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水管ボイラーの起動・停止手順は安全運転の基本です。一級ボイラー技士試験では、正しい手順・注意事項・緊急時対応が出題されます。手順を誤ると爆発・損傷・重大事故につながるため、確実な理解が必要です。
起動前の事前確認(点検項目)
起動前には以下の項目を確認します。
水側確認
- 水面計の水位が規定範囲内(常用水位付近)であることを確認
- 給水弁・給水ポンプが正常に機能することを確認
- 各ドレン弁・ブロー弁が閉じていることを確認
- 安全弁が正常であることを確認(固着・詰まりがないこと)
燃焼側確認
- 燃料系統の弁の開閉状態を確認
- 油バーナーの場合:油温・油圧が適正であることを確認(重油はA重油50〜60℃程度、C重油は使用粘度に合わせた加熱温度)
- 点火装置(パイロットバーナー・電気点火装置)が正常であることを確認
- 通風装置(ファン)が正常に起動できることを確認
電気・計器確認
- 各計器(圧力計・水面計・温度計)の表示を確認
- 自動制御装置(燃焼制御・給水制御)が正常であることを確認
- 各インターロック(保護装置)が正常であることを確認
起動手順(重油バーナーの場合)
1. プレパージ(炉内換気)
点火前に炉内・煙道内の未燃ガスをファンで排出します。ボイラー安全規則では「点火前に換気を行う」ことが求められており、換気量の目安は炉・煙道内容積の数倍以上とされています。プレパージを怠ると点火時に爆発(炉内爆発)が発生する危険があります。
2. パイロットバーナーによる点火
小さなパイロットバーナー(または電気点火装置)で着火後、主バーナーへの燃料を供給します。炎検出器(フレームアイ)で燃焼を確認します。
3. 低燃焼状態での昇圧
いきなり高負荷にするとサーマルショック(熱衝撃)が起きます。冷態起動では低燃焼で徐々に昇圧します。
- 起動初期は蒸気が発生するまで蒸気弁を閉じた状態で昇圧
- 水面計・圧力計を頻繁に確認しながら昇圧
- 安全弁の設定圧力に達するまで漸次昇圧
4. ドレン排出
蒸気管内に滞留した凝縮水(ドレン)を排出してからメインスチームバルブを開きます。ドレン排出を怠ると蒸気管内でウォーターハンマーが発生します。
5. 系統への送気
メインスチームバルブを徐々に開いて系統へ送気します。急激に開くとウォーターハンマーが発生します。
定常運転中の管理
- 水面計の水位を定期的に確認(毎時1回以上の確認が慣行)
- 圧力計・蒸気温度計・排ガス温度計を確認し、異常値がないことを確認
- 連続ブローで缶水の清浄度を維持
- 自動制御装置の動作状況を確認(燃焼・給水の自動切換え)
停止手順
通常停止
- 負荷を徐々に減らし、燃焼量を絞る
- 燃料供給を停止してバーナーを消火
- ポストパージ:炉内・煙道内の残留ガスをファンで排出(プレパージと同様に実施)
- 蒸気弁を閉じて系統を切り離す
- 圧力が下がったらドレン弁・ブロー弁の操作
- 圧力がゼロになり缶水温度が十分下がってから給水系統を停止
緊急停止条件(ボイラー安全規則 第23条等)
- 水位が安全低水面以下に下がったとき
- 圧力が最高使用圧力を超えたとき
- 安全弁が作動しても圧力が下がらないとき
- 給水装置が故障して給水できないとき
- ボイラーに異常な振動・音が発生したとき
試験ポイント
- プレパージは点火前の必須操作(炉内爆発防止)
- 起動時は低燃焼から徐々に昇圧(サーマルショック防止)
- ドレン排出後にメインスチームバルブを開く(ウォーターハンマー防止)
- 緊急停止条件:安全低水面以下・最高使用圧力超え等
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
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