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移動式クレーン運転士の試験では、電気に関する問題(「原動機及び電気に関する知識」科目)として、直流・交流の基礎知識が出題されます。電圧・電流・抵抗の関係(オームの法則)や電力の計算、直並列回路の考え方を整理します。
電気の基礎:電圧・電流・抵抗
電気回路の3つの基本量とその関係(オームの法則):
| 量 | 記号 | 単位 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 電圧(起電力) | V(またはE) | V(ボルト) | 電流を押し出す力 |
| 電流 | I | A(アンペア) | 1秒間に流れる電気量 |
| 抵抗 | R | Ω(オーム) | 電流の流れにくさ |
オームの法則:V = I × R
変形すると:I = V ÷ R / R = V ÷ I
例:電圧100V・抵抗25Ωの回路を流れる電流は?
I = 100V ÷ 25Ω = 4A
直列回路と並列回路
抵抗の合成抵抗の求め方:
| 接続方法 | 合成抵抗の計算 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直列接続 | R合 = R1 + R2 + R3 …(単純な足し算) | 各抵抗に同じ電流が流れる。合成抵抗は各抵抗の和より大きくなる |
| 並列接続 | 1/R合 = 1/R1 + 1/R2 + …(逆数の和) | 各抵抗に同じ電圧がかかる。合成抵抗は最小の抵抗値より小さくなる |
例(2つの抵抗を並列):R1=6Ω・R2=3Ωを並列接続した合成抵抗は?
1/R合 = 1/6 + 1/3 = 1/6 + 2/6 = 3/6 = 1/2
R合 = 2Ω
電力と電力量
電力:P = V × I(単位:W・ワット)
オームの法則と組み合わせると:P = I²R または P = V²/R
電力量(使用した電気エネルギーの総量):W = P × t(時間)
単位はJ(ジュール)またはWh(ワット時)、kWh(キロワット時)
交流電気の基礎
クレーンのモーターに供給されるのは交流電力(AC)です。日本の商用電源は周波数が東日本50Hz・西日本60Hzです。交流の電圧は瞬時に変化しており、一般に「実効値」で表します。家庭用100V・工場用200Vの電圧表示はいずれも実効値です。
三相交流は3本の電線(U・V・W相)で電力を伝送する方式で、大型モーターに多用されます。三相誘導電動機の同期速度(Ns)はNs = 120f ÷ P(f:周波数、P:極数)で求めます。
試験でよく問われるポイントまとめ
- オームの法則:V = I × R(変形:I = V÷R R = V÷I)
- 直列接続:合成抵抗 = R1+R2+…
- 並列接続:1/R合 = 1/R1+1/R2+…(合成抵抗は最小値より小さくなる)
- 電力:P = V × I(W)
- 日本の商用電源:東50Hz・西60Hz
オームの法則の応用問題(試験頻出)
V = IR の式から、V・I・R のうち2つがわかれば残り1つを求められます。
| 求めるもの | 式 | 例 |
|---|---|---|
| 電圧 V(V) | V = I × R | 3A × 4Ω = 12V |
| 電流 I(A) | I = V ÷ R | 12V ÷ 4Ω = 3A |
| 抵抗 R(Ω) | R = V ÷ I | 12V ÷ 3A = 4Ω |
電力と熱(ジュール熱)の計算
電力:P(W)= V × I = I² × R = V² ÷ R
例:100V・5Aの電気を使うヒーターの電力 = 100V × 5A = 500W
ジュール熱:Q(J)= P × t(秒)= I² × R × t
電気抵抗が高いほど、電流が大きいほど、時間が長いほど発熱量が大きくなります。電気配線やモーターが過熱する原因として理解しておくと有用です。
クレーンで使われる電気の基礎知識
- 動力用電源:三相交流200V(工場・現場での主電源)
- 制御用電源:単相交流100V・直流24V等(制御回路・PLC等)
- インバータ:周波数を変えてモーターの速度を制御(交流→直流→交流)
- 絶縁管理:電気設備は絶縁抵抗を定期測定し、感電防止を確認する
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