液体燃料バーナーの種類と霧化方式(噴霧式バーナー)

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液体燃料(重油・軽油)をボイラーで燃焼させるには、燃料を細かい霧状にして空気と均一に混合させる必要があります。この「霧化(アトマイジング)」を行う装置が噴霧式バーナーです。二級ボイラー技士試験では各バーナーの霧化方式と特徴が出題されます。ガスバーナーとの比較問題にも応用できます。

液体燃料の霧化(アトマイジング)が必要な理由

液体燃料は固体・気体燃料と異なり、そのままでは燃焼しません。燃焼させるには次の条件が必要です。

  • 燃料を細かい液滴(霧)にして表面積を大きくする
  • 霧化した液滴を燃焼用空気と均一に混合させる
  • 混合気を燃焼温度以上に加熱し、火炎を安定させる

液滴が細かいほど蒸発・燃焼が速く、燃焼効率が上がります。これが霧化の目的です。

主な霧化方式と代表的なバーナー

霧化方式 代表バーナー 原理
圧力噴霧式 圧力噴霧バーナー(ガンタイプ・オイルガンバーナー) 燃料油をポンプで高圧(0.5〜1.5 MPa程度)に加圧し、細孔(ノズル)から噴出させて霧化する
空気噴霧式 空気噴霧バーナー 高圧空気または低圧空気を燃料流に吹きつけて霧化する
蒸気噴霧式 蒸気噴霧バーナー ボイラー自身の蒸気を燃料流に吹きつけて霧化する。大型・中型ボイラーに使用
回転式(ロータリー) ロータリーカップバーナー(回転式バーナー) 電動モーターで高速回転するカップに燃料を供給し、遠心力で霧化する

各方式の特徴と使い分け

圧力噴霧式(プレッシャーアトマイジング)

  • 構造がシンプルでメンテナンスしやすい
  • 燃料の圧力を変えることで流量(燃焼量)を調整する
  • ターンダウン比(最大燃焼量/最小燃焼量)が小さい。燃焼量の調整範囲が狭い
  • 低負荷時に霧化が粗くなり燃焼不良になりやすい
  • 小型〜中型ボイラーに適する

蒸気噴霧式(スチームアトマイジング)

  • ボイラー運転中の蒸気を使用するため、蒸気圧力が必要(起動時は蒸気がないため使えない)
  • 霧化が細かく均一で燃焼効率が高い
  • 燃料流量の調整範囲が広い(ターンダウン比が大きい)
  • 大型・中型の重油焚きボイラーに使用。C重油など高粘度燃料でも対応可能

空気噴霧式(エアアトマイジング)

  • 高圧空気(コンプレッサー空気)を使う方式と、燃焼用空気の一部を使う方式がある
  • 蒸気がない起動時から使えるメリットがある
  • 霧化が細かく燃焼効率が高い
  • 小型〜中型ボイラー・灯油バーナーに使用

回転式(ロータリーカップ)

  • 遠心力で霧化するため、高粘度油でも均一な霧化が可能
  • 燃焼量の調整がしやすい(ターンダウン比が大きい)
  • 回転部品があるため振動・騒音・メンテナンス頻度がやや高い
  • 中型〜大型ボイラーに使用

バーナーの燃焼量調整方式

バーナーの燃焼量(熱入力)の調整方式には次のものがあります。

調整方式 内容 特徴
オン/オフ制御 燃焼の全開と停止を繰り返す シンプル。小型ボイラーに多い。起動・停止の繰り返しで部品が消耗しやすい
ハイ/ロー制御(2段燃焼) 高燃焼と低燃焼の2段階に切り替える 変動が小さい。中型ボイラーに多い
比例制御(スライディング制御) 燃焼量を連続的に調整する 最も安定。精密な制御が必要な大型ボイラーに使用

C重油の予熱と霧化の関係

C重油は常温では粘度が高く、そのままではポンプで送れず霧化もできません。適切な温度に予熱して粘度を下げる必要があります。

  • C重油の霧化に適した粘度は概ね 20〜25 cSt(センチストークス)程度
  • この粘度にするためには通常 80〜105℃ 程度に予熱が必要(種類による)
  • 予熱温度が高すぎると引火点を超えるリスクがあるため、温度管理が重要
  • 予熱が不足すると霧化が粗くなり、すすの発生・燃焼不良・バーナー詰まりの原因になる

試験で間違えやすいポイント

  • 「蒸気噴霧式バーナーはボイラー起動時から使える」は誤り。起動時は蒸気がないため使えない(起動は他の方式で行う)
  • 「圧力噴霧式はターンダウン比が大きく燃焼量の調整が容易」は誤り。圧力噴霧式はターンダウン比が小さく調整範囲が狭い
  • 「ロータリーカップバーナーは蒸気噴射で霧化する」は誤り。遠心力(回転するカップ)で霧化する
  • 「C重油は予熱なしで霧化できる」は誤り。高粘度のため適正温度への予熱が必須

この記事のまとめ

  • 液体燃料バーナーは「霧化」方式によって圧力噴霧式・蒸気噴霧式・空気噴霧式・回転式(ロータリー)に分類される
  • 蒸気噴霧式:霧化が均一・ターンダウン比大きい。ただし起動時(蒸気なし)は使えない
  • 圧力噴霧式:シンプル・小型向け。ターンダウン比が小さく低負荷に弱い
  • C重油は粘度が高いため80〜105℃に予熱して使用する

出典:ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov法令検索)・ボイラー構造規格(昭和47年労働省告示第33号)・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月

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