設置済みの消火器の設置場所を変更する・設置個数を減らす・廃棄して撤去する等の変更を行う場合は、消防法の届け出義務が生じる場合があります。変更の規模・内容によって「整備」の範囲か「変更工事」に当たるかが変わり、必要な手続きが異なります。
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▶ 消防設備士 乙種第6類 問題集
消火器の設置変更が「工事」に当たる場合
消防法では、消防設備の「設置に係る工事」は消防設備士甲種の業務とされています(消防法第17条の5)。消火器の「設置場所の変更・増設・撤去」等が「工事」に当たる場合は、甲種消防設備士(または設備に応じた甲種の類)が行い、着工届(着工10日前・消防法第17条の14)と設置届(完了後4日以内・消防法第17条の3の2)の手続きが必要です。
実務上、消火器の設置場所移動等は「工事」として扱われる場合と、軽微な変更として整備の範囲とみなされる場合があります。管轄の消防署に事前に確認することが最も確実です。
消防法第17条の2の5(既存防火対象物への特例)
建物の用途変更・増築・改築・大規模修繕等を行った場合、消防設備の設置基準が変わることがあります(消防法第17条の2の5)。設置基準が変わったにもかかわらず消火器の設置本数・配置を変更しないと、消防設備の維持・管理義務(消防法第17条)違反になります。
用途変更・増改築の際は消防署への相談と確認申請が必要です。
設置場所を変更する際の注意点
消火器の設置場所を変更する場合は、変更後の配置が消防法施行規則第6条の基準を満たしているかを確認します。
- 歩行距離20m以下(大型消火器は30m以下)
- 設置高さ1.5m以下(床から消火器上端まで)
- 消火器が見えやすく・取り出しやすい場所(障害物の後ろ・鍵のかかった場所への設置は不可)
- 湿気・腐食性ガスにさらされない場所(屋外設置の場合はボックス収納等が必要)
設置本数を減らす場合(撤去)の考え方
設置本数を減らす際は、次の条件が満たされているかを確認します。
- 能力単位の算定上、残りの消火器で必要な能力単位を賄えるか(消防法施行令第10条第2項)
- 全エリアから歩行距離20m以内に消火器が残るか(消防法施行規則第6条)
- 地階・無窓階・3階以上の50㎡以上の部分に最低1本は残るか
これらの条件を満たさない場合は設置本数を減らせません。勝手に撤去すると消防法違反となります。
廃棄・撤去後の消防署への報告
消火器の廃棄・撤去後は、次回の点検結果報告時に撤去した消火器の情報を点検票に反映します。設置変更の規模によっては消防署から指摘を受ける場合もあります。事前・事後の消防署への連絡・相談が無用なトラブル防止になります。
消火器の廃棄処分(リサイクル)の手続き
撤去した消火器は廃棄物として勝手に処分することはできません。消火器リサイクルシステム(消防設備リサイクル推進協議会が運営する専用ルート)を利用します。
- 特定窓口(消防設備業者・販売店)への持ち込み
- ゆうパックによる回収
- 指定引取場所(メーカー等)への持ち込み
まとめ
消火器の設置場所変更・撤去は規模によって「整備」または「工事」の扱いとなります。工事に当たる場合は着工届(10日前・消防法第17条の14)と設置届(完了後4日以内・消防法第17条の3の2)が必要です。変更後の配置が歩行距離20m以下・設置高さ1.5m以下等の基準を満たすか確認します。廃棄する消火器は消火器リサイクルシステムを通じて適切に処分します。変更の内容が工事に当たるか整備かは管轄消防署に確認することをおすすめします。
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