漏電火災警報器を設置するとき、変流器を何台用意すればよいかは、建物の電路の本数で決まります。設置台数の計算ルールは試験にも出題されますが、実務でも基本となる考え方です。1変流器1電路の原則から、複数引込がある建物の対応まで整理します。
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▶ 消防設備士 乙種第7類 問題集
変流器は警戒する電路1回路につき1台が基本
漏電火災警報器の変流器(零相変流器・ZCT)は、1台で警戒できる電路が1回路です。1つの電路に1台の変流器を設置するのが基本ルールです(消防法施行規則第24条の2)。
これは変流器の検知の仕組みによるものです。変流器に往路と帰路の両電線を通して、電流の差(漏洩電流)を検知します。複数の電路の電線をまとめて1台の変流器に通すことはできません。電路ごとに変流器を1台用意する必要があります。
建物の引込が1本なら変流器は1台
電力会社から建物への引込電線が1本だけの場合、変流器は引込口に最も近い箇所(施行規則第24条の2第1項第4号)に1台設置します。受信機は変流器と接続して1セットで機能します。
最もシンプルな構成は次のとおりです。
| 設備 | 台数 | 設置箇所 |
|---|---|---|
| 変流器 | 1台 | 引込口に最も近い箇所 |
| 受信機 | 1台 | 常時人がいる場所 |
| 音響装置 | 1台 | 受信機に内蔵または外付け |
引込が複数ある建物は引込の数だけ変流器が必要
工場や大型施設など、電力の引込が複数ある建物では、引込ごとに変流器を設置します。引込が2本であれば変流器2台、3本であれば3台が必要です。
受信機は1台で複数の変流器と接続できます。引込が3本ある建物でも、受信機は1台で3台の変流器を管理する構成が一般的です。変流器の台数と受信機の台数は必ずしも一致しません。
| 引込の本数 | 変流器の台数 | 受信機の台数 |
|---|---|---|
| 1本 | 1台 | 1台 |
| 2本 | 2台 | 1台(2台分を管理) |
| 3本 | 3台 | 1台(3台分を管理) |
定格電流100Aを超える電路には変流器を設置できない
変流器が警戒できる電路には定格電流の上限があります。定格電流が100Aを超える電路には、漏電火災警報器の変流器を設置できません(規格省令第5条)。
100Aを超える大電流の電路では、変流器の感度・性能が規格の範囲を超えるためです。このような電路の漏電は、別の手段(漏電遮断器など)で対応します。
逆に言えば、漏電火災警報器が設置義務のある建物(消防法施行令第22条)でも、定格電流100A超の主幹電路しかない場合は、分岐した後の電路で定格100A以下の回路に変流器を設置する方法を検討することになります。
分岐回路に変流器を設置する場合の台数の考え方
引込の主幹電路の定格電流が100Aを超えていても、主幹から分岐した支線電路が100A以下であれば、その分岐電路に変流器を設置できます。
この場合、変流器を設置する電路の本数だけ変流器が必要です。分岐が3回路あって、そのうち警戒する電路が2回路であれば変流器は2台です。設置する電路の選定と台数は、建物の電気設備の構成によって変わります。
試験で設置台数が問われるときのポイント
試験では、建物の引込本数や電路の構成から「変流器は何台必要か」を問う問題が出ます。判断の基準になる考え方は次の3点です。
- 1変流器1警戒電路の原則(電路の本数=変流器の最低必要台数)
- 受信機1台で複数変流器を管理できる(受信機台数は変流器台数に従属しない)
- 定格電流100A超の電路は警戒不可(規格省令第5条)
問題文に「引込口が2か所」とあれば変流器2台が基本の答えです。「受信機は何台か」と別に問われる場合は、1台で対応できることを確認します。
設置台数の計算ルールまとめ
| 判断基準 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 変流器の台数 | 警戒電路1回路につき1台 | 施行規則第24条の2 |
| 受信機の台数 | 1台で複数変流器を管理可 | (設計上の原則) |
| 設置できる電路 | 定格電流100A以下の電路のみ | 規格省令第5条 |
| 設置位置 | 引込口に最も近い箇所 | 施行規則第24条の2第1項第4号 |
| 電線の通し方 | 往路・帰路の両電線を通す | 施行規則第24条の2第1項第3号 |
設置台数の計算は「電路の本数=変流器の台数」と覚えておくと、試験問題でも実務でも判断しやすくなります。受信機は変流器の台数に関係なく1台で対応できるケースがほとんどです。
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