液化石油ガス設備士が行う漏えい検査・気密試験の方法と手順

液化石油ガス設備工事後の漏えい検査(気密試験)は、液石法・技術基準で義務付けられています。配管の接続が完了したら、規定圧力の気体を使って一定時間保持し、圧力降下がないこと・石けん水等で気泡が出ないことを確認します。試験では気密試験の手順・使用する器具・判定基準が出題されます。

この記事では、漏えい検査・気密試験の目的・手順・検査器具・試験での出題ポイントを整理します。配管理論等科目の学習に活用してください。

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漏えい検査が必要な理由

LPガスは可燃性ガスです。配管の接続不良や損傷箇所から漏えいした場合、火災・爆発・一酸化炭素中毒等の事故につながります。LPガスは空気より重く、床面や低い場所に溜まりやすいため、微量の漏えいでも危険です。

液石法・技術基準では、LPガス設備工事の完了後に漏えい検査を実施することを義務付けています。漏えい検査を省略した施工は法違反となり、設備士として失格です。

気密試験(漏えい検査)の目的

気密試験(気密検査・漏えい検査)は、工事後の配管・継手・接続部分から気体が漏えいしていないかを確認するための試験です。

目的 内容
接続部の気密性確認 ねじ接続・フレア接続等の各接続部にガスが漏えいする経路がないか確認する
配管全体の健全性確認 配管の亀裂・損傷・ピンホール等がないか確認する
法律上の義務履行 技術基準に定められた試験を実施することで、法律上の施工完了要件を満たす

気密試験で使用する主な器具

気密試験で使用する主な器具を整理します。

器具 用途
圧力計(マノメーター・精密圧力計) 配管内の圧力を計測する。試験前後の圧力を比較して圧力降下がないか確認する
空気ポンプ・コンプレッサー(または窒素ボンベ) 配管に試験用気体(空気または不活性ガス)を加圧するために使用する
漏えい検知液(石けん水) 各接続部・継手に塗布して気泡の発生有無を目視確認する
漏えい検知器(電子式) ガスの微量な漏えいを電子的に検知する器具。石けん水と組み合わせて使用することもある

試験(筆記)では「気密試験に使用する器具として適切なものを選べ」という問題が出ることがあります。石けん水・精密圧力計・空気ポンプが基本セットです。

気密試験の手順

配管工事後の気密試験の一般的な手順は次のとおりです。実際の施工では技術基準・会社の施工手順書に従ってください。

  1. 試験区間の確認:気密試験を行う配管の範囲(試験区間)を確認する
  2. バルブ・ガス栓の閉止:試験区間のガス栓・バルブをすべて閉じる
  3. 加圧:空気ポンプ等で技術基準に定められた試験圧力まで加圧する
  4. 圧力保持:規定の時間(技術基準に定められた時間)そのまま保持する
  5. 圧力計の確認:試験時間の前後で圧力降下がないかを確認する
  6. 目視確認(石けん水):各接続部・継手に漏えい検知液を塗布して気泡の発生を確認する
  7. 異常なし→施工完了:圧力降下なし・気泡なしであれば気密性合格
  8. 異常あり→再施工:漏えいが発見された場合は接続を直し・再試験を行う

試験圧力と試験時間

気密試験で使用する試験圧力・保持時間は技術基準に定められています。試験内容では、低圧・中圧等のガス圧力区分ごとに試験圧力が違う場合があります。

配管の種類 試験圧力(目安) 保持時間(目安)
低圧部配管(消費設備) 技術基準に定められた圧力 技術基準に定められた時間
高圧部配管(供給設備) 技術基準に定められた圧力 技術基準に定められた時間

具体的な数値はKHKのテキスト・技術基準で確認してください。試験本番では「○MPa以上で○分間保持」という具体的な数値を記憶しておく必要があります。過去問でよく出る数値を繰り返し確認しておきましょう。

技能試験での漏えい検査

液化石油ガス設備士の技能試験では、配管の接続作業後に漏えい検査を行う工程が含まれます。試験官の前で正しい手順・器具を使って漏えい検査を実施できるかが採点されます。

技能試験での漏えい検査のポイントは次のとおりです。

  • 圧力計を使って規定圧力まで加圧できるか
  • 石けん水(漏えい検知液)を接続部全体に塗布できるか
  • 気泡の発生を確認する動作が正確にできるか
  • 漏えいが発見された場合の対処(接続の修正・再試験)ができるか

技能試験では「正しい手順でやらないと欠陥になる」という採点基準があります。漏えい検査の手順を省略したり、確認動作を怠ると減点の対象になります。

保安点検での漏えい確認

設備士の仕事には、既設のLPガス設備の保安点検が含まれます。保安点検では新設工事と同様に、配管・継手・接続部の漏えい確認を行います。

保安点検での漏えい確認は、ガスが通っている状態での検査になるため、石けん水・漏えい検知器を使った確認が中心になります。ガスが漏えいしている場合は即座に対処(バルブ閉止・換気・原因の特定・修理)が必要です。

漏えい検査についてよくある質問

Q. 漏えい検査で石けん水の代わりに他のものを使ってもよいですか?

漏えい確認には技術基準・施工仕様で認められた検知液・器具を使用します。石けん水は一般的な方法ですが、市販の漏えい検知液スプレー・電子式漏えい検知器も使用されます。ただし、工事や点検の種類によって使用が定められている場合があります。KHKのテキストで確認してください。

Q. 試験(筆記)では漏えい検査の具体的な数値(圧力・時間)を覚える必要がありますか?

過去問では試験圧力・時間の数値が選択問題として出題されることがあります。技術基準に定められた数値をKHKのテキスト・過去問で確認して記憶しておくことをおすすめします。正確な数値は技術基準の版が変わると変更される可能性があるため、KHKの最新テキストで確認してください。

Q. 漏えい検査で圧力降下があった場合は、どこから漏れているか特定できますか?

圧力降下は「どこかで漏れている」ことを示しますが、場所の特定には石けん水や漏えい検知器を使って各接続部を一つずつ確認します。圧力降下が大きい場合は大きな漏えいがあり、わずかな場合はピンホール等の微細な漏えいが疑われます。いずれの場合も、原因箇所を特定して修理・再接続後に再試験が必要です。

Q. 試験会場での技能試験中、漏えい検査のための器具は会場で提供されますか?

技能試験で使用する器具・材料については、KHKの受験案内書(令和8年度)に記載があります。受験案内書で持参が必要なものと会場で提供されるものを確認してから試験に臨んでください。

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作成日:2026年11月 / 出典:KHK「液化石油ガス設備士テキスト」・液化石油ガス設備工事に係る技術基準・KHK「液化石油ガス設備士 国家試験受験案内書(令和8年度)」(https://shiken.khk.or.jp/shiken.html)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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