一級ボイラー技士の試験対策なら、こちらのアプリをご利用ください。
► 一級ボイラー技士 過去問・AI問題集(無料)
水管ボイラーは高温・高圧環境で運転されるため、過熱・クリープ・腐食・疲労といった損傷が発生することがあります。一級ボイラー技士試験の「ボイラーの取扱い」科目で頻出の内容です。損傷の種類・原因・防止策を整理して覚えましょう。
過熱による損傷
水管ボイラーの水管は高温の燃焼ガスにさらされるため、冷却不足が起きると過熱損傷が発生します。
- 原因:缶水循環不良・スケール付着(伝熱阻害)・低水位運転・異常な火炎の当たり
- 症状:水管の膨らみ(バルジング)・変形・最終的には破裂(バースト)
- 防止策:水位管理の徹底・スケール防止のための水処理・循環ポンプの正常運転確認
バルジングとは
水管の一部が局部的に過熱し、金属が軟化してボイラー内圧力によって外側に膨れる現象です。初期段階で発見できれば取替え修繕で対応できますが、放置すると破裂に至ります。定期検査時の目視確認が重要です。
クリープ損傷
クリープとは、金属が高温条件下で一定荷重を受け続けると、時間とともに少しずつ変形する現象です。
- 発生条件:高温(材料の再結晶温度以上)かつ持続的な応力
- 症状:水管の緩やかな変形・最終的には破断
- 防止策:設計温度・圧力の遵守・過熱防止・材料の正しい選定
クリープ損傷は長時間かけて進行するため、定期検査で変形量を計測して管理することが重要です。
腐食による損傷
水管ボイラーの腐食は、発生場所によって缶内腐食(水面下)と外面腐食(燃焼ガス側)に分けられます。
缶内腐食(内面腐食)
- 溶存酸素による腐食:給水中の溶存酸素(O₂)が金属表面を酸化する。点食(ピッチング)が生じる。対策:脱気器による脱気・亜硫酸ナトリウム(Na₂SO₃)等の脱酸素剤添加
- pH管理不良による腐食:缶水が酸性側に傾くと腐食が加速する。JIS B 8223に基づき適切なpH管理が必要
- 電気化学的腐食(異種金属腐食):異なる金属が電解質(缶水)を介して接触すると電位差により腐食が進行する(ガルバニック腐食)
外面腐食(低温腐食)
排ガス温度が硫酸露点温度(約120〜150℃)を下回ると、硫黄分を含む燃焼ガスから硫酸(H₂SO₄)が凝縮して節炭器・空気予熱器などの低温部を腐食します。
- 防止策:排ガス温度を露点より高く維持・給水温度の管理・低硫黄燃料の使用
疲労損傷
繰り返し応力(熱応力・圧力変動)が金属に加わることで発生する損傷です。
- 熱疲労:起動・停止を繰り返すことで、温度変化による熱応力が繰り返し発生し、疲労き裂が進展する
- 振動疲労:ウォーターハンマーや燃焼振動によって配管・水管に繰り返し衝撃が加わる
- 防止策:急激な温度・圧力変化を避ける(昇圧・降圧を緩やかに行う)・ウォーターハンマーの防止
スケールによる過熱(スケール付着損傷)
缶水中のカルシウム・マグネシウム塩が水管内面に析出してスケールを形成すると、熱伝導率が著しく低下します。
- スケール1 mm付着で熱効率が5〜10%程度低下するといわれています(材質・組成によって変動)
- スケールが水管の冷却を妨げ、水管が過熱→バルジング→破裂の原因となる
- 防止策:軟化水の使用・ブローダウンによるスラッジ排出・定期的な洗缶
損傷の早期発見と予防保全
| 損傷種類 | 検出方法 | 点検時期 |
|---|---|---|
| 過熱・バルジング | 目視検査・形状測定 | 定期自主検査時(年1回以上) |
| クリープ | 外径測定・肉厚測定 | 性能検査時(必要に応じ) |
| 腐食(缶内) | 水質検査・缶水分析・内視鏡 | 月1回以上の水質確認 |
| 疲労き裂 | 浸透探傷試験(PT)・磁粉探傷試験(MT) | 性能検査時 |
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・ボイラー構造規格
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
一級ボイラー技士の試験対策なら、こちらのアプリをご利用ください。
► 一級ボイラー技士 過去問・AI問題集(無料)


コメント