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燃焼ガス分析はボイラーの燃焼状態を確認し、空気比を適正に管理するための基本技術です。一級ボイラー技士試験ではオルザット式ガス分析装置の操作手順・各成分の意味・空気比の計算が頻出です。
燃焼ガスの成分
炭化水素系燃料(重油・天然ガス等)を燃焼させると、排ガスには次の成分が含まれます。
| 成分 | 記号 | 意味 |
|---|---|---|
| 二酸化炭素 | CO₂ | 完全燃焼の生成物。多いほど燃焼効率が良い |
| 酸素 | O₂ | 過剰空気の指標。多いほど空気が余分に入っている |
| 一酸化炭素 | CO | 不完全燃焼の指標。COが多いと燃焼不良・熱損失が大きい |
| 窒素 | N₂ | 燃焼には直接寄与しない。残部として計算で求める |
| 水蒸気 | H₂O | 水素の燃焼生成物。乾燥ベース分析では含まれない |
オルザット式ガス分析装置
オルザット式ガス分析装置は乾燥燃焼ガスを3種類の吸収液で順次吸収し、体積変化から各成分の容積百分率を求める化学分析装置です。
吸収液の種類と吸収成分
必ず次の順序で分析します。
- 第1ピペット:水酸化カリウム(KOH)水溶液→CO₂を吸収
- 第2ピペット:ピロガロール(没食子酸)のKOH溶液→O₂を吸収
- 第3ピペット:塩化第一銅(CuCl)のアンモニア水→COを吸収
分析後に残るガスがN₂(+その他不活性ガス)です。
分析手順
- 採取管にサンプルガスを100mLを封入する
- 第1ピペット(KOH溶液)にガスを移して吸収させ、体積変化をCO₂量として読む
- 第2ピペット(ピロガロール)でO₂を吸収・読む
- 第3ピペット(塩化第一銅)でCOを吸収・読む
- 残量をN₂として記録する
操作は室温を一定に保ち、液温変化の影響を排除します。
空気比の計算
空気比(m)は実際に供給した空気量と理論空気量の比です。
m = 実際の空気量 / 理論空気量
排ガス組成から空気比を求める式(CO=0の場合)
排ガス中にCOがない(完全燃焼)場合、次の近似式が使えます(炭化水素系燃料の場合)。
m ≈ N₂% / (N₂% - 3.76 × O₂%)
または簡略式として:
m ≈ 1 + O₂% / (21 - O₂%) × 0.9 (近似)
空気比の例題
排ガス分析結果:CO₂=12%、O₂=5%、CO=0%、N₂=83% のとき:
m ≈ 83 / (83 - 3.76 × 5) = 83 / (83 - 18.8) = 83 / 64.2 ≈ 1.29
空気比1.29は重油燃焼の適正範囲(1.1〜1.3)のほぼ上限で、やや過剰空気です。
CO₂最大値(CO₂max)とその意味
CO₂maxとは、ある燃料を理論空気量(m=1)で完全燃焼させたときに得られるCO₂の最大体積割合です。
- 重油(C重油):CO₂max ≈ 15〜16%
- 天然ガス:CO₂max ≈ 11〜12%(水素含有量が多いため低い)
実際の排ガスCO₂量とCO₂maxを比較することで燃焼効率を直感的に把握できます。
不完全燃焼の判断
COが検出された場合は不完全燃焼が起きていることを示します。CO濃度が高い状態では熱損失が増大するほか、一酸化炭素中毒の危険もあります。適切な空気比を維持してCO≒0を保つことが重要です。
試験対策ポイント
- オルザット吸収液の順序:KOH(CO₂)→ピロガロール(O₂)→塩化第一銅(CO)
- 残ガスがN₂(順番を間違えると正確な分析ができない)
- O₂が多い=過剰空気(空気比大)・CO多い=不完全燃焼
- 空気比の計算はN₂とO₂の値を使う
まとめ
- 燃焼ガス分析で空気比を管理して効率的・安全な燃焼を実現する
- オルザット式:KOH→ピロガロール→塩化第一銅の順に吸収
- 排ガスO₂増加→過剰空気(熱損失大)、CO検出→不完全燃焼
- CO₂max(理論空気量時のCO₂最大値)で燃焼効率を評価できる
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・ボイラー構造規格・JIS B 8223・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
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