就労移行支援の企業実習研修、実習依頼から記録・評価まで職員が動く手順。

就労移行支援の企業実習研修、実習依頼から記録・評価まで職員が動く手順。 就労移行支援





就労移行支援の企業実習研修、実習依頼から記録・評価まで職員が動く手順。

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就労継続支援B型には「企業実習」という仕組みがありません。就労移行支援の企業実習は、利用者が就職前に実際の職場で働く経験を積む場面であり、事業所の外で行われる支援のなかで最も準備と記録が必要な場面です。

指定基準第180条は、指定就労移行支援事業者が「就労移行支援計画に基づいて実習できるよう、実習の受入先を確保しなければならない」と定めています。企業実習は義務として組み込まれており、実習の受入先確保から実習後の評価まで職員が手順を持つことが求められます。この記事では、就労移行支援の企業実習研修で確認すべき内容を整理します。

企業実習の位置づけ(第180条)

第180条第1項は、就労移行支援事業者が就労移行支援計画(第184条で準用する第58条)に基づいて実習できるよう、実習の受入先を確保する義務を定めています。

第180条第2項は、実習の受入先確保にあたって、公共職業安定所・障害者就業・生活支援センター・特別支援学校等の関係機関と連携し、利用者の意向と適性を踏まえて行うよう「努めなければならない」(努力義務)と定めています。

条文 内容 義務の強さ
第180条第1項 就労移行支援計画に基づいて実習できるよう、実習の受入先を確保する 義務(しなければならない)
第180条第2項 関係機関と連携し、意向・適性を踏まえて受入先を探す 努力義務(努めなければならない)

企業実習の種類と目的

企業実習の形態は事業所ごとに異なりますが、目的に応じて段階を分けることが多いです。研修では、自事業所の実習の種類と各段階の目的を職員間で共有します。

段階 主な目的 期間の目安
体験実習(短期) 職場環境・業務内容・人間関係を体験する。就職目標の職種が自分に合っているか確認する 1〜3日
評価実習(中期) 就職を前提に、就職に必要な能力・体力・通勤継続性を評価する 1〜2週間
採用前実習(長期) 採用を前提に、企業側が雇用可否を判断するための実習 1か月程度

企業実習の流れと職員が行う手順

実習前の準備

  1. 利用者との目標確認:就労移行支援計画の就職目標と実習の目的が一致しているか確認する(第184条準用の第58条)
  2. 実習先企業との事前打ち合わせ:業務内容・勤務時間・担当者名・緊急時の連絡先を確認する。利用者の障害特性と配慮事項を、本人の同意を得た上で伝える
  3. 利用者への実習ルールの説明:遅刻・欠勤時の連絡方法・困ったときのサイン(企業側への相談か事業所への連絡か)を事前に決めておく
  4. 実習中の訪問・連絡の頻度を決める:短期実習は毎日終了後に確認、長期実習は週1回以上の訪問を目安にする

実習中の職員の動き

  • 実習先への訪問:利用者の様子・企業担当者の所感を確認する。困っていることがあれば即日サービス管理責任者に報告する
  • 利用者への終了後確認:その日の業務の内容・困ったこと・気になった点を聞く。聞いた内容は実習記録に残す(当日中)
  • 体調急変時の対応:外出先での急変は事業所への連絡→サービス管理責任者への報告の流れを事前に確認しておく(第184条準用の第40条・事故発生時の対応)

実習後の評価と記録

  • 企業担当者からのフィードバック:業務への取り組み方・コミュニケーション・時間管理について確認する。フィードバックは利用者本人に伝え、次の実習・就職活動につなげる
  • 利用者の自己評価:実習前に立てた目標を達成できたか・続けられそうかを利用者自身が振り返る
  • 就労移行支援計画の見直し:実習の結果をモニタリングの材料として個別支援計画に反映させる(第184条準用の第58条)

実習記録に残す内容

企業実習の記録は、運営指導で確認される書類のひとつです。最低限、次の内容を記録します。

記録項目 内容の例
実習先企業名・業種・担当者名 ○○株式会社(事務職)・担当 ××様
実習期間・勤務時間 〇年〇月〇日〜〇月〇日・9:00〜16:00
実習の目標 通勤継続性の確認・データ入力業務の適性確認
実習中の様子(日誌または週次まとめ) 企業担当者の評価・本人の自己評価・気になった出来事
実習後の評価と次のステップ 採用を見込んで長期実習へ移行 / 業種・職種の再検討が必要

研修で確認する3つのこと

  1. 実習の受入先確保は就労移行支援計画と連動して行うことを確認する:利用者の意向と適性に合った実習先を探すために関係機関(ハローワーク・障害者就業・生活支援センター等)と連携する手順を全職員で共有する
  2. 実習中の職員の動き方(訪問頻度・確認項目・急変時の連絡手順)を確認する
  3. 実習記録は当日中に作成するルールを確認する:外出場面の記録漏れが運営指導で指摘されやすいため、外出専用の記録票に当日中に書くルールを統一する

まとめ

就労移行支援の企業実習は、就労移行支援計画に基づいて受入先を確保する義務(第180条第1項)があります。体験実習・評価実習・採用前実習の段階を分け、それぞれの目的を明確にします。実習前の打ち合わせ・実習中の訪問確認・実習後の評価と記録まで職員が手順を持つことで、利用者の就職活動が確実に前に進みます。

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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第180条・第181条。企業実習の具体的な要件と運用は指定権者の案内で確認してください。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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