就労移行支援の非常災害訓練、外出中・実習中の利用者の安否確認が固有の課題。
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就労移行支援では、非常災害に備えた訓練を定期的に実施する義務があります(指定基準第70条・第184条で準用)。就労移行支援固有の状況は、「ハローワーク同行中」「企業実習中」「面接同行中」という、利用者が事業所の外にいる時間が生活型サービスより多い点です。事業所内の避難訓練だけでなく、外出中の利用者の安否確認手順も訓練に含めることが実務上重要です。実務では年2回以上の実施が一般的ですが、具体的な回数は指定権者の案内で確認してください。
非常災害対策の根拠と義務の内容
指定基準第70条(非常災害対策)は、事業者に次の義務を定めています。
| 義務の内容 | 要旨 |
|---|---|
| 非常災害対策計画の策定 | 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的計画を立てなければならない |
| 訓練の定期実施 | 非常災害時の関係機関への通報および連携体制を整備し、定期的に従業者に対し訓練を行わなければならない |
| 地域住民等の参加推進 | 避難・救出訓練については、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない |
BCP(業務継続計画)の訓練(第33条の2)とは別カウントです。ただし同日に合わせて実施することは認められており、記録はそれぞれ目的と内容を分けて残します。
就労移行支援の訓練で想定すべき固有の場面
ハローワーク・面接同行中の災害
就労移行支援ではハローワーク同行・企業面接の同行を行います。同行中に大地震や交通機関の停止が発生した場合、職員と利用者が事業所に戻れなくなる可能性があります。「外出中の職員・利用者が事業所に連絡できない場合の確認手順」と「集合場所・帰宅方法の事前取り決め」を、訓練の想定シナリオに加えます。
企業実習中の利用者の安否確認
企業実習中は利用者が実習先企業にいます。大規模災害が発生したとき、事業所から「実習先にいる利用者が無事かどうか」を確認する手順が必要です。実習先企業の緊急連絡先・担当者の氏名と連絡方法を実習前に記録しておき、訓練で実際に確認する手順を練習します。
個別の避難配慮
就労移行支援の利用者の中には、突然の警報音・放送・避難誘導の変更に強い反応を示す方がいます。訓練では個々の利用者の反応を把握し、担当職員が対応方法を把握しておくことが求められます。個別の避難配慮事項は個別支援計画に記載しておくと、非常勤職員や引き継ぎ時の周知に役立ちます。
事業所内の訓練
事業所内の避難訓練では、訓練中に利用者が強いパニックを示した場合の対応・訓練を一時中断するかどうかの基準も含めて職員間で共有しておきます。「訓練だと分かっていても怖い」という利用者には、事前に訓練の内容・手順・終わるタイミングを視覚的に説明することが有効です。
訓練の計画と記録
訓練実施後は記録を作成します。記録には次の項目を含めます。
- 実施日時・場所・想定シナリオ(火災・地震・風水害など)
- 参加者全員の名前(職員・利用者)
- 避難完了時間と手順
- 外出中・実習中の利用者の安否確認訓練を行った場合はその記録
- 反省点・改善事項
- 次回訓練への引き継ぎ事項
年2回の訓練を年間計画に組む
| 時期 | 訓練内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 7月ごろ | 火災・地震避難訓練(第1回)+BCP訓練(合わせて実施) | 台風・大雨シーズン前に実施。外出中の安否確認手順も確認 |
| 12月ごろ | 火災避難訓練(第2回) | 乾燥季節・暖房器具使用が増える時期に合わせて実施 |
まとめ
就労移行支援の非常災害訓練は定期的な実施が義務(指定基準第70条)です。就労移行支援では、ハローワーク同行中・企業面接同行中・企業実習中という「事業所の外に利用者がいる」場面が多いため、外出中の安否確認手順を訓練に組み込むことが重要です。訓練後の記録には実施日時・参加者・反省点を含め、BCP訓練(別義務・年1回以上)と合わせて年間計画に組み込みます。
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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第70条(非常災害対策)・第33条の2(業務継続計画)(第184条で準用)。解釈通知(障発第1206001号)。訓練の実施方法・記録様式は指定権者の案内を確認してください。


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