二級ボイラー技士試験【逆火】原因・防止策・プレパージとポストパージ

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逆火(バックファイア)は、燃焼炎がバーナーの内部に引き込まれる現象です。爆発的な燃焼が起きてバーナーや炉体を損傷するため、ボイラー運転における重大な事故の一つです。試験では逆火の原因・防止対策・プレパージ(点火前換気)・ポストパージ(消火後換気)の目的が繰り返し問われます。

逆火とはどういう現象か

通常の燃焼では、炎はバーナーの先(炉内側)で安定して燃焼します。ところが燃料ガスの流速がある条件を下回ったり、炉内に残留ガスが充満した状態で点火されると、炎がバーナーノズルの内部や燃料供給管側に引き込まれます。これが逆火です。

  • 逆火が起きると:バーナーノズルの損傷、燃料ガス配管内での着火、爆発的な燃焼音(バンッという音)が発生する
  • 特に危険な状況:消火後に残留ガスが炉内に充満しているときに誤って再点火した場合。炉内爆発につながる

逆火の主な原因

逆火が発生する原因は複数あります。試験では「どの状況が逆火につながるか」という選択問題が頻出です。

  • 燃料ガスの流速不足:ガスの供給圧力が低下したり、バルブ開度が小さすぎると流速が下がり、炎が逆流しやすくなる
  • 燃料と空気の混合比が不適切:ガスが濃すぎる(空気不足)または薄すぎると、安定した燃焼が維持できず逆火が起きやすい
  • バーナー先端の過熱:バーナーノズルが過熱されると、噴出するガスが早期に着火して逆火につながる
  • 炉内に残留ガスが充満した状態での点火:パージ不足のまま点火すると、炉内の濃厚なガス混合気に一気に点火されて爆発的燃焼が起きる
  • 急激な負荷変化:燃焼量を急激に絞ったとき、ガス流速が急降下して逆火が起きることがある

プレパージ(点火前換気)の目的と方法

プレパージ(pre-purge)は、ボイラーに点火する前に炉内と煙道の残留ガスを新鮮な空気で置き換える作業です。残留ガスが残ったまま点火すると炉内爆発が起きるため、安全な点火の絶対条件です。

  • 目的:前回の運転で炉内に残った燃焼ガス(CO・未燃ガス)と、ガス燃料使用時の残留ガスを除去する
  • 方法:送風機(ファン)で炉内容積の4〜5倍以上の空気量を送り込んで換気する
  • 時間の目安:少なくとも数分間(炉の容積と風量によって異なる)送風を続ける
  • パージが不十分な場合の危険:残留ガスが爆発下限界以上の濃度を保っていれば、点火と同時に炉内爆発が起きる

プレパージは「面倒だから省く」ことは絶対に許されません。安全規則上もパージを行ってから点火することが定められています。

ポストパージ(消火後換気)の目的

ポストパージ(post-purge)は、ボイラーを消火した後に炉内と煙道の残留ガスを換気する作業です。

  • 目的1:消火後に炉内に残留している未燃ガスを外部に排出し、次回点火時の残留ガス爆発を防ぐ
  • 目的2:消火後も炉内の高温部分が残っているため、ガスが自然発火するのを防ぐ
  • 方法:消火後も一定時間(数分間)送風機を動かして換気する

炉内爆発(バックファイア・炉内爆発)との違い

試験では「逆火」と「炉内爆発」が区別されることがあります。

  • 逆火(バックファイア):炎がバーナー内部に引き込まれる現象。バーナーの破損が主な被害
  • 炉内爆発(ファーネスエクスプロージョン):炉内に充満した可燃性ガス混合気が一気に燃焼する現象。炉体・煙道全体に影響する大規模な損傷につながる
  • 共通の防止策:プレパージの徹底・パージ不十分での点火操作の禁止・ガス漏れ確認

安全装置:フレームアイ(火炎検出器)

ガスボイラーや重油ボイラーには、炎の有無を自動検出する「フレームアイ(火炎検出器)」が設置されています。

  • 着火確認:点火操作後に所定時間内に炎が確認されない場合、自動的に燃料供給を遮断する
  • 失火検出:運転中に炎が消えた(失火した)場合も燃料供給を遮断する。これにより未燃ガスの炉内充満を防ぐ
  • 種類:紫外線式・光電管式・フレームロッド式などがある

試験頻出ポイントと誤りやすい箇所

  • 逆火の最大の原因は「燃料ガスの流速不足」または「炉内残留ガスへの点火」
  • プレパージの目的:点火前に残留ガスを除去して炉内爆発を防ぐ
  • ポストパージの目的:消火後に残留ガスを除去して次回点火時の爆発を防ぐ
  • 「パージは時間の無駄だから省いてよい」→ 誤り。安全上の絶対条件
  • フレームアイが作動しない(炎を検出しない)場合は燃料を遮断する

この記事のまとめ

逆火は炎がバーナー内部に引き込まれる現象で、燃料ガス流速の低下・炉内残留ガスへの点火が主な原因です。プレパージ(点火前)は炉内残留ガスを除去して炉内爆発を防ぐために必須です。ポストパージ(消火後)は次回点火時の安全確保が目的です。フレームアイは失火・着火失敗を検出して燃料を自動遮断します。試験ではプレパージとポストパージの目的の区別・逆火の原因・防止策が繰り返し出題されます。


出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題・ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov法令検索)
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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