危険物取扱者 乙種第1類(酸化性固体)の試験に受験資格はありません。年齢・学歴・実務経験の制限が一切なく、中学生でも受験できます。申し込みは一般財団法人 消防試験研究センター(shobo.or.jp)が窓口で、電子申請と書面申請の2種類があります。CBT試験(コンピュータ試験)が整備されたことで、都道府県によっては年間を通じて好きな日程で受験できるようになっています。
この記事では、乙1の受験申し込みから当日の流れ、合格後の免状取得手続きまでを順を追って解説します。科目免除の仕組みや合格基準についても詳しくまとめています。
乙1の受験資格は設定されていない
乙種危険物取扱者の試験に受験資格はありません。甲種の受験資格(大学で化学の単位を取得した・乙種4種類以上を取得済み等)とは異なり、乙種は誰でも受験できます。年齢・学歴・実務経験のいずれも問われないため、在学中の学生・主婦・転職活動中の方など、あらゆる方が挑戦できる試験です。
受験できる都道府県に制限もありません。自分が受けたい都道府県を選んで申し込むことができます。ただし、申し込み期間・試験日程は各都道府県が設定しているため、受験したい都道府県の消防試験研究センター支部のサイトで日程を確認してから申し込む必要があります。
すでに他の乙種免状を持っている場合は、科目免除の申請ができます。たとえば乙種第4類(引火性液体)の免状があれば、乙1の受験時に法令と物理化学の2科目を免除申請できます。科目免除を使うと、性質消火の10問だけで合否が決まります。
申し込み窓口は消防試験研究センター
試験の実施と申し込みは、一般財団法人 消防試験研究センター(shobo.or.jp)が担当しています。全国47都道府県に支部があり、受験したい都道府県の支部に申し込む形です。
申し込み方法は2種類あります。
- 電子申請:消防試験研究センターのウェブサイト(shobo.or.jp)からオンラインで手続きできます。受験料の支払いもオンラインで完了します。証明書類の提出も電子的に行えます。
- 書面申請:願書(受験申請書)を入手し、必要事項を記入して郵送または窓口に持参します。願書は消防試験研究センターの支部や、一部の消防本部で入手できます。
受験料は乙種の場合3,400円(書面申請)、電子申請の場合は3,350円です。金額は変更される場合があるため、申し込み時に公式サイトで必ず確認してください。
科目免除を申請する場合は、申し込みの際に所持する免状のコピーを添付します。免除を受けると受験科目が減り、合否の判定も免除後の科目のみで行われます。
試験日程は都道府県ごとに異なる
乙種危険物取扱者の試験日程は各都道府県が設定しており、年に数回から十数回実施されます。大都市圏(東京・大阪・愛知など)では試験回数が多く受験しやすい一方、地方では年に数回しかない場合もあります。
CBT試験(コンピュータ試験方式)が導入されている都道府県では、指定されたテストセンターで年間を通じて受験できます。特定の試験日を待つ必要がなく、自分の学習進捗に合わせて受験日を選べるため、計画が立てやすくなりました。
CBT試験の対応状況は消防試験研究センターの公式サイトで確認できます。対応していない都道府県では従来の紙試験(ペーパー試験)が行われます。受験を予定している都道府県がCBT対応かどうかは、申し込み前に確認しておきましょう。
試験の科目・問題数・合格基準
乙種第1類の試験科目と問題数は、危険物の規制に関する規則に基づき次のとおりです。
| 科目 | 問題数 | 科目合格基準(60%以上) |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 9問以上 |
| 基礎的な物理・化学 | 10問 | 6問以上 |
| 危険物の性質と消火 | 10問 | 6問以上 |
| 合計 | 35問 | 21問以上(全体60%以上)かつ各科目60%以上 |
試験時間は2時間です。合格するためには2つの条件を同時に満たす必要があります。
- 全体の正解率が60%以上(35問中21問以上)
- 各科目の正解率がそれぞれ60%以上
この2条件は「かつ(AND)」の関係です。全体で21問以上正解していても、いずれかの科目で60%を下回れば不合格です。逆に全科目で60%以上正解していても、全体が21問未満であれば不合格になります。試験対策では「特定の科目に絞らず3科目すべてをバランスよく学習する」ことが重要です。
乙4の免状があれば法令と物化が免除される
すでに乙種第4類(引火性液体)の免状を持っている方は、乙1の受験時に「法令」と「物理化学」の2科目を免除できます。申し込みの際に乙4の免状コピーを添付して免除申請を行います。
科目免除を受けた場合、性質消火の10問のみで合否が決まります。10問中6問以上(60%以上)が合格基準です。法令と物化の学習を省けるため、短期間で複数の乙種免状を取得したい方にとって大きなメリットになります。
乙4以外の乙種免状(乙2・乙3・乙5・乙6など)でも同様に法令と物化が免除されます。すでに他の乙種免状を持っている方は必ず科目免除を申請してください。科目免除の申請を忘れた場合、全科目受験になります。試験当日に申請を追加することはできないため、申し込み時に必ず手続きします。
CBT試験の当日の流れ
CBT試験を受験する場合の当日の具体的な流れです。
- テストセンターに予約時刻の10〜15分前を目安に到着します。遅刻すると受験できない場合があります。
- 受付で本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート等)を提示します。写真付きの公的身分証明書が必要です。
- 荷物(スマートフォン・参考書・筆記具等)をロッカーに預けます。試験中は持ち込めません。
- 指定された席に着席します。コンピュータ画面と入力機器(マウスまたはキーボード)が用意されています。
- 問題が出題されます。選択肢はマウスのクリックまたはキーボードで選択します。問題をマーキングして後から見直す機能もあります。
- 試験終了後、会場でスコアレポートが渡されます。これは合否の参考点数で、正式な合格通知ではありません。
- 正式な合格通知は後日、消防試験研究センターから郵送されます。
CBT試験ではメモ用の白紙が配布されるため、筆記具の持参は不要です。電卓の持ち込みも認められていません(法令・物化に計算問題が出ることがありますが、暗算で解ける範囲です)。
従来の紙試験(ペーパー試験)の場合
CBTに対応していない都道府県では、試験会場に集まって紙のマークシートで受験します。試験時間は2時間で、問題用紙と解答用紙が配布されます。
当日に必要なものは、受験票(はがき形式で郵送されてきます)・本人確認書類・鉛筆またはシャープペンシル・消しゴムです。受験票は必ず持参してください。試験会場での携帯電話使用は禁止されています。
合格から免状取得までの手続き
試験に合格した後、免状の交付を受けるには申請手続きが必要です。合格したからといって自動的に送られてくるわけではない点に注意してください。
- 合格通知書が郵送で届きます(試験終了から数週間〜1ヶ月程度)。
- 免状交付申請書に必要事項を記入し、写真(縦3cm×横2.4cmのもの)と手数料(都道府県収入証紙等)を添えて申請します。
- 申請先は受験した都道府県の消防試験研究センター支部または都道府県知事の窓口です。
- 免状が交付されます(申請から数週間〜1ヶ月程度)。
免状の申請先や手数料は都道府県によって異なります。合格通知書に手続きの案内が記載されているので、その指示に従ってください。申請期限が設けられている都道府県もあるため、合格通知が届いたら早めに手続きを進めることをおすすめします。
免状の有効期限はなく、更新不要です。ただし、顔写真の書き換えが10年ごとに必要です(義務ではありませんが、本人確認の際に古い写真では困る場合があります)。
乙種免状の累積取得で甲種への道が開ける
乙種免状を積み重ねることで、甲種危険物取扱者の受験資格が得られます。甲種は全類(第1〜6類)の危険物を取り扱えるため、化学系・製造系の現場での評価が高くなります。
甲種受験資格として認められる乙種の組み合わせは、次のうちのどれかです。
- 第1類・第2類・第3類・第4類・第5類・第6類の6種類すべてを取得
- 第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類の4種類を取得(4ジャンルを網羅する組み合わせ)
乙4を既に持っている場合、乙1・乙3・乙6(または乙1・乙2・乙5等)を追加取得すれば甲種の受験資格を満たせます。各科目免除を活用しながら計画的に取得を進めると、効率的に甲種を目指せます。
よくある受験者の誤解
乙1の受験・試験に関して、よくある誤解をまとめます。
- 「乙4があれば乙1は科目免除で楽に受かる」という過信:科目免除後は性消10問のみですが、第1類は品目数が多く(9品目+その他)、各品目の性状の違いを覚えることが必要です。10問中6問以上の合格ラインは確かに低いですが、準備なしで合格できるほど簡単ではありません。
- 「合格基準は各科目40%以上」という誤解:正しくは「各科目60%以上かつ全体60%以上」です。40%という数字は他の資格試験でよく見かけますが、危険物取扱者試験は60%が基準です。
- 「乙4があれば乙1も自動的に取得できる」という誤解:乙4と乙1は別の免状です。乙4があれば科目免除の恩恵を受けられますが、乙1は別途試験を受けて取得する必要があります。
- 「CBT試験は合格しやすい」という誤解:CBT試験と紙試験で合格基準は同じです。試験形式が異なるだけで、問題の難易度・合格基準に変わりはありません。
乙1の問題集で学習効率を上げる
試験勉強には法令・物理化学・性質消火の3科目を偏りなく練習することが大切です。危険物乙1 AI問題集では、第1類(酸化性固体)に特化した確認済み220問(法令70問・物化50問・性消100問)を繰り返し無料で練習できます。すべての問題に根拠の法令・条文が表示されるので、なぜその選択肢が正解なのかを理解しながら学習を進められます。
科目免除を使って性消10問のみで受験する場合も、100問の性消問題で出題パターンを幅広くカバーできます。危険物取扱者の問題集まとめでは乙4・乙6・乙1・甲種の各問題集と試験概要を1ページで確認できます。複数の類を受験予定の方はあわせて参照してください。
出典:消防法・危険物の規制に関する規則・一般財団法人 消防試験研究センター(shobo.or.jp)


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