泡消火薬剤(たん白・合成・水成膜)の違い。規格の数字から

泡消火薬剤(たん白・合成・水成膜)の違い。規格の数字から 資格

泡消火薬剤の種類は、たん白泡消火薬剤・合成界面活性剤泡消火薬剤・水成膜泡消火薬剤(AFFF)の3種類です(泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第2条)。それぞれに比重・pH・流動点・膨脹率の規格が省令で定められており、試験では「どの種類に・どの規格値が対応するか」という問題が出ます。この記事では、3種類の薬剤の特性と省令の規格値を整理します。

作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月17日/数字の出典は各表の下に記載しています。

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3種類の泡消火薬剤の基本的な違い

3種類の薬剤は、泡を作る主成分と消火の仕組みが異なります。

種類 主成分 特徴 主な用途
たん白泡消火薬剤 動物性たん白質(加水分解物) 泡の安定性・耐久性が高い。流動性は低い 石油タンク・格納庫
合成界面活性剤泡消火薬剤 合成界面活性剤(石油系) 泡の流動性が高い。高発泡にも対応 駐車場・格納庫・高発泡設備
水成膜泡消火薬剤(AFFF) フッ素系界面活性剤 薬剤が燃料面に膜を形成して再着火を防ぐ。発泡倍率は低め 格納庫・駐車場

試験では「たん白」「合成」「水成膜」という略称が使われます。正式名称(たん白泡消火薬剤など)もあわせて確認しておきます。省令第2条は「合成界面活性剤泡消火薬剤」について「たん白泡消火薬剤以外のもの」という補足的な定義をしています。

比重(省令第5条)

比重は、20℃における液体の密度が水を1.00としたときの相対値です。

種類 比重の範囲
たん白泡消火薬剤 1.10以上1.20以下
合成界面活性剤泡消火薬剤(たん白系以外) 0.90以上1.20以下
水成膜泡消火薬剤 1.00以上1.15以下

出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号)第5条(2026年10月17日に確認)

3種類のうち合成だけが下限0.90(水より軽い値)です。たん白は下限が1.10と水より重くなければなりません。水成膜は下限1.00で、水と同等以上の比重が必要です。

「たん白の比重の下限は1.00以上か1.10以上か」「合成の下限は0.90か1.00か」という形で選択肢に使われます。下限の数字だけでなく、「たん白は水より重い・合成は水より軽くてもよい」という理解があると、暗記が定着しやすくなります。

pH(省令第8条)

pHは薬剤の酸性・アルカリ性の度合いです。試験では「たん白と合成の値の違い」が問われます。

種類 pH
たん白泡消火薬剤 6.0以上7.5以下
合成界面活性剤泡消火薬剤 6.5以上8.5以下
水成膜泡消火薬剤 規定なし

出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第8条(2026年10月17日に確認)

水成膜はpHの規定がありません(省令に定めなし)。「水成膜のpHは何か」という問いに対して、規定値は存在しないという判断が必要です。

たん白(6.0〜7.5)と合成(6.5〜8.5)は、下限・上限ともに異なります。たん白のほうが下限が低く、上限も低いです。合成は弱アルカリ側まで許容します。

流動点と使用温度範囲(省令第6・7条)

流動点とは、薬剤を冷やしたときにまだ流れることができる最低温度です。流動点が低いほど低温環境で使えます。

種類 型 流動点 使用温度範囲
3種類共通 普通型 −7.5℃以下 −5℃以上30℃以下
耐寒型 −12.5℃以下 −10℃以上30℃以下

出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第6条・第7条(2026年10月17日に確認)

流動点と使用温度範囲は3種類の薬剤に共通した規定で、薬剤の種類による違いはありません。「普通型の流動点は何度か」という問題では、−7.5℃以下(種類を問わず同じ)が正解です。

「流動点と使用温度範囲の下限の差が2.5℃」であること(普通型:使用温度−5℃・流動点−7.5℃、耐寒型:使用温度−10℃・流動点−12.5℃)は、規定の設計として一貫しているため、ペアで覚えると混乱しにくいです。

発泡性能:膨脹率と25%還元時間(省令第12条)

発泡性能は、泡消火薬剤が実際に水と混合して泡を作ったときの品質です。膨脹率と25%還元時間の2つが規定されています。

薬剤 低発泡の膨脹率 高発泡の膨脹率 25%還元時間
たん白 6倍以上 500倍以上 1分以上
合成(たん白系除く) 6倍以上 500倍以上 1分以上
水成膜 5倍以上 (規定なし) 1分以上

出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第12条(2026年10月17日に確認)

最も注意が必要な数字が、水成膜の低発泡膨脹率が5倍以上(たん白・合成は6倍以上)です。省令第12条第2号に明示されています。「全種類6倍以上か?」という問題で、水成膜だけ5倍以上という点が誤りの選択肢になります。

25%還元時間(25%ドレンタイム)は、発生した泡から25%の液体が分離するまでにかかる時間です。「泡の安定性の指標」です。3種類とも1分以上で共通しています。還元時間が短いと泡がすぐに液体に戻ってしまい、消火能力が低下します。

引火点(省令第9条)と腐食質量損失(省令第11条)

引火点と腐食質量損失は3種類共通の規格です。

項目 規定値 根拠
引火点 60℃以上(ある場合) 省令第9条
腐食質量損失 1日につき20cm²当り3mg以下 省令第11条

出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第9条・第11条(2026年10月17日に確認)

腐食質量損失の表記「1日につき20cm²当り3mg以下」は数字が3つ並んでいるため、試験で選択肢に使いやすい形です。「1日・20cm²・3mg」のいずれかが別の数字に置き換えられた選択肢を正誤判断する練習が有効です。

容器の表示事項(省令第16条)

薬剤の容器には、省令第16条が定める事項を表示しなければなりません。試験では「何を表示するか・何は不要か」という形で出ます。

表示が必要な事項 表示が不要な事項
種別・型式・容量・使用温度範囲 有効期限
取扱注意事項・製造年月・製造番号
製造者名・型式番号

出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第16条(2026年10月17日に確認)

「有効期限」は消火器や一部の消防用機器で意識されますが、泡消火薬剤の省令(第16条)には有効期限の表示義務がありません。「有効期限の表示は必要か」という問題で「不要」が正解になります。

まとめ:薬剤の種類ごとに変わる項目・変わらない項目を分ける

省令の規格値は、薬剤の種類によって値が変わる項目(比重・pH・低発泡膨脹率)と、3種類共通の値(流動点・使用温度・引火点・腐食質量損失・25%還元時間)に分かれます。

変わる項目の中でも特に出題しやすいのは、比重の下限(たん白1.10、合成0.90、水成膜1.00)と水成膜の低発泡膨脹率(5倍以上、他は6倍以上)です。問題を解く前に表を見て確認し、実際に問題で使ってみることで記憶が定着します。

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業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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