漏電火災警報器は、変流器・受信機・音響装置の3つの部品で構成されています。それぞれの役割と規格を把握することは、消防設備士乙7の試験対策としても、実際の整備・点検業務としても基本になります。この記事では3部品の役割分担・規格・信号の流れを整理します。
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▶ 消防設備士 乙種第7類 問題集
漏電火災警報器は変流器・受信機・音響装置の3部品で成り立つ
漏電火災警報器の構成部品は消防法施行規則第24条の2に規定されており、大きく次の3つに分類されます。
| 部品名 | 役割 | 主な規格 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 変流器(ZCT) | 漏洩電流を検知し受信機に信号を送る | 定格電流100A以下 | 規格省令第5条 |
| 受信機 | 変流器からの信号を受けて音響装置を鳴動させる | 試験スイッチ・復旧スイッチを備える | 施行規則第24条の2 |
| 音響装置 | 漏電を音で知らせる | 70dB以上(中心から1m) | 規格省令第9条 |
3部品はそれぞれ独立した機能を持ちながら、連動して動作します。どれか1つが欠けても警報システムとして機能しません。
信号は「変流器 → 受信機 → 音響装置」の順に伝わる
漏電が発生してから警報が鳴るまでの流れは次のとおりです。
漏電発生(電路の絶縁劣化)
↓
変流器(ZCT)が往路と帰路の電流差を検知
↓
受信機が変流器からの信号を受信
↓
音響装置が鳴動・表示灯が点灯
↓
建物の関係者が異常を把握
漏電火災警報器は「遮断」ではなく「警報」に特化した設備です。漏電遮断器(ELCB)が電路を切るのに対し、漏電火災警報器は電路を切らずに警報だけを出します。建物の関係者が原因を特定して対処するための時間を確保するのが目的です。
変流器(ZCT)は警戒電路の引込口に最も近い箇所に設置する
変流器は漏洩電流を検知するセンサーの役割を担います。正常な電路では往路(電源から負荷へ向かう電流)と帰路(負荷から電源へ戻る電流)が等しく、変流器に生じる磁束は相殺されます。漏電が発生すると往帰の電流に差が生まれ、変流器にわずかな電流が誘起されます。この電流の差を受信機に伝えます。
変流器の設置に関する規格・基準のポイントは次のとおりです。
- 設置位置:引込口に最も近い箇所(施行規則第24条の2第1項第4号)
- 電線の通し方:往路と帰路の両電線を変流器に通す(第1項第3号)
- 定格電流:100A以下(規格省令第5条)
- 屋外設置:防雨型を使用する
変流器に片方の電線しか通していない場合、往帰の電流が相殺されないため正常な電路でも電流が検知されてしまいます。往路・帰路の両電線を通すことが機能の前提です。この仕組みを理解していると、試験問題で「片方だけ通す」という誤りの選択肢に気づきやすくなります。
受信機は変流器からの信号を受けて3つのスイッチで操作する
受信機は変流器からの微弱な電流信号を増幅し、音響装置に鳴動命令を送ります。受信機に備えるべき機能は施行規則で定められており、次の3つのスイッチが必要です。
| スイッチ名 | 役割 |
|---|---|
| 試験スイッチ | 点検時に受信機の動作確認を行う。試験電流を流して作動試験を実施する |
| 音響停止スイッチ | 警報確認後に音響装置を一時停止させる |
| 復旧スイッチ | 漏電が解消された後に受信機を正常状態に戻す |
受信機は常時人がいる場所、または建物の関係者が容易に操作できる場所に設置します(施行規則第24条の2)。設置場所の基準は、警報を受けてすぐに対応できることを前提にしています。
受信機と変流器は同じ場所でも離れた場所でも設置できる
変流器は引込口(電気が建物に引き込まれる箇所)の近くに設置しますが、受信機は人が常時いる場所(管理室・事務所など)に設置することが多いため、両者が離れた場所に設置されるケースがほとんどです。受信機と変流器をつなぐ信号線は、電気的干渉を受けにくい配線経路を選びます。
受信機を建物の引込口付近に設置することもできますが、警報を建物関係者がすぐに確認できる場所に置くことが実務上の基本です。
音響装置は受信機に内蔵されるか外付けで設置する
音響装置は受信機に内蔵されているタイプと、受信機から分離して外付けで設置するタイプがあります。どちらの場合も、受信機の音響装置の中心から1mの距離で70dB以上の音圧が必要です(規格省令第9条)。
内蔵型の場合、受信機そのものが警報音を発します。外付け型は受信機から離れた場所(廊下・階段付近など)に音響装置を配置することで、建物全体に警報が届くようにします。
試験では「音響装置が不要な条件」という出題はなく、どのタイプでも音圧規格(70dB)は必ず適用されます。
3部品に関する試験の出題パターン
乙7の試験では3構成部品に関して次のような出題がされます。
| 出題科目 | 出題パターン |
|---|---|
| 構造・機能・整備(筆記) | 変流器の定格電流・設置位置の規定。受信機のスイッチの名称・役割。音響装置の音圧規格 |
| 規格(筆記) | 公称作動電流値・不作動電流値・試験電流の数値。規格省令の条文番号 |
| 鑑別(実技) | 変流器・受信機・音響装置の写真を見て名称を答える。スイッチの名称と用途を書く |
鑑別問題では3部品の写真を見て名称・用途を記述する問題が出ます。実際の機器の外観を確認しておくと対応しやすくなります。
漏電火災警報器の3構成部品まとめ
| 部品 | 役割 | 規格・基準 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 変流器(ZCT) | 漏洩電流を検知 | 定格電流100A以下・引込口最近箇所・往帰両電線を通す | 規格省令第5条・施行規則第24条の2 |
| 受信機 | 信号受信・音響鳴動 | 試験/音響停止/復旧スイッチを備える・常時人がいる場所 | 施行規則第24条の2 |
| 音響装置 | 警報音を発する | 70dB以上(中心から1m) | 規格省令第9条 |
3部品の役割分担と規格を整理することで、「どの部品のどの規格が問われているか」を素早く判断できます。変流器と受信機の位置関係・音響装置の音圧基準は鑑別問題でも問われるため、写真と合わせて覚えておきます。
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