消防設備士 乙種第2類(乙2)の試験で出る数字を条文の根拠つきでまとめます。法令(類別)の設置基準と、規格(泡消火薬剤の省令)の物性値の2種類があります。どちらも数値の問題として出題されるため、何の数字か・何の条文か・なぜその値かをセットで整理しておくと正誤を判断しやすくなります。
作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月17日/数字の出典は各表の下に記載しています。
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膨脹比の区分(低発泡と高発泡)
泡消火設備で使う泡放出口は、発泡の倍率(膨脹比)で低発泡と高発泡に区分されます。施行規則第18条の2別表第一の2がこれを定めています。
| 区分 | 膨脹比 | 使う泡放出口 |
|---|---|---|
| 低発泡 | 20以下 | フォームヘッド・FWSヘッド |
| 高発泡(第一種) | 80以上250未満 | 高発泡用泡放出口 |
| 高発泡(第二種) | 250以上500未満 | |
| 高発泡(第三種) | 500以上1000未満 |
出典:消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第18条の2別表第一の2(2026年10月17日に確認)
低発泡と高発泡の境は「膨脹比20以下」と「80以上」で、21〜79は定義がありません。試験では「膨脹比80以上1000未満が高発泡」「20以下が低発泡」という区分の問題が出ます。高発泡の3種類(第一種・第二種・第三種)の境界値(250・500)も数値問題として出題されます。
フォームヘッドとFWSヘッドの設置基準
低発泡の泡放出口には、フォームヘッド(FH)とフォームウォータースプリンクラーヘッド(FWS)の2種類があります。1個当たりがカバーできる床面積と、放射区域の範囲が異なります。
| 種類 | 1個あたり | 放射区域(通常) | 放射区域(道路・屋内駐車場) |
|---|---|---|---|
| フォームヘッド(FH) | 9m²以上につき1個 | 50m²以上100m²以下 | 80m²以上160m²以下 |
| FWSヘッド | 8m²以上につき1個 | 50m²以上100m²以下 | ― ※飛行機格納庫専用。道路・駐車場には設置しない |
出典:消防法施行規則第18条の2第5号(2026年10月17日に確認)
フォームヘッドが9m²に1個、FWSヘッドが8m²に1個という違いを覚えておくと、どちらが密に設置するかが分かります(FWSヘッドのほうが細かく設置)。放射量については、道路・屋内駐車場でたん白泡消火薬剤を使う場合は6.5L/min/m²、水成膜泡消火薬剤を使う場合は3.7L/min/m²と規定されています(施行規則第18条の2)。
高発泡用泡放出口(全域放出方式)の基準
高発泡を全域放出方式で使う場合の数値基準です。施行規則第18条の2に定められています。
| 項目 | 規定値 |
|---|---|
| 全域放出方式を使う場所 | 床面の高さが5mを超える場所(高発泡) |
| 冠泡体積 | 床面から、防護対象物の最高位より0.5m高い位置まで |
| 高発泡用泡放出口の設置数 | 床面積500m²ごとに1個以上 |
出典:消防法施行規則第18条の2(2026年10月17日に確認)
「5mを超える」「0.5m高い」「500m²に1個」が一つの条文の中に集まっています。それぞれ別の意味を持つ数字なので、何を表しているかとセットで覚えます。冠泡体積(かんぽうたいせき)は、泡で満たす空間の体積のことで、防護対象物の最高点の上に0.5m分の余裕を持たせる意味があります。
移動式泡消火設備の基準
移動式は、ホースを引き出して使う形式で、泡を放射する場所が固定されていません。施行令第15条が設置基準を定めています。
| 項目 | 規定値 | 根拠 |
|---|---|---|
| ホース接続口〜防護対象物の各部分 | 水平距離15m以下 | 施行令第15条第2号 |
| 格納箱〜ホース接続口 | 3m以内 | 施行令第15条第4号 |
| 移動式で使用できる薬剤 | 低発泡のみ | 施行規則第18条の2 |
出典:消防法施行令(昭和36年政令第37号)第15条(2026年10月17日に確認)
移動式は全域放出や局所放出ではないため、ホースで届く範囲に制限があります。「ホースを持って防護対象物に近づける距離が15m」「格納箱(ホースが入っている箱)はホース接続口から3m以内に置く」という意味です。
起動装置の操作部の高さ
泡消火設備の起動装置の操作部の設置高さは、床面から0.8m以上1.5m以下と規定されています(施行規則第18条の2第10号ハ)。
消防設備全般に共通する操作部の高さ規定(0.8〜1.5m)は、乙1(スプリンクラー・屋内消火栓)や乙3(不活性ガス)でも同じ数値が出ます。高さの意味は、立ったまま操作できる位置であることと、子どもの誤操作を避けることを両立させるための範囲です。
薬剤の規格(泡消火薬剤の省令)の数値
「泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令」(昭和50年自治省令第26号)が定める規格値です。薬剤の種類(たん白・合成・水成膜)ごとに値が異なる項目があります。
| 規格値 | たん白 | 合成(たん白系除く) | 水成膜 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|---|
| 比重 | 1.10〜1.20 | 0.90〜1.20 | 1.00〜1.15 | 省令第5条 |
| pH | 6.0〜7.5 | 6.5〜8.5 | (規定なし) | 省令第8条 |
| 流動点(普通型) | −7.5℃以下 | −7.5℃以下 | −7.5℃以下 | 省令第7条 |
| 流動点(耐寒型) | −12.5℃以下 | −12.5℃以下 | −12.5℃以下 | 省令第7条 |
| 使用温度範囲(普通型) | −5〜30℃ | −5〜30℃ | −5〜30℃ | 省令第6条 |
| 使用温度範囲(耐寒型) | −10〜30℃ | −10〜30℃ | −10〜30℃ | 省令第6条 |
| 低発泡の膨脹率 | 6倍以上 | 6倍以上 | 5倍以上 | 省令第12条 |
| 25%還元時間 | 1分以上 | 1分以上 | 1分以上 | 省令第12条 |
| 高発泡の膨脹率 | 500倍以上 | 500倍以上 | (規定なし) | 省令第12条 |
| 引火点 | 60℃以上 | 60℃以上 | 60℃以上 | 省令第9条 |
| 腐食質量損失 | 1日につき20cm²当り3mg以下(共通) | 省令第11条 | ||
出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号)各条文(2026年10月17日に確認)
試験でよく問われるポイントを整理します。
比重の下限:たん白が1.10(1.0以上ではない)、合成が0.90(1.0未満も可)、水成膜が1.00(水と同等以上)と、薬剤ごとに下限が違います。特に合成の下限が0.90と水より軽い値になっている点は選択肢を作りやすいため、注意が必要です。
水成膜の膨脹率:たん白と合成が6倍以上なのに対し、水成膜は5倍以上です(省令第12条第2号)。「全種類6倍以上か」という形の問題で誤りの選択肢になることがあります。
pH:水成膜には規定がありません。たん白(6.0〜7.5)と合成(6.5〜8.5)の上限・下限を区別できるようにしておきます。
腐食質量損失:「1日につき20cm²当り3mg以下」という表現は試験によく出ます。「20mg以下」「3cm²」「1日当り」など数字や単位を入れ替えた形で誤りの選択肢が作られます。
容器の表示事項(省令第16条)
泡消火薬剤の容器に表示しなければならない事項が、省令第16条に定められています。試験では「表示事項として正しい・正しくない」の判断問題として出ます。
| 表示必要 | 表示不要(規定なし) |
|---|---|
| 種別・型式・容量・使用温度範囲・取扱注意事項 | 有効期限 |
| 製造年月・製造番号・製造者名・型式番号 |
出典:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和50年自治省令第26号)第16条(2026年10月17日に確認)
「有効期限」は泡消火薬剤の容器表示の規定にありません。消火器の場合は有効期限の考え方がありますが、泡消火薬剤の省令(第16条)では規定されていません。「有効期限の表示が必要か」という問題で誤りの選択肢として使われます。
まとめ:2層の数字を別々に整理する
乙2の数字問題は、法令(設置基準の寸法・面積・高さ)と規格(薬剤の比重・pH・温度・膨脹率)の2層構造です。法令の数字は「なぜその距離・高さか」という設備の使われ方のイメージと結びつけて覚えると定着しやすく、規格の数字は薬剤の種類ごとに表で整理すると比較しやすくなります。
試験問題に取り組むと、どの数字が問われやすいかが見えてきます。問題を解きながら確認を重ねることが、数字の定着に一番効果的です。
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