消防設備士 甲種第3類(以下、甲3)の試験科目「消防関係法令(類別)」は4問です。甲3に特有の設置基準・設計基準・防護区画に関する法令が出題されます。条文の数値(設計濃度・設置面積・防護区画の要件)を法令の条番号とセットで理解することが効果的です。
この記事では、甲3の法令類別で出題される主な条文の内容を整理します。
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消防法施行令第13条。不活性ガス・ハロゲン化物・粉末消火設備の設置義務
甲3が扱う消火設備(不活性ガス・ハロゲン化物・粉末)の設置が義務付けられる防火対象物は、消防法施行令第13条に規定されています。同条は、スプリンクラー設備の設置が義務付けられない場合に代わりに設置できる設備の規定も含みます。
設置対象となる主な用途・条件(消防法施行令第13条):
- 指定可燃物を貯蔵・取り扱う防火対象物で、消防法施行令別表第2に定められた一定量以上を扱う場所
- 高圧の電気設備が設置された場所(変電設備等)
- 飛行機格納庫・車両の格納庫(消防法施行令で規定された用途)
試験では「第13条で設置が義務付けられている対象物の種類」が問われます。電気室・変電設備・格納庫など、水を使えない場所が設置対象になる背景を理解すると記憶しやすくなります。
消防法施行規則第20条。設置・設計の基準
不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備の設置基準・設計基準の詳細は、消防法施行規則第20条に規定されています。同条には次の内容が含まれます。
- 全域放出方式・局所放出方式・移動式の区別と要件
- 防護区画の密閉性の要件
- 薬剤量の計算基準(設計濃度・単位体積あたりの薬剤量)
- 噴射ヘッドの設置基準(位置・個数・防護半径)
- 起動装置の設置基準(自動・手動・遅延時間20秒以上)
- 音響警報装置の設置基準
- 非常電源の有効時間(30分以上)
条文の内容は多岐にわたりますが、試験では特に数値(設計濃度・遅延時間・非常電源の有効時間)が問われます。
防護区画の要件。全域放出方式に必要な密閉性
全域放出方式(防護区画全体に消火薬剤を放出する方式)を使うには、防護区画に一定の密閉性が必要です。消防法施行規則で定める防護区画の要件は次のとおりです。
| 項目 | 要件の内容 |
|---|---|
| 開口部の制限 | 薬剤放射前に自動閉鎖装置で開口部を閉じること。または開口部がある場合は開口部補正量を加算すること |
| 換気装置 | 薬剤放射前に換気装置を停止させること(換気が動いていると薬剤が排気されて設計濃度に達しない) |
| 防護区画の区分 | 複数の用途が混在する場合は区画を明確に分けること |
「換気装置を放射前に停止させる」という条件は試験でよく出ます。換気が動いたまま薬剤を放出しても消火できないためです。
設計濃度の法令上の根拠
設計濃度の数値は、消防法施行規則で規定されています。消火対象によって次のとおりです(CO2消火設備の場合)。
| 対象 | 設計濃度 | 法令上の根拠 |
|---|---|---|
| 一般の可燃物 | 34%以上 | 消防法施行規則第20条・各消火薬剤の規格を定める省令 |
| 深部火災(電気設備等) | 70%以上 | 同上 |
| 特殊可燃物 | 75%以上 | 同上 |
ハロゲン化物消火設備の場合はNOAEL以下に設計濃度を設定する規定があります(使用する薬剤の種類によってNOAELが異なる)。
甲3の法令共通で出る工事に関する規定
法令共通(6問)では甲種消防設備士の工事に関する規定も出題されます(他の類の甲種と共通の内容)。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 消防法第17条の14 | 着工届の提出義務(工事着工の10日前まで) |
| 消防法第17条の3の2 | 工事完了後の消防検査の受検義務 |
| 消防法第17条の5 | 消防設備士の免状・工事・整備の権限 |
| 消防法第17条の9 | 消防設備士免状の種類と有効期限・更新 |
法令共通は他の消防設備士免状(甲1・甲4・乙6等)を持っていれば科目免除になります。すでに他の類の免状を持っている受験者は、科目免除の申請を忘れないようにしてください。
試験で出やすい法令類別の問題パターン
法令類別(4問)は問題数が少ないため、1問の失点が合否に影響しやすい科目です。よく出る問題パターンは次のとおりです。
- 「全域放出方式が使える防護区画の条件(密閉性・換気装置の停止)」
- 「設計濃度の数値(34%・70%・75%)と対応する消火対象」
- 「起動装置の設置場所(防護区画外・床面から0.8m〜1.5m)」
- 「遅延時間は何秒以上か(20秒以上)」
- 「非常電源の有効時間(30分以上)」
これらの数値を条文の内容と合わせて覚えると、問題文の表現が変わっても対応できます。
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出典:消防法施行令第13条・消防法施行規則第20条・各消火薬剤の規格を定める省令・消防法第17条の14。
作成日:2026年11月5日

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