2名以上)を配置していること。地域連携の取り組みを行っていること |
| 機能強化型Ⅲ | 常勤の相談支援専門員を配置し、地域の連携に参加していること |
| 機能強化型Ⅳ | 地域の相談支援体制への参加・取り組みの実績があること |
※上記は主な要件の概要です。算定の可否は指定権者(都道府県・市町村)に確認してください。要件の詳細は告示125の各区分に対応する注で定められています。
機能強化型Ⅰの算定には「主任相談支援専門員の配置」が必要です。開業時点でこの資格を持つ人材がいない場合は、機能強化型Ⅳ→Ⅲ→Ⅱ→Ⅰへと段階的に体制を整えるロードマップを描くことになります。
主任相談支援専門員とはどういう資格か
主任相談支援専門員は、都道府県が実施する「主任相談支援専門員研修」を修了することで取得できる資格です。相談支援専門員として一定の実務経験を積んだ上で研修を修了することが必要です。
研修の受講資格・内容・実施時期は都道府県により異なります。厚生労働省の指針に基づく研修プログラムが設けられており、おおむね相談支援専門員としての実務経験が5年以上(目安)あることが受講要件の一つとなっています。
開業時に主任相談支援専門員を採用するか、既存の相談支援専門員が研修を受講・修了することで要件を満たします。都道府県の研修は年1回程度しか開催されないため、受講計画は早めに立てることが重要です。
体制届出と算定開始のタイミング
機能強化型を算定するには、指定権者(都道府県または市町村)への体制届出が必要です。体制届出は、要件を満たしたタイミングで随時提出できます。届出が受理された翌月から機能強化型の算定が始まるのが一般的です。
体制届出に必要な書類は指定権者によって異なりますが、一般的に必要なものとして次のものが挙げられます。
- 体制届出書(指定権者の指定様式)
- 主任相談支援専門員の研修修了証の写し(機能強化型Ⅰの場合)
- 地域の相談支援体制への参加・取り組みの実績を示す書類(地域自立支援協議会への参加記録など)
体制届出のタイミングを逃すと算定が遅れるため、要件を満たしたらすぐに届出することが収入の最大化につながります。
機能強化型と地域連携の関係
機能強化型の要件に「地域の相談支援体制強化への取り組み」が含まれているのは、計画相談支援が単独では完結しない性格を持つためです。障害者の地域生活を支えるためには、医療機関・就労支援機関・相談支援機関・行政との連携が不可欠です。
地域の相談支援体制への参加として求められる取り組みの例としては、次のものがあります。
- 地域自立支援協議会(相談支援専門員部会・相談支援連絡会など)への参加・発言
- 困難事例の検討・事例提供
- 圏域の基幹相談支援センターとの連携実績
これらの取り組みは報酬の算定要件であると同時に、地域からの紹介・連携をもたらすことで新規利用者の獲得につながる実務的なメリットもあります。
まとめ
- 機能強化型はⅠ〜Ⅳの4段階があり、上位になるほど基本報酬が高い(機能強化型Ⅰは通常型より新規で約28%・継続で約35%高い)
- 担当件数35件で月9万円・年間100万円以上の収入差が生まれる可能性がある
- 機能強化型Ⅰの算定には主任相談支援専門員の配置が必要
- 開業後は機能強化型Ⅳ→Ⅲ→Ⅱ→Ⅰへの段階的な移行が現実的
- 要件を満たしたら速やかに体制届出を行うことで、算定開始を早められる
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