認知症が進んで口座が使えなくなると、生命保険・医療保険・火災保険等の保険料が引き落とせなくなるリスクがある。保険料の払い込みが止まると、所定の猶予期間(通常2か月程度)を過ぎると失効(契約消滅)する。長年かけてきた生命保険を失効させないための対処と、口座凍結後に保険料を支払い続ける方法を整理した。
5問の診断で今すぐ危険度と損失額を確認できます。
▶ 認知症診断後 手続きナビ(無料診断)
保険料の払い込みが止まると失効する仕組み
生命保険の保険料は「払込猶予期間」内に支払えなかった場合、契約が「失効」(効力を失う)する。払込猶予期間の長さは保険会社・契約によって異なるが、月払いの場合は翌月末が一般的な猶予期限だ(約1か月の猶予)。
失効すると契約は消滅し、死亡保険金・入院給付金等が受け取れなくなる。ただし失効後一定期間内(通常3年以内)であれば「復活(失効した契約の復旧)」の手続きができる場合が多いが、健康告知・追加保険料が必要になることがある。
口座凍結後に保険料を払い続けるための方法
口座凍結・口座が使えない状況で保険料を支払い続けるには以下の方法がある。
- 引き落とし口座を変更する:本人の口座から家族名義の口座(または別の本人名義の口座)に変更する。変更手続きは本人または成年後見人が行う。早めに対応すれば引き落とし継続できる
- コンビニ払い・振込用紙払いに切り替える:保険会社によっては払込方法をコンビニ払いに変更できる。変更手続きは保険会社に連絡する
- 家族がクレジットカードで立て替え払いをする設定にする:クレジットカード払いに変更できる場合は、家族名義のカードに変更して立て替え払いにする
- 自動振替貸付制度(契約者貸付の自動版)の確認:払込猶予期間を過ぎても、解約返戻金がある場合に保険会社が自動的に保険料を立て替えて失効を防ぐ「自動振替貸付」制度がある保険もある。契約内容を確認する
成年後見人が選任された後の保険料支払い
成年後見人が選任された後は、後見人が本人の財産から保険料を支払う手続きをとることができる。
具体的には、後見人が本人名義の口座を管理して保険料引き落としを継続する。口座凍結中であれば、後見登記事項証明書(法務局発行)を提出して凍結解除の手続きをとる。
「払い済み保険」への変更で保険料ゼロにする方法
今後の保険料支払いをなくしたい場合は、「払い済み保険」への変更を検討できる。払い済み保険は、解約返戻金を元手にして保険料の支払いを止め、保障額を縮小した状態で保険を継続させる方法だ。
払い済みに変更すると保険金額が下がるが、保険料の支払いが不要になる。解約返戻金がある保険に限って利用できる制度で、変更手続きは本人または成年後見人が行う。
認知症と診断されてすぐに確認すること
診断後すぐに確認すべき保険関連の事項は次の通りだ。
- 加入している保険の一覧(保険会社名・証券番号・毎月の保険料額)
- 保険料の引き落とし口座(複数口座から引き落としている場合は全部リスト化)
- 各保険の解約返戻金の有無(払い済み保険への変更ができるか)
- 各保険の「指定代理請求人」の登録状況(未登録なら今すぐ登録)
この記事のまとめ
- 保険料の払い込みが止まると猶予期間後に失効(契約消滅)する
- 口座凍結前に引き落とし口座をコンビニ払いやクレジットカード払いに変更する
- 自動振替貸付制度(解約返戻金から自動貸付)で失効を防げる場合がある
- 成年後見人選任後は後見人が本人口座から保険料支払いを継続できる
- 保険料支払いをなくすには「払い済み保険」への変更が選択肢のひとつ
出典:保険業法(保険契約の失効・復活)、各保険会社「払込猶予期間・自動振替貸付の規定」、金融庁「生命保険の基本的な仕組み」
5問の診断で今すぐ危険度と損失額を確認できます。
▶ 認知症診断後 手続きナビ(無料診断)

コメント