ITパスポートは高校生でも合格できる試験です。全体の合格率は令和7年度で48.6%(受験271,352人・合格132,012人)ですが、高校生や大学生が受験者の中に一定数含まれています(IPA「統計情報」)。
「高校生に合格できるか」という疑問に対して、合格率のデータと、高校生が準備するときに押さえておきたいポイントを整理します。
ITパスポートの合格基準
試験に合格するには次の2つの基準を同時に満たす必要があります(IPA「試験の合格基準」)。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 総合評価点 | 600点以上(1,000点満点) |
| 分野別評価点 | ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の各分野が300点以上 |
試験は120分・100問で、うち採点対象は92問です。CBT(コンピュータを使った試験)で全国のテストセンターで毎月実施されています。
高校生が有利なポイント
情報Ⅰの学習内容と重なる部分がある
高校の必修科目「情報Ⅰ」で学ぶ内容(情報の表現・アルゴリズムの基本・ネットワークの基礎・情報セキュリティ・個人情報保護)は、ITパスポートのテクノロジ系の出題範囲と一部重なります。学校で情報の授業を真剣に取り組んでいた高校生は、テクノロジ系の基礎がすでに入っている状態です。
受験資格がない
ITパスポートは年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できます(IPA「受験要件」)。中学生・高校生でも申込みができ、学校単位での団体受験制度もあります(IPA「教育機関向け団体受験」)。
試験時間に余裕がある
120分・100問という設定は、1問あたり平均72秒です。問題文を落ち着いて読む時間はあります。
高校生が落ちやすいポイント
ストラテジ系が難しい
3つの分野のうち、ストラテジ系(経営戦略・財務会計・法務・マーケティング)が高校生にとって最もなじみのない内容です。損益計算書・キャッシュフロー・商標権・知的財産権・労働基準法など、学校の授業でほとんど扱わないテーマが出題されます。
合格基準の「分野別300点以上」でも、ストラテジ系が足を引っ張るケースがあります。各分野で300点を下回ると、他の分野でどれだけ高得点でも不合格になります。
カタカナ用語の量が多い
ITパスポートはシラバスに記載された用語が幅広く出題されます(現行シラバスVer.6.5に収録された幅広い用語範囲)。初めて見るカタカナ用語が多く、「なんとなく分かる」レベルでは正確に選べない問題が出てきます。用語の意味を正確に覚えることが合格への近道です。
暗記だけでは足りない問題がある
計算問題(損益分岐点・ROI・稼働率など)は、公式を覚えるだけでなく計算の手順を練習しておく必要があります。本番で初めて計算問題を解こうとすると時間がかかります。
高校生の勉強期間と時間の目安
ITの学習経験がない高校生の場合、一般的には2〜3か月・合計30〜50時間程度が準備期間の目安とされています。ただし、情報Ⅰの学習内容が身についている場合や、日常的にPCを使いこなしている場合は、この半分程度で合格できるケースもあります。
逆に、ストラテジ系が完全に初めての場合は、財務・法務の基礎から入る時間が必要です。
高校生が勉強するときの順番
ステップ1:試験の範囲を把握する
まずIPA公表のシラバス(試験の出題範囲)を大まかに見て、どの分野にどんな内容があるかを確認します。全部を細かく読む必要はなく、「こういう分野がある」という全体像をつかむ段階です。
ステップ2:テクノロジ系から始める
情報Ⅰと重なる部分が多いテクノロジ系から始めると、最初に「知っている内容が出てくる」という経験ができ、勉強のスタートが乗りやすくなります。
ステップ3:ストラテジ系に時間をかける
経営・財務・法務の用語は反復して覚えるしかありません。1回読んだだけでは定着しないため、繰り返し問題を解いて定着させます。
ステップ4:過去問で本番の感覚をつかむ
ITパスポートは毎月試験が実施されていることもあり、過去問の量が豊富です。過去問を時間を計って解くことで、本番の120分の感覚が分かります。
高校生が受験申込みをするときの注意点
ITパスポートの受験申込みはIPA公式サイト(cbt.ipa.go.jp)からオンラインで行います。高校生が申し込む場合、本人確認書類として学生証が使えます。ただし、顔写真のない学生証は本人確認書類として認められない場合があります。
顔写真つきの学生証がない場合は、在籍証明書(学校が発行)と合わせて提出することで対応できます(IPA「受験時の本人確認」)。在籍証明書は担任・事務局に依頼すれば発行してもらえます。受験日の数日前に準備が間に合わなくなることがないよう、申込み前に学校へ確認しておくと安心です。
学校の授業と並行して受験する場合の時間確保
高校生は平日の授業・部活・宿題の時間が多く、まとまった学習時間を確保しにくいことがあります。ITパスポートの問題集はスマートフォンでも練習できるため、通学時間・休み時間・就寝前の短い時間に分けて取り組むことが実際には多いです。
スマートフォンでの学習方法についてはスマホで勉強する方法で具体的にまとめています。
新試験(2027年度)との関係
ITパスポートは2027年度から新試験に移行します(2026年12月27日が現行の最後の試験日・IPA「試験の実施状況」)。新試験ではDX・データマネジメント・生成AIに関する内容が加わる予定です(IPA「出題範囲等の改定案 Ver.1.0」)。
今の試験で合格した場合、合格は有効なまま残ります(IPA FAQ「試験合格の有効期限もなく、過去の試験合格が無効となることもございません」)。就職・進学の前に今の試験で合格しておくことも選択肢の一つです。
ITパスポートの問題集(無料から)
当サイトの問題集は、今の試験の過去問200問(無料・何度でも)と、新試験分野のAI問題(無料1日3問)を使えます。苦手なストラテジ系・テクノロジ系の練習にも対応しています。
関連記事
出典:IPA「統計情報」「試験の合格基準」「受験要件」「試験の実施状況」「よくある質問(FAQ)」「出題範囲等の改定案 Ver.1.0」(いずれもIPA公式サイト)
高校生がITパスポートで苦労しやすい分野
高校生の受験者が特に難しいと感じる分野と、その対策を整理します。
ストラテジ系:経営・会計用語のカベ
ストラテジ系(35問)には、企業経営・会計・法律・マーケティングに関する問題が含まれます。高校生は社会人経験がないため、「損益分岐点」「ROI」「SWOT分析」「知的財産権」などの用語が初見になりやすい分野です。
| 単元 | 難易度(高校生) | 対策 |
|---|---|---|
| 企業戦略・経営管理 | 高 | フレームワーク名と意味をセットで覚える |
| 法律・知的財産権 | 中〜高 | 著作権・特許権・商標の違いを表で整理 |
| 財務会計(ROI・損益分岐点) | 高 | 計算公式と例題を繰り返す |
| マーケティング(4P・CRM) | 中 | 用語集で用語の意味を先に把握 |
テクノロジ系:情報Ⅰとの重なりを活かす
テクノロジ系(46問)は、現行の高校「情報Ⅰ」と重なる内容が多くあります。2進数・アルゴリズム・ネットワーク・セキュリティなど、授業で学んでいれば有利な分野です。
| 情報Ⅰで学ぶ内容 | ITパスポートとの重なり |
|---|---|
| 2進数・16進数の変換 | 力学計算問題(稼働率・進数変換) |
| アルゴリズム・フローチャート | テクノロジ系のプログラミング分野 |
| 情報セキュリティの基礎 | セキュリティ用語(マルウェア・暗号化) |
| データベースの概念 | データベース(SQL・正規化) |
高校生の勉強スケジュール例
学校の授業・部活・テストと並行して勉強する場合の現実的なスケジュールです。
3か月コース(平日30分・休日2時間)
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 1か月目 | テキストを1周(ストラテジ系→マネジメント系→テクノロジ系の順) |
| 2か月目 | 公表問題(直近2年分)を解いて弱点を洗い出す |
| 3か月目 | 苦手単元の復習+公表問題もう1年分で仕上げ |
夏休みなど長期休暇を活用する場合(1か月集中)
毎日3〜4時間確保できれば、1か月で合格ラインに到達できます。最初の1週間でテキスト通読、2〜3週目で公表問題を繰り返し、4週目に弱点補強するサイクルが効果的です。
本人確認書類の準備(高校生特有の注意点)
ITパスポートはCBT方式(テストセンターで受験)のため、当日に本人確認書類が必要です。高校生の場合、マイナンバーカードや運転免許証を持っていないケースもあります。
| 書類 | 高校生で使えるか | 備考 |
|---|---|---|
| マイナンバーカード | ◎ | 最も確実 |
| 学生証(写真付き) | ○ | 写真がある場合のみ |
| 在籍証明書+顔写真付き書類の組み合わせ | ○ | 学校で発行可能・IPA FAQで認められている |
| 生徒手帳 | △ | 写真付きで学校名・氏名が記載されていれば可の場合あり(会場に要確認) |
不安な場合は、受験申込み後にIPA受験サポートセンター(0570-02-5010)に確認することをおすすめします。
合格後の活用場面
高校生がITパスポートを取得すると、次のような場面で活用できます。
- 大学入試(総合型選抜・学校推薦型選抜):志望理由書・活動報告書に記載できる
- 就職活動:履歴書の「資格・免許」欄に記載。IT職種以外でも評価される場面がある
- 大学入学後の就活:在学中に取得した場合でも同様に活用できる
- 次の資格へのステップ:基本情報技術者試験(FE)への足がかりになる
高校生がITパスポートで苦労しやすい分野
高校生の受験者が特に難しいと感じる分野と、その対策を整理します。
ストラテジ系:経営・会計用語のカベ
ストラテジ系(35問)には、企業経営・会計・法律・マーケティングに関する問題が含まれます。高校生は社会人経験がないため、「損益分岐点」「ROI」「SWOT分析」「知的財産権」などの用語が初見になりやすい分野です。
| 単元 | 難易度(高校生) | 対策 |
|---|---|---|
| 企業戦略・経営管理 | 高 | フレームワーク名と意味をセットで覚える |
| 法律・知的財産権 | 中〜高 | 著作権・特許権・商標の違いを表で整理 |
| 財務会計(ROI・損益分岐点) | 高 | 計算公式と例題を繰り返す |
| マーケティング(4P・CRM) | 中 | 用語集で用語の意味を先に把握 |
テクノロジ系:情報Ⅰとの重なりを活かす
テクノロジ系(46問)は、現行の高校「情報Ⅰ」と重なる内容が多くあります。2進数・アルゴリズム・ネットワーク・セキュリティなど、授業で学んでいれば有利な分野です。
| 情報Ⅰで学ぶ内容 | ITパスポートとの重なり |
|---|---|
| 2進数・16進数の変換 | 力学計算問題(稼働率・進数変換) |
| アルゴリズム・フローチャート | テクノロジ系のプログラミング分野 |
| 情報セキュリティの基礎 | セキュリティ用語(マルウェア・暗号化) |
| データベースの概念 | データベース(SQL・正規化) |
高校生の勉強スケジュール例
学校の授業・部活・テストと並行して勉強する場合の現実的なスケジュールです。
3か月コース(平日30分・休日2時間)
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 1か月目 | テキストを1周(ストラテジ系→マネジメント系→テクノロジ系の順) |
| 2か月目 | 公表問題(直近2年分)を解いて弱点を洗い出す |
| 3か月目 | 苦手単元の復習+公表問題もう1年分で仕上げ |
夏休みなど長期休暇を活用する場合(1か月集中)
毎日3〜4時間確保できれば、1か月で合格ラインに到達できます。最初の1週間でテキスト通読、2〜3週目で公表問題を繰り返し、4週目に弱点補強するサイクルが効果的です。
本人確認書類の準備(高校生特有の注意点)
ITパスポートはCBT方式(テストセンターで受験)のため、当日に本人確認書類が必要です。高校生の場合、マイナンバーカードや運転免許証を持っていないケースもあります。
| 書類 | 高校生で使えるか | 備考 |
|---|---|---|
| マイナンバーカード | ◎ | 最も確実 |
| 学生証(写真付き) | ○ | 写真がある場合のみ |
| 在籍証明書+顔写真付き書類の組み合わせ | ○ | 学校で発行可能・IPA FAQで認められている |
| 生徒手帳 | △ | 写真付きで学校名・氏名が記載されていれば可の場合あり(会場に要確認) |
不安な場合は、受験申込み後にIPA受験サポートセンター(0570-02-5010)に確認することをおすすめします。
合格後の活用場面
高校生がITパスポートを取得すると、次のような場面で活用できます。
- 大学入試(総合型選抜・学校推薦型選抜):志望理由書・活動報告書に記載できる
- 就職活動:履歴書の「資格・免許」欄に記載。IT職種以外でも評価される場面がある
- 大学入学後の就活:在学中に取得した場合でも同様に活用できる
- 次の資格へのステップ:基本情報技術者試験(FE)への足がかりになる


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