ガス系消火設備(不活性ガス・ハロゲン化物・粉末)の放出方式には「全域放出方式」と「局所放出方式」の2種類があります。全域放出方式は防護区画全体にガスを充満させますが、局所放出方式は特定の防護対象物の表面にのみガスを直接放出して消火します。局所放出方式は密閉できない空間(屋外・開放された室内)の防護対象物に適用されます。
この記事では、局所放出方式の設置条件・全域放出との違い・薬剤量計算(表面積基準)・適応設備の種類を整理します。
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全域放出方式と局所放出方式の違い
| 比較項目 | 全域放出方式 | 局所放出方式 |
|---|---|---|
| 放出の対象 | 防護区画全体 | 特定の防護対象物の表面 |
| 防護区画の条件 | 密閉された区画が必要 | 密閉不要(開放空間でも可) |
| 薬剤量の計算基準 | 防護区画の体積(m³)×体積係数 | 防護対象物の表面積(m²)×表面積係数 |
| 主な用途 | 電気室・通信機器室・倉庫等の密閉された空間 | 変圧器・駐車場のエンジン部・ボイラー等 |
局所放出方式が使える条件
局所放出方式は、次の条件を満たす防護対象物に適用できます(消防法施行規則第19条・第20条)。
- 防護対象物が特定の場所に固定されていること(移動しない)
- 防護対象物の形状・大きさが明確で、表面積が算出できること
- 噴射ヘッドを防護対象物から一定距離以内(原則として1m以内)に設置できること
- 薬剤放出時に防護対象物の表面にガスを有効に当てられる位置に噴射ヘッドを設置できること
局所放出方式の薬剤量計算
局所放出方式の薬剤量は、防護対象物の「露出表面積」を基準に計算します。
薬剤量Q(kg)= 防護対象物の表面積A(m²)× 表面積係数(kg/m²)
- 表面積係数は消火薬剤の種類(CO2・ハロゲン化物・粉末の各種)によって施行規則で定められる
- 防護対象物に面している床・壁・天井は「囲まれた面」として計算から除く場合がある
- 防護対象物の下部が床に接している場合は、床面積を表面積に加算しない
局所放出方式に適用できる消火設備の種類
| 消火設備 | 局所放出方式の適用 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 不活性ガス消火設備(CO2) | 適用可 | 屋内の変圧器・特殊機械等 |
| ハロゲン化物消火設備(HFC系) | 適用可(一部) | 精密機器・特殊設備等 |
| 粉末消火設備 | 適用可 | 駐車場のエンジン部・ボイラー等 |
局所放出方式の噴射ヘッドの設置基準
局所放出方式の噴射ヘッドは、防護対象物の表面にガスを有効に当てられるよう設置します。
- 噴射ヘッドは防護対象物の全表面をカバーできる位置・個数で設置する
- 防護対象物から噴射ヘッドまでの距離は原則として1m以内(消防法施行規則第19条)
- 薬剤は防護対象物の表面に向けて放出されるため、ヘッドの向きが重要
局所放出方式に関する試験の出題ポイント
- 「局所放出方式の薬剤量計算の基準は体積か表面積か」→ 答え:表面積(m²)が基準
- 「局所放出方式が使える条件として防護区画に必要なものは何か」→ 答え:防護区画の密閉は不要(開放空間にも設置できる)
- 「局所放出方式の噴射ヘッドを防護対象物から何m以内に設置するか」→ 答え:1m以内
- 「全域放出方式と局所放出方式で薬剤量計算の基準が異なる点はどこか」→ 答え:全域は体積(m³)、局所は表面積(m²)が基準
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出典:消防法施行規則第19条(不活性ガス消火設備の局所放出方式)・第20条(粉末消火設備の局所放出方式)。
作成日:2026年11月5日

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