放射線業務の衛生管理。線量限度・測定頻度・防護の3原則

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放射線業務では、電離放射線障害防止規則(電離則)が作業環境測定・特殊健康診断・被ばく線量の管理・防護設備の設置を義務付けています。試験では放射線の種類・被ばく線量の限度値・測定頻度・健診記録の保存期間が出題されます。

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電離放射線の種類

放射線の種類 特徴 主な用途・発生源
α線(アルファ) 透過力:最も弱い(紙1枚で遮断)。内部被ばくでは危険 ラジウム・ウラン崩壊
β線(ベータ) 透過力:α線より強い(アルミ板数mmで遮断) ストロンチウム90・炭素14崩壊
γ線(ガンマ)・X線 透過力:最も強い(厚い鉛・コンクリートが必要) コバルト60・原子炉・医療X線装置
中性子線 物質を放射化する。生体への影響が大きい 原子炉・核実験施設

放射線による健康障害

電離放射線への被ばくによる健康障害は、被ばく量・時間によって急性障害と晩発障害に分かれます。

障害の種類 症状
急性障害(大量被ばく時) 放射線宿酔(悪心・嘔吐)・白血球減少・脱毛・下痢・造血組織障害・死亡
晩発障害(長期低線量被ばく) 白血病・がん(甲状腺がん・乳がん等)・白内障・遺伝的影響

放射線業務従事者の線量限度

電離則第5条では、放射線業務従事者の被ばく線量の限度が定められています(実効線量限度)。

期間・条件 実効線量限度
5年間の累積 100mSv以下
1年間 50mSv以下
妊娠中(腹部表面) 2mSv以下(妊娠の事実を申し出てから出産まで)

電離則の主な義務

作業環境測定(電離則第53条)

放射線業務を行う区域(管理区域)では、1か月以内に1回の作業環境測定が義務付けられています。測定記録の保存期間は5年間です(特定の線種は30年)。

特殊健康診断(電離則第56条)

放射線業務に常時従事する労働者に対して、雇い入れ時・配置転換後・その後6か月以内に1回の健康診断が義務付けられています。健診記録の保存期間は30年間です。

個人線量計の装着

放射線業務従事者は個人線量計(フィルムバッジ・TLD等)を装着して被ばく線量を測定・記録しなければなりません。

管理区域の設定と立入制限(電離則第3条)

放射線の量が一定基準を超える場所は「管理区域」として設定し、関係者以外の立入禁止・境界の明示が必要です。

放射線業務の衛生管理

  • 遮蔽材:X線・γ線には鉛・コンクリートが有効
  • 距離:放射線は距離の2乗に反比例して弱くなる(距離を取ることが重要)
  • 時間:曝露時間を短くするほど被ばく量が減る
  • 遮蔽・距離・時間の「3原則」が放射線防護の基本

試験での出題ポイント

  • 透過力の順:α線<β線<γ線・中性子線(α線が最も弱い)
  • 線量限度:5年100mSv・1年50mSv(「5年100mSvかつ1年50mSv」の両方同時に満たす必要)
  • 作業環境測定:「1か月以内に1回」(他の化学物質の6か月より短い)
  • 健診記録保存:30年間(石綿の40年より短い)
  • 放射線防護の3原則:距離・時間・遮蔽

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出典:
・電離放射線障害防止規則 第3条・第5条・第53条・第56条
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「公表試験問題」(www.exam.or.jp)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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