消防設備士 甲種第3類(以下、甲3)の合格率は、例年25〜35%前後で推移しています(消防試験研究センターの公表データより。最新年度の数値は消防試験研究センターの「試験実施状況」で確認してください)。甲種の中では受験者数が少ない類で、年度によって合格率が大きく変動することがあります。
この記事では、甲3の合格率の傾向・乙3や他の甲種との比較・難易度が高い理由・合格基準の仕組みを整理します。
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甲3の合格率は25〜35%前後。年度によって変動する
甲3は、消防設備士の中でも受験者数が少ない類のひとつです。受験者数が少ないと、合格者数の変動が合格率に大きく影響するため、年度によって数値が10%近く上下することがあります。
消防試験研究センターが公表している近年の甲3の合格率はおよそ25〜35%の範囲で推移しています。甲4(自動火災報知設備)の30〜35%前後と比較すると同水準か、やや低い年度もあります。
最新の合格率・受験者数・合格者数は、消防試験研究センターのウェブサイト(www.shoubo-shiken.or.jp)で公表されています。試験年度ごとの実施状況を確認してください。
甲3と乙3・他の甲種の合格率比較
消防設備士の各類の合格率を比較します。同じ設備を扱う乙3との比較が重要です。
| 種別 | 対象設備 | 合格率の目安 | 試験の特徴 |
|---|---|---|---|
| 甲種第3類(甲3) | 不活性ガス・ハロゲン化物・粉末消火設備 | 25〜35%前後 | 筆記45問+鑑別5問+製図2問。受験資格あり |
| 乙種第3類(乙3) | 同上(整備・点検のみ) | 30〜40%前後 | 筆記30問+鑑別5問。受験資格なし |
| 甲種第4類(甲4) | 自動火災報知設備等 | 30〜35%前後 | 筆記45問+鑑別5問+製図2問。受験者数最多 |
| 甲種第1類(甲1) | 屋内消火栓・スプリンクラー等 | 25〜35%前後 | 筆記45問+鑑別5問+製図2問 |
| 甲種第2類(甲2) | 泡消火設備 | 25〜35%前後 | 筆記45問+鑑別5問+製図2問。受験者数が少ない |
表の合格率は目安であり、年度によって変動します。甲3と乙3を比べると、甲3のほうが問題数が多く製図があるため難易度は高くなります。ただし、乙3は受験者の目的がさまざまで、準備不足のまま受験するケースもあるため、単純に合格率だけで難易度を判断するのは難しい面があります。
甲3が難しい理由。製図と問題数が合否を分ける
甲3の合格率が乙3より低い主な理由は、次の3点です。
製図問題が甲種固有の難関
甲3には、乙3にない製図問題2問があります。製図は「防護区画の体積から消火薬剤量を計算して系統図や平面図に書き込む」という問題で、単純な暗記では解けません。計算式の理解と演習が必要で、準備が不十分だと実技の合格基準(60%以上)をクリアできません。
筆記問題数が乙3の1.5倍
乙3の筆記が30問なのに対し、甲3は45問です。特に「構造・機能及び工事整備」が15問(乙3は10問)増え、工事手順・設計計算・非常電源・配線工事など、甲種固有の出題が加わります。基礎的知識も5問から10問に増えており、高圧ガス関連の力学計算が含まれます。
受験資格があるため受験者層が絞られる
甲3には受験資格があり、無準備での受験が難しい資格です。受験者数が少ないこともあり、年度ごとの合格率の変動が大きくなりやすい傾向があります。
合格基準の仕組み。科目ごとの足切りに注意する
甲3の合格基準は次のとおりです。
| 区分 | 合格基準 |
|---|---|
| 筆記(全体) | 45問中27問以上(60%以上) |
| 筆記(各科目) | 各科目の正解率40%以上 |
| 実技(鑑別+製図の合算) | 7問中4.2問以上(60%以上) |
重要なのは、筆記に「科目ごとの足切り」があることです。全体の正解率が60%を超えていても、どれかの科目が40%未満だと不合格になります。科目ごとの問題数と最低正解数は次のとおりです。
| 科目 | 問題数 | 最低正解数(40%) | 科目の特徴 |
|---|---|---|---|
| 消防関係法令(共通) | 6問 | 3問以上 | 甲種・乙種共通の法令 |
| 消防関係法令(類別) | 4問 | 2問以上 | 甲3固有の設置基準・設計基準 |
| 基礎的知識(機械) | 10問 | 4問以上 | 力学・高圧ガス・流体・材料 |
| 構造・機能及び工事整備 | 25問 | 10問以上 | 設備の構造・工事手順・規格数値 |
問題数が4問の「法令(類別)」は、2問以上正解すれば足切りを回避できますが、2問以上間違えると科目不合格になります。乙3では法令類別が4問なので、ここでの失点が合否に直結するリスクは甲3・乙3で共通しています。
実技の合格基準。鑑別と製図は合算で60%以上
甲3の実技(鑑別5問+製図2問)は、合算で60%以上が合格基準です。乙3では鑑別5問のみの判定でしたが、甲3では製図2問が加わります。
実技は記述式の採点で、部分点があります。製図問題は完答でなくても部分点が入るため、計算の途中式や作図の一部が正しければ得点できます。ただし、計算式の理解が前提となるため、「書ければ点が入る」という感覚で臨むより、計算の仕組みを理解したうえで記述する準備が必要です。
甲3の受験者数の傾向
甲3は、消防設備士の全類の中で甲4・甲1の次に受験者が多い類ですが、甲4の受験者数(年間20,000人以上)と比較すると受験者数が少ない類です。受験者が少ない類は、年度ごとに合格率が大きく変動することがあります。
甲3を受験する方の多くは、消防設備工事会社・ビルメンテナンス・防災設備の施工管理に携わる方です。乙3を取得後に甲3を目指すケースも多く、乙3で試験の形式に慣れてから甲3に挑む方法が有効です。
甲3の合格に必要な準備期間の目安
甲3の合格に必要な学習時間の目安は、基礎知識の有無によって異なります。
| バックグラウンド | 目安の学習時間 | 重点対策 |
|---|---|---|
| 乙3取得者・実務経験あり | 100〜150時間 | 製図の計算式・工事手順の追加学習 |
| 消防設備の実務経験なし・理工系出身 | 150〜200時間 | 設備の構造理解+製図演習 |
| 消防設備の実務経験なし・文系出身 | 200〜300時間 | 基礎知識の習得から始める |
上の数字は目安であり、個人差が大きいことに注意してください。製図問題は反復練習が必要で、問題集だけでなく条件を変えた演習が有効です。構造・機能及び工事整備の25問は設備の種類が多く範囲が広いため、早めに取り組み始めることをおすすめします。
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▶ 消防設備士 甲種第3類 AI問題集
出典:消防試験研究センター「消防設備士試験の実施状況」(最新年度)・消防法施行令第36条(合格基準)。
作成日:2026年11月5日

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