整体院の開業資金は、施術スペースの規模・物件の状態・内装のグレードによって大きく変わります。居抜き物件を使い最小限の設備で始める場合は100〜200万円程度、自分でゼロから内装を作り込む場合は500万円を超えることもあります。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月20日/数字の出典は各表の下に記載しています。
すぐにご自身の数字を試算したい方は、こちらのツールをご利用ください。
整体院の開業資金の全体像
整体院を開業する際にかかる費用は、大きく3つに分かれます。
| 区分 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 敷金・礼金・仲介手数料・前払い賃料 | 家賃の3〜6か月分 |
| 設備・内装工事費 | 内装施工・施術ベッド・備品など | 50〜500万円 |
| 運転資金 | 開業直後の家賃・消耗品・広告費など | 3〜6か月分の経費 |
これらを合計したものが、開業に必要な資金の総額になります。物件取得費は月額家賃によって変わります。設備・内装費と運転資金が、整体院では特に見積もりの精度が問われる部分です。
物件取得費の目安
整体院は、必ずしも1階の路面店でなくても成立します。2階以上のテナントでも、Googleマップや予約サイトからの集客が中心であれば問題ありません。
物件探しでは家賃と敷金・礼金のバランスを見ます。
| 物件の条件 | 家賃目安 | 敷金・礼金の目安 | 初期費用目安 |
|---|---|---|---|
| 地方・2階以上・小規模(10坪以下) | 3〜5万円 | 家賃2〜3か月分 | 10〜20万円 |
| 地方・1階テナント(10〜20坪) | 5〜8万円 | 家賃3〜4か月分 | 20〜35万円 |
| 都市部・1〜2階(10〜20坪) | 10〜20万円 | 家賃3〜5か月分 | 40〜100万円 |
※目安です。地域・物件の状態・築年数によって異なります。
なお、整体院は食品を扱わないため保健所の営業許可は原則不要です。ただし都道府県によっては届出を求める場合があるため、開業予定地の自治体に確認することをおすすめします。
内装工事費の目安
内装費は、物件の状態によって大きく変わります。
| 物件の状態 | 内装費の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 居抜き(前テナントが整体・サロン系) | 0〜50万円 | 清掃・軽微な改修のみ |
| スケルトン(内装なし・簡素仕様) | 100〜200万円 | 壁・床・照明・カーテン・受付カウンター |
| スケルトン(こだわりの内装) | 300〜500万円 | 木目・石材・間接照明など高品質な施工 |
※坪単価30〜50万円ほどが施工費の参考目安です。実際は施工業者への複数見積もりで確認してください。
居抜き物件はコストを大幅に下げられる反面、前テナントのイメージが残っている場合があります。自分の院のコンセプトに合うかどうかを確認した上で判断することが重要です。
設備・備品費の目安
整体院に必要な設備・備品は次のとおりです。
| 品目 | 単価目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 施術ベッド | 5〜30万円/台 | 電動昇降式は高価。1人経営なら1〜2台 |
| フェイスペーパー・タオル | 初期数万円 | 消耗品として継続的にかかる |
| 着替え(施術着など) | 1〜3万円 | 患者用として複数セット |
| 受付カウンター・待合椅子 | 5〜20万円 | 内装工事と同時に設置することが多い |
| 予約・会計管理ソフト | 月額0〜3万円 | POSレジ・予約システムのサブスク |
| 看板・外装(初回のみ) | 5〜30万円 | 屋外看板・のれん・窓ガラスシートなど |
施術ベッドは1人経営なら最初は1台で十分です。スタッフを増やす予定がある場合は、2台目の設置スペースを最初から確保しておくと後から工事が不要になります。
開業前の運転資金はなぜ必要か
開業直後は売上がゼロに近い状態で、家賃・光熱費・消耗品などの固定費だけが出ていきます。売上がゼロの月が続いても支払いを続けられる資金が必要で、これを運転資金といいます。
開業後の必要運転資金として、一般的に3〜6か月分を確保することが推奨されています。月間経費が30万円かかる院なら、運転資金として90〜180万円を手元においておく計算です。
開業直後の売上がどの程度になるかは予測が難しいため、少なくとも開業後3か月間は売上ゼロでも耐えられる資金を確保することが重要です。
開業資金の調達方法
開業資金の調達には、自己資金と融資の組み合わせが一般的です。
| 調達方法 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自己資金 | 返済不要・金利なし | 全額自己資金での開業は資金が尽きるリスクも |
| 日本政策金融公庫(新創業融資等) | 無担保・低利息・個人でも借りやすい | 審査あり・創業計画書の提出が必要 |
| 地方銀行・信用金庫 | 自治体の制度融資と組み合わせ可 | 実績ゼロの段階では審査が厳しい場合がある |
公庫の新創業融資制度は、創業前または創業後2年以内の方を対象としており、整体院の開業資金としても広く利用されています。自己資金の10分の1以上が申込の条件の一つとして設けられています。詳細の融資条件は公庫の公式サイト(https://www.jfc.go.jp)でご確認ください。
開業資金の合計目安
以上を踏まえて、開業資金の合計目安をまとめます。
| ケース | 物件取得費 | 内装・設備費 | 運転資金 | 合計目安 |
|---|---|---|---|---|
| 最小構成(居抜き・地方・1人) | 10〜20万円 | 50〜100万円 | 60〜90万円 | 120〜210万円 |
| 標準(スケルトン・地方・1人) | 20〜35万円 | 150〜250万円 | 90〜120万円 | 260〜405万円 |
| こだわり(都市部・複数ベッド) | 60〜120万円 | 300〜500万円 | 150〜200万円 | 510〜820万円 |
※目安です。実際の費用は物件の状態・施工業者・設備のグレードによって異なります。詳細は施工業者への見積もりで確認してください。
多くの個人経営の整体院は、自己資金と公庫の融資を組み合わせた200〜400万円の範囲で開業するケースが多いです。ただし開業後に運転資金が底をつかないよう、余裕を持たせた計画が重要です。
開業資金と月間収支の両方を試算するには
開業資金の見積もりだけでなく、月々の収支・損益分岐点・資金繰りを合わせてシミュレーションするには、収支シミュレーターで実際の数字を入力して確認するのが効果的です。
すぐにご自身の数字を試算したい方は、こちらのツールをご利用ください。


コメント