移動式クレーンのワイヤロープ構造とより方向:素線・ストランド・Zより・ラングより

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移動式クレーンの巻上げ用ワイヤロープの構造・種類・より方向の読み方は、試験の「移動式クレーンに関する知識」科目で問われる重要な項目です。素線・ストランド・コアの各部の名称と、記号表示の読み方を覚えておきましょう。

ワイヤロープの基本構造

ワイヤロープは以下の3層から成ります。

部位 説明
素線(もとせん) ワイヤロープを構成する最小単位の鋼線。炭素鋼製
ストランド 複数本の素線を撚り合わせたもの
コア(心) ストランドを束ねる中心部。繊維コアまたは鋼製コア

複数本のストランドをコアの周りに撚り合わせたものがワイヤロープです。

ワイヤロープの種類表示の読み方

ワイヤロープは「6×19」などの記号で表されます。

  • 最初の数字(6):ストランドの本数
  • ×の後の数字(19):1つのストランドを構成する素線の本数

「6×19」= ストランド6本 × 素線19本 = 合計114本の素線で構成

一般的な種類の比較:

種類 特徴 主な用途
6×7(ストランド6・素線7) 素線が太い→摩耗に強い。硬くて曲げにくい ガイワイヤ等(頻繁に曲げない用途)
6×19(ストランド6・素線19) 素線が中程度。汎用性が高い 巻上ワイヤ等・一般的なクレーン用
6×37(ストランド6・素線37) 素線が細い→柔軟で曲げやすい。シーブ径が小さくても使える 移動式クレーンの巻上ワイヤ・柔軟性が求められる用途

より方向:Zより・Sより

ワイヤロープを撚る方向(より方向)には2種類あります。

  • Zより(右より):ロープを縦に見たとき、ストランドの撚り目が左上から右下に向かっている(アルファベットのZの中央の斜め線と同じ方向)
  • Sより(左より):ストランドの撚り目が右上から左下に向かっている(Sの中央の斜め線と同じ方向)

クレーンの巻上ドラムに巻き付けるワイヤロープのより方向は、ドラムの巻き方向と合わせることで緩みにくくなります。

ラングより・普通より

素線のより方向とストランドのより方向の組み合わせによって「ラングより」と「普通より(オーディナリより)」があります。

  • 普通より(オーディナリより):素線のより方向とロープのより方向が逆。くせがつきにくく・解撚しにくい。一般的なクレーンに多用
  • ラングより:素線のより方向とロープのより方向が同じ。摩耗に強い・柔軟性が高い。一方でくせがつきやすく・解撚しやすいため、両端を固定した用途に向く

試験でよく問われるポイントまとめ

  • 「6×19」→ストランド6本・素線19本の構成
  • 素線数が多いほど(6×37 > 6×19 > 6×7)柔軟になる
  • Zより(右より)・Sより(左より)の識別方法
  • 普通より:くせがつきにくい・解撚しにくい。一般的なクレーンに多用
  • ラングより:摩耗に強い・柔軟。くせがつきやすい

ワイヤロープの構成(より数・素線数)

ワイヤロープは「素線(細い鋼線)→ より線(複数の素線を撚り合わせたもの)→ ストランド(複数のより線を束ねたもの)→ ロープ」という構造です。

表記例 意味
6×7 ストランド数6・1ストランドあたりの素線数7
6×19 ストランド数6・1ストランドあたりの素線数19
6×37 ストランド数6・1ストランドあたりの素線数37

素線数が多いほどロープが柔軟(可とう性が高い)になり、シーブ通過が容易になります。一方で耐摩耗性はやや低下します。

ロープの「より」の方向(Z縒り・S縒り)

  • Z縒り(右縒り):ロープをまっすぐ見たとき、より方向が右上がりに見える。一般に最もよく使われる
  • S縒り(左縒り):ロープをまっすぐ見たとき、より方向が左上がりに見える

ドラムに巻き取る方向と「より」の方向の組み合わせによって、ロープが緩みやすい・締まりやすいが変わります。

ロープ径の測定方法

ロープ径は外接円の直径を測定します。ノギスで2点を計測し、最大値を採用します。ストランドの山同士を測るのではなく、ストランドの外接円の直径を測ることが重要です。廃棄基準(公称径の7%超減少)と比較する際は正しい測定値が必要です。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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