消防設備士 1類に関係する法令の全体像。消防法・施行令・施行規則・規格省令の役割分担

消防設備士 1類に関係する法令の全体像。消防法・施行令・施行規則・規格省令の役割分担 資格

消防設備士第1類の試験には「法令(共通)」と「法令(第1類)」の2科目があります。勉強を始めた方が最初に戸惑うのが「消防法・政令・省令・規則・告示のどれに何が書いてあるか」という構造の把握です。この記事では、消防法・施行令・施行規則・規格省令の役割分担と、第1類の試験で使う主な条文の場所を整理します。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 第1類 問題集

消防法令の体系と役割分担

消防設備の法令は「消防法(法律)→消防法施行令(政令)→消防法施行規則(省令)→規格省令・告示」の階層構造になっています。

法令の種類 定めていること 制定主体
消防法(法律) 消防設備の設置義務・消防設備士制度・罰則など基本的なルール 国会
消防法施行令(政令) 設置が必要な建物の用途・延べ面積などの設置基準の大枠 内閣
消防法施行規則(省令) 設備の技術的な基準(配管・ポンプ・ヘッドの設置方法など)の詳細 総務大臣
規格省令(各種) 消防設備の部品・機器(ヘッド・感知器等)の規格・構造・性能 総務大臣

試験の法令問題では、どの法令のどの条文が根拠かを問う問題が出ます。「設置義務の面積は施行令」「技術基準の詳細は施行規則」「機器の規格は規格省令」という対応関係を把握しておくと、条文を探しやすくなります。

消防法の主な条文(第1類に関係するもの)

消防法(法律)は消防設備士制度の基本ルールを定めています。

条文 内容
第17条 消防設備等の設置・維持義務(建物関係者が設置する義務)
第17条の2 消防設備等の特例(総務大臣が認める性能評価等)
第17条の3の3 消防設備等の定期点検・報告義務(1年に1回点検・3年に1回報告)
第17条の5 消防設備士でなければできない工事・整備(独占業務)
第17条の6 消防設備士免状の交付・書換え・再交付
第17条の8 消防設備士免状の返納命令
第17条の10 消防設備士講習(法定講習)の受講義務

消防法施行令の主な条文(第1類に関係するもの)

施行令は「どの建物に消防設備を設置しなければならないか」の基準を定めています。

条文 内容
第11条 屋内消火栓設備の設置義務がある建物の用途・面積
第12条 スプリンクラー設備の設置義務がある建物の用途・面積・階数
第4条の3 甲種消防設備士の受験資格(学歴・実務・保有資格)
第36条 消防設備士試験の実施に関する規定

施行令第11条・第12条の具体的な数値(延べ面積・階数の基準)は設置基準の記事で確認できます。
→ 屋内消火栓とスプリンクラー、設置義務がある建物はどこか。施行令第11条・第12条を整理する

消防法施行規則の主な条文(第1類に関係するもの)

施行規則は「設備をどのように設置・維持するか」の技術的な詳細を定めています。第1類では最も多くの条文が関係します。

条文 内容
第12条 屋内消火栓設備の技術基準(放水量・水平距離・水源水量等)
第13条〜第14条 スプリンクラー設備の技術基準(ヘッドの配置・水源水量・ポンプ等)
第13条の2 スプリンクラーヘッドの設置間隔・感知面積
第33条の3 実技試験の合格基準(60%以上)
第12条の2 消防設備士試験の科目免除に関する規定

科目免除(他の消防設備士免状・電気工事士による免除)の条件は、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 第1類の科目免除。消防設備士の他類・電気工事士で何が省けるか

規格省令(機器の規格を定めるもの)

消防設備の機器・部品の構造・性能は、個別の規格省令(総務省令)で定められています。第1類で関係する主な規格省令は次のとおりです。

規格省令の名称 定めていること
スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令 ヘッドの構造・作動温度・色(ガラスバルブ)・放水量
加圧送水装置の技術上の規格を定める省令 ポンプ・加圧水槽・高架水槽の性能基準
流水検知装置の技術上の規格を定める省令 アラーム弁・乾式弁・予作動弁の構造・性能

試験では「ヘッドの色と作動温度はどの法令で定められているか」という問いも出ることがあります。答えは「スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令(規格省令)」です。施行規則とは別の法令であることを覚えておきます。

政令別表第1(建物の用途分類)

施行令第11条・第12条で設置義務が定められる「建物の用途」は、消防法施行令別表第1で(一)項から(二十)項まで分類されています。試験では「(一)項イ=劇場等」「(六)項ロ=病院等」「(十二)項=工場等」という用途と項目番号の対応が問われることがあります。

主な用途と項目の対応はこちらの記事でまとめています。
→ 消防設備士 1類で覚える数字のまとめ。法令・設置基準・規格を条文つきで

まとめ

第1類の法令は「消防法(法律)→施行令(政令)→施行規則(省令)→規格省令」の階層で構成されています。設置義務の大枠は施行令、技術基準の詳細は施行規則、機器の規格は規格省令が根拠です。試験の法令問題では、条文の内容だけでなく「どの法令に何が書いてあるか」まで把握しておくと正確に解答できます。条文を確認する際はe-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/)で原文を参照することをおすすめします。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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