危険物取扱者 乙4 AI問題集(無料で150問)
法令・物理化学・性質消火の3科目、確認済みの問題150問を無料で繰り返し解けます。解説には消防法・危険物の規制に関する政令の条番号を記載。
危険物乙4の「危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法」(以下、性質消火)は35問中10問を占めます。第4類危険物の8つの品名ごとに引火点・代表物質・消火方法を覚える科目で、暗記の量は多いものの出題パターンは絞られています。この記事では、第4類の区分表・品名別の特性・消火方法の3つを条文根拠と合わせて整理します。
第4類危険物は8つの品名に区分される
第4類危険物(引火性液体)は、危険物の規制に関する法令別表第1と危険物令別表第3で、引火点・水溶性の有無・指定数量によって8つの品名に区分されます。
| 品名 | 引火点の範囲 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | 引火点−20℃以下、または沸点40℃以下 | 50L |
| 第1石油類(非水溶性) | 21℃未満 | 200L |
| 第1石油類(水溶性) | 21℃未満 | 400L |
| アルコール類 | (炭素数1〜3の一価飽和脂肪族アルコール) | 400L |
| 第2石油類(非水溶性) | 21℃以上70℃未満 | 1,000L |
| 第2石油類(水溶性) | 21℃以上70℃未満 | 2,000L |
| 第3石油類(非水溶性) | 70℃以上200℃未満 | 2,000L |
| 第3石油類(水溶性) | 70℃以上200℃未満 | 4,000L |
| 第4石油類 | 200℃以上250℃未満 | 6,000L |
| 動植物油類 | 250℃未満(動植物から採取した油脂) | 10,000L |
水溶性の液体は同じ引火点帯でも指定数量が2倍になる点が試験で問われます。また、アルコール類は引火点の数値ではなく、炭素数と官能基で区分される点が特徴です(メタノール・エタノール・プロパノールと変性アルコール)。
特殊引火物は第4類の中で最も危険な品名
特殊引火物は指定数量50Lと最も少なく、第4類の中で危険性が最も高いとされます。代表的な物質を整理します。
| 物質名 | 引火点 | 発火点 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| ジエチルエーテル | −45℃ | 160℃ | 非水溶性・蒸気は麻酔作用あり・長時間放置で過酸化物生成 |
| 二硫化炭素 | −30℃ | 90℃ | 非水溶性・発火点が特に低い(温水管でも発火の危険)・液比重1.26(水より重い) |
| アセトアルデヒド | −39℃ | 175℃ | 水溶性・沸点20℃(常温ですでに揮発している) |
二硫化炭素は発火点が90℃と非常に低く、80〜100℃程度の蒸気管や暖房装置に触れるだけで自然発火します。これは第4類の中で発火点が最も低い部類です。
第1石油類はガソリン・アセトン・ベンゼンが頻出
第1石油類は引火点21℃未満の品名です。常温(20℃程度)でも引火の危険があります。
| 物質名 | 水溶性 | 引火点 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| ガソリン | 非水溶性 | −40℃未満 | 液比重0.65〜0.75(水より軽い)・着色(橙赤色) |
| ベンゼン | 非水溶性 | −11℃ | 芳香・発がん性あり |
| トルエン | 非水溶性 | 4℃ | 芳香(ベンゼンより毒性低い) |
| アセトン | 水溶性 | −18℃ | 指定数量400L(水溶性のため)・特有の臭気 |
| 酢酸エチル | 非水溶性 | −4℃ | 果実のような芳香・指定数量200L |
ガソリンは液比重が0.65〜0.75で水より軽く、水に浮きます。これが棒状注水で消火が困難な理由であり、また流出時の延焼危険が高い理由です。
アルコール類は引火点の範囲ではなく、炭素数で区分される
アルコール類は引火点で区分されていません。「炭素数が1個から3個の一価飽和脂肪族アルコール(メタノール・エタノール・プロパノール)および変性アルコール」と定義されています(危険物令別表第3)。指定数量は400Lです。
| 物質名 | 引火点 | 特記事項 |
|---|---|---|
| メタノール(メチルアルコール) | 11℃ | 水溶性・毒性が高い(失明・死亡の危険) |
| エタノール(エチルアルコール) | 13℃ | 水溶性・消毒・飲料に使われる種類 |
| 1-プロパノール | 23℃ | 水溶性・消毒剤原料 |
アルコール類はすべて水溶性です。消火に通常の泡消火剤を使うと、泡がアルコールに溶けて消火効果が失われます。これが耐アルコール型(AR型)泡消火剤が必要な理由です。
第2石油類は灯油・軽油が代表。常温では引火しにくい
第2石油類は引火点21℃以上70℃未満の品名です。灯油(引火点40℃以上)と軽油(引火点45℃以上)は常温(20℃程度)では蒸気の発生量が少なく、常温での引火危険は比較的低いです。ただし、布などに染み込むと表面積が増えて蒸発量が増し、引火点以上の温度で危険になります。
| 物質名 | 水溶性 | 引火点 | 指定数量 |
|---|---|---|---|
| 灯油 | 非水溶性 | 40℃以上(JIS K 2203) | 1,000L |
| 軽油 | 非水溶性 | 45℃以上(JIS K 2204) | 1,000L |
| 酢酸 | 水溶性 | 40℃ | 2,000L |
灯油と軽油は外見が似ていますが、引火点が異なります。灯油が若干引火点が低く(40℃以上)、軽油は45℃以上です。
第3石油類は重油が代表。引火点は高いが大量に使用される
第3石油類は引火点70℃以上200℃未満です。常温では引火の危険は低いですが、加熱すると引火します。ボイラーなどで大量に使用される重油は火災が起きると大規模になります。
| 物質名 | 水溶性 | 引火点 | 指定数量 |
|---|---|---|---|
| 重油 | 非水溶性 | 60℃以上(1種) | 2,000L |
| クレオソート油 | 非水溶性 | 73℃以上 | 2,000L |
| エチレングリコール | 水溶性 | 111℃ | 4,000L |
| グリセリン | 水溶性 | 160℃ | 4,000L |
第4石油類と動植物油類は日常的な扱いに多い
第4石油類(引火点200〜250℃未満)はギヤー油・シリンダー油・マシン油・タービン油が代表です。指定数量6,000Lで、工場での機械潤滑に大量に使われます。
動植物油類(引火点250℃未満の動植物由来の油脂)はヤシ油・なたね油・パーム油などです。食用油の一部も含まれます。指定数量は10,000Lと最も多く、単独では大量でないと規制対象になりません。ただし、動植物油類を染み込ませた布などを放置すると自然発火する危険があります(自然発火点が低い種類がある)。
第4類の消火方法:棒状注水は禁止、耐アルコール泡は水溶性に必要
第4類危険物の消火方法には共通する原則があります。
有効な消火方法:第4類は一般に液体が燃えるため、窒息消火が基本です。
- 泡消火剤:液面を覆って酸素を遮断する(非水溶性液体に有効)
- CO2消火剤:二酸化炭素で窒息消火・密閉空間で特に有効
- 粉末消火剤(ABC粉末等):化学的に燃焼を抑制する
- 水噴霧:霧状の水で冷却+窒息効果(棒状注水とは異なる)
棒状注水は禁止:棒状に水をかけると液体危険物が飛散して火が広がります。また、液比重が1未満(水より軽い)の危険物は水面に浮いて延焼が拡大します。
水溶性液体には耐アルコール型(AR型)泡消火剤が必要:アセトン・アルコール類などの水溶性液体に通常の泡消火剤(普通泡・たんぱく泡など)をかけると、泡がアルコールや有機溶剤に溶けて消泡し、消火効果が失われます。耐アルコール型(AR型)泡消火剤は水溶性液体に耐性があるよう設計されています。
| 物質の種類 | 有効な消火剤 | 注意点 |
|---|---|---|
| 非水溶性(ガソリン・灯油・重油等) | 泡・CO2・粉末・水噴霧 | 棒状注水は禁止 |
| 水溶性(アセトン・アルコール類等) | AR型泡・CO2・粉末 | 通常の泡・棒状注水は禁止 |
性消10問の出題パターンと間違いやすいポイント
性質消火の出題パターンは大きく3つに分けられます。
品名の判定問題:「引火点が○℃の物質はどの品名か」「次のうち第1石油類(水溶性)はどれか」という形式で、品名の区分基準(引火点の数値・水溶性の有無)を問います。
物質の特性問題:「ガソリンについて正しいものはどれか」「二硫化炭素に関して誤っているものはどれか」という形式で、特定の物質の特性(引火点・発火点・水溶性・液比重)を問います。
消火方法問題:「第4類危険物の火災に使ってはいけない消火方法はどれか」「水溶性液体に有効な消火剤はどれか」という形式です。棒状注水禁止・水溶性にはAR型泡・密閉空間ではCO2が有効、などを問います。
間違いやすい点として、第2石油類(非水溶性)の灯油と軽油の引火点の違いがあります。灯油は「40℃以上」(JIS K 2203)、軽油は「45℃以上」(JIS K 2204)です。どちらも第2石油類で指定数量1,000Lですが、引火点の数値が異なります。
アルコール類が独立した品名になっている理由
アルコール類は引火点の範囲で区分されていない例外的な品名です。エタノール(エチルアルコール)の引火点は13℃で、第1石油類の範囲(21℃未満)に入りますが、アルコール類として独立した品名に分類されます。これは危険物令別表第3で「炭素数が1〜3の一価飽和脂肪族アルコール(メタノール・エタノール・プロパノール)および変性アルコール」と明示されているためです。
アルコール類は水溶性であることが特徴で、指定数量は400Lです。第1石油類(水溶性)の400Lと同じ数値ですが、品名は別です。試験で「アルコール類の指定数量は第1石油類(水溶性)と同じ」という問われ方をすることがあります。
動植物油類の自然発火に注意
動植物油類(指定数量10,000L)は引火点が高く(250℃未満)、常温での引火危険は低いですが、次の点で火災になります。
- 布・綿・おがくずなどに染み込んだ動植物油が酸化発熱して自然発火する
- 特に乾性油(ヨウ素価が高い油:亜麻仁油・荏油など)は酸化されやすく自然発火しやすい
- 不乾性油(ヨウ素価が低い油:やし油・オリーブ油など)は酸化されにくい
油で汚れた布を積み重ねて放置すると自然発火する事故は、工場・クリーニング施設などで実際に起こっています。動植物油類を染み込ませた廃棄布類は密閉した金属容器に入れて処理します。
性消10問の攻略まとめ
性質消火は暗記が中心ですが、まず8品名の区分表(引火点の範囲と指定数量)を覚え、その後に代表物質の特性を品名ごとに整理すると効率的です。消火方法は「棒状注水禁止」と「水溶性にはAR型泡」の2点が試験でよく問われます。全科目で60%以上の正解が合格の条件です(消防試験研究センター「危険物取扱者試験受験案内」)。
試験直前 性消チェックリスト
試験前日に必ず確認すべき暗記事項をまとめます。
| 確認項目 | 答え |
|---|---|
| 第4類の火災に棒状注水が禁止な理由 | 液体が浮いて燃焼面が広がるため |
| 水溶性液体(アセトン・アルコール)に使う消火剤 | 耐アルコール型(AR型)泡消火剤 |
| 比重が水より大きい第4類 | 二硫化炭素(約1.26) |
| 二硫化炭素の発火点 | 約90℃(第4類で最低レベル) |
| 二硫化炭素の貯蔵方法 | 水中に貯蔵 |
| 乾性油の自然発火の原因 | 布・綿等に染み込んだ油が酸化発熱 |
| 第4類の蒸気の性質 | 蒸気比重1以上(空気より重く低所に溜まる) |
| 有効な消火方法(第4類共通) | 泡・CO2・粉末・水噴霧 |
性消は物質の名前・性質・消火方法をセットで覚える必要があります。表を繰り返し見て「二硫化炭素の発火点が低い理由→水中貯蔵が必要な理由」というように、特徴と理由を結びつけて暗記すると試験での選択肢の絞り込みが速くなります。
出典:消防試験研究センター「危険物取扱者試験受験案内」(2026年度版)、消防法別表第1・危険物の規制に関する政令別表第3、JIS K 2202(灯油)・JIS K 2204(軽油)


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