移動式クレーンの定期自主検査と点検:年次・月次・作業開始前の違い

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移動式クレーンは定期的な自主検査と日常の点検が法令で義務づけられています。試験では検査の種類・頻度・点検項目が出題されます。「年次」「月次」「作業開始前」の3種類の自主検査を整理しておくことが大切です。

自主検査の3種類

クレーン等安全規則では、移動式クレーンに対して以下の3種類の自主検査(自主点検)を義務づけています。

種類 頻度 主な対象
定期自主検査(年次) 1年以内ごとに1回 1年を超えて使用する移動式クレーン
定期自主検査(月次) 1か月以内ごとに1回 同上
作業開始前の点検 その日の作業開始前 その日に使用する移動式クレーン

年次定期自主検査の主な点検項目

年次の定期自主検査では、クレーン全体の構造・機能を網羅的に点検します。クレーン等安全規則に定められた主な点検項目は以下のとおりです。

  • 巻過防止装置・過負荷防止装置等の安全装置の異常の有無
  • ジブ・フレーム等の構造部分の変形・亀裂・腐食の有無
  • ワイヤロープおよびつりチェーンの損傷の有無
  • フック・グラブバケット等のつり具の損傷の有無
  • 原動機および電気系統の異常の有無
  • 油圧装置の異常の有無
  • 走行装置の異常の有無
  • ブレーキ・クラッチの機能

年次検査の記録は3年間保存することが義務づけられています。

月次定期自主検査の主な点検項目

月次の定期自主検査は年次より簡略化されますが、主要な機能確認が含まれます。

  • 巻過防止装置・過負荷防止装置の機能確認
  • ジブの変形・亀裂の有無
  • ワイヤロープの損傷確認
  • フックの損傷確認
  • ブレーキの機能確認

月次検査の記録も保存が必要です。

作業開始前の点検

作業開始前の点検は毎日の作業前に行うもので、その日の作業前に異常がないかを確認します。主な確認項目は以下のとおりです。

  • 巻過防止装置の機能
  • 過負荷防止装置の機能
  • ジブの傾斜角指示装置の機能
  • ブレーキ・クラッチの機能
  • ワイヤロープが滑車(シーブ)に正しく掛かっているか

作業開始前点検は毎日行うものであり、記録の保存義務は月次・年次ほど厳格ではありませんが、実施した記録を残すことが推奨されます。

検査証の有効期間

移動式クレーンには「検査証」が交付されます。検査証は製造検査または使用再開検査合格後に交付され、有効期間は2年です。有効期限内に性能検査を受けて検査証の更新をしなければ、移動式クレーンを使用することができません。

項目 内容
検査証の有効期間 2年
有効期間満了前の手続き 性能検査を受けて更新
検査実施機関 登録性能検査機関(または労働基準監督署長)

特定自主検査との違い(フォークリフト等との比較)

フォークリフト等の荷役運搬機械には「特定自主検査」制度がありますが、移動式クレーンの定期自主検査は「特定自主検査」ではありません。移動式クレーンの定期自主検査は事業者自ら行う点で、資格者等への外注が必須とされているわけではありませんが、専門的な知識・技能を持つ者が実施することが望ましいとされています。

試験でよく問われるポイントまとめ

  • 自主検査は年次(1年以内ごとに1回)・月次(1か月以内ごとに1回)・作業開始前の3種類
  • 年次検査の記録は3年間保存
  • 検査証の有効期間は2年
  • 安全装置(巻過防止装置・過負荷防止装置)は月次・作業開始前の両方で確認

自主検査の記録書類と保存義務

定期自主検査は実施するだけでなく、記録を作成・保存することが義務づけられています。

検査の種類 記録の保存期間
年次定期自主検査 3年間
月次定期自主検査 3年間
作業開始前点検 保存義務の規定なし(実施記録を残すことが望ましい)

検査記録には「検査年月日・検査した箇所・検査の方法・検査の結果・検査を実施した者の氏名」を記載します。記録の保存期間を誤りやすいため、年次・月次ともに「3年間」と覚えてください。

検査で異常が見つかった場合の対応

自主検査の結果、異常または異常のおそれがある場合は、補修その他の必要な措置を講じなければなりません。「異常が見つかっても記録だけして使い続ける」ことは許されません。

  1. 異常を発見する
  2. 使用を停止する(状況により)
  3. 補修・交換等の措置を講じる
  4. 再確認して問題がないことを確認してから使用再開する

性能検査と定期自主検査の違い

項目 性能検査 定期自主検査
実施主体 登録性能検査機関(外部機関) 事業者自ら(自主)
目的 検査証の有効期間更新 日常的な安全確認
頻度 2年に1回(有効期間満了前) 年次・月次・作業前
合格・不合格 合否あり(合格で検査証が更新) 合否なし(異常があれば補修)
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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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