居宅介護支援事業所の管理者要件と人員基準。主任ケアマネは必須か。

居宅介護支援事業所の管理者要件と人員基準。主任ケアマネは必須か。 介護

居宅介護支援事業所の管理者は、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)でなければなりません。これは平成30年4月の省令改定で義務化されました。介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格だけでは管理者になれないため、開業前に誰が管理者になるかを確定させる必要があります。

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管理者は主任ケアマネジャーでなければならない

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第3条第2項に「管理者は、主任介護支援専門員でなければならない」と規定されています。

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)は、介護支援専門員の上位の資格で、都道府県が実施する「主任介護支援専門員研修」(一定の実務経験後に受講・修了)を修了した者が取得できます。

経過措置について

主任ケアマネジャーの管理者要件は平成30年4月から義務化されました。令和3年3月31日時点で主任ケアマネジャーの資格がない者が管理者として配置されていた場合には、経過措置として一定期間は管理者として勤務を継続できる仕組みが設けられています。令和6年の基準改定により、この経過措置は令和9年3月31日まで延長されています(同基準附則第2条)。

経過措置の適用対象は「令和3年3月31日時点で管理者として配置されていた介護支援専門員(主任ケアマネジャーの資格がない者)」に限られており、新規開業または新たに管理者を配置する場合には主任ケアマネジャーの資格が必須です。

また、主任ケアマネジャーが長期休暇や退職等でやむを得ず管理者不在となる場合については、自治体へ事前に相談したうえで対応する仕組みが設けられています。

人員基準の全体像

居宅介護支援事業所に配置しなければならない職種と配置基準を整理します。

職種 配置基準 備考
管理者 1名(主任ケアマネジャー) 常勤・専従が原則。管理上支障がなければ同一敷地内の他職種との兼務可
介護支援専門員(ケアマネジャー) 利用者35件につき1名以上 常勤換算で計算。管理者が兼務する場合を含む

出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第3条

「利用者35件につき1名以上」の意味

担当件数が35件以下であれば1名のケアマネジャーで要件を満たします。担当件数が36〜70件なら2名、71〜105件なら3名が必要という計算になります。

この35件は「標準担当件数」に基づいています。ただし逓減制の観点からは、1人あたり45件未満(ICT特例を使う場合は50件未満)までが費(Ⅰ)の単価が適用されるため、実務上は45件前後を目安にした人員計画を立てることが多いです。

開業時に最低限必要な人員

1人開業(代表者がケアマネジャー兼管理者)の場合、最低限の人員は次のとおりです。

  • 主任ケアマネジャーの資格を持つ者1名(管理者兼ケアマネジャー)

この場合、担当できる利用者は最大35件(人員基準上の計算)ですが、逓減制の単価が下がり始める45件まで1人で対応することも制度上は可能です(ただし人員基準は35件で1名のため、36件以上担当する場合は追加の人員を置くことが望ましいです)。

管理者の兼務について

管理者はケアマネジャーとして利用者を担当することができます(管理兼担当者)。管理業務と担当業務の両方をこなす形は1人開業で一般的な形態です。

また、管理者は管理上支障がない限り、同一敷地内にある他の事業所・施設の職務を兼務できます(例:グループホームや訪問介護事業所の管理者と兼務するケース)。

主任ケアマネジャーの資格取得の流れ

主任ケアマネジャーになるためには、次のような流れが一般的です。

  1. 介護支援専門員(ケアマネジャー)として一定の実務経験を積む(一般的に5年程度)
  2. 都道府県が実施する「主任介護支援専門員研修」を受講・修了する(研修期間は都道府県によって異なる・数日〜数十日の研修)
  3. 主任ケアマネジャーとして登録・証明書の交付を受ける

また、主任ケアマネジャーの資格には更新研修(5年ごと)があります。管理者として勤務し続けるためには更新を怠らないことが必要です。

開業準備で人員面を確認すること

指定申請の際には、管理者が主任ケアマネジャーの資格を有することを証明する書類(修了証明書等)の提出が求められます。申請前に以下を確認してください。

  • 管理者の主任ケアマネジャー修了証明書が有効期間内であること(更新が必要な場合は更新を先に済ませる)
  • 介護支援専門員証の有効期間が申請時点で切れていないこと(5年ごとの更新が必要)
  • 担当件数の見込みに対して人員数が基準を満たすこと

まとめ

  • 居宅介護支援事業所の管理者は主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)が義務。令和6年改定で経過措置は令和9年3月31日まで延長(令和3年3月31日時点の既配置者のみ適用)
  • ケアマネジャーの配置基準は利用者35件につき1名以上(常勤換算)
  • 1人開業の場合は主任ケアマネジャーの資格を持つ者1名で開業できる
  • 管理者はケアマネジャーとして利用者を担当することが可能(管理兼担当者)
  • 指定申請には管理者の主任ケアマネジャー修了証明書・介護支援専門員証の有効期限確認が必要

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【参考にした資料】
・指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第3条
・指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年7月29日老企第22号・最終改正令和6年3月)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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