漏電火災警報器の整備の手順と使う工具。絶縁抵抗測定・作動試験の進め方

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消防設備士 乙種第7類の試験では、「工事整備対象設備等の整備の方法」が実技試験(鑑別)と筆記試験(構造・機能及び工事・整備)の両方に関わります。整備作業の具体的な手順・使う工具・合否判定の基準を整理します。

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▶ 消防設備士 乙種第7類 問題集

乙7の整備は消防法第17条の5に基づく独占業務

漏電火災警報器の整備(交換・修理・調整)を行うには、消防設備士乙種第7類の免状が必要です(消防法第17条の5)。無資格者が整備を行うことは禁止されています。

整備の対象となる機器は、受信機・変流器(ZCT)・音響装置の3つです。点検(作動確認)と整備(調整・部品交換)は区別されており、整備は消防設備士の独占業務ですが、点検補助は資格がなくても行える場合があります。

整備で使う工具は4種類に整理できる

漏電火災警報器の整備では、次の工具を使います。

工具名 主な用途
絶縁抵抗計(メガー) 警戒電路の対地絶縁抵抗を測定する
回路計(テスタ) 電圧・電流・抵抗の測定。受信機の入出力確認
電流計(クランプメータ) 警戒電路の電流値測定。定格電流超過の確認
試験用電流発生器 変流器に試験電流を流して受信機の作動確認に使う

鑑別試験では、工具の写真から名称を答える問題や、工具と用途を組み合わせる問題が出題されます。各工具の見た目と用途をセットで覚えておく必要があります。

絶縁抵抗測定の手順と合否判定の基準

整備の第一段階は絶縁抵抗測定です。警戒電路の対地絶縁抵抗を絶縁抵抗計(メガー)で測定し、絶縁状態を確認します。

測定の手順は次のとおりです。まず警戒電路の電源を切り、無電圧状態にします。次に絶縁抵抗計の端子を電路の導体と大地(アース)の間に接続し、測定値を読み取ります。

低圧電路(使用電圧300V以下)の場合、絶縁抵抗値は0.1MΩ以上が基準とされています(電気設備技術基準第58条)。これを下回る場合は絶縁劣化の可能性があり、整備または交換の判断材料になります。

作動試験の手順。試験電流と受信機スイッチの操作

作動試験は、変流器に試験電流を流して受信機が正常に動作するかを確認する試験です。試験電流の大きさは「公称作動電流値の1.5倍以内」で受信機が作動することを確認します(漏電火災警報器に係る技術上の規格を定める省令)。

作動試験の手順は次のとおりです。

  1. 受信機の試験スイッチを試験位置に切り替える
  2. 変流器の試験用端子に試験用電流発生器を接続する
  3. 試験電流を流して受信機の警報動作(ランプ点灯・音響装置の鳴動)を確認する
  4. 試験スイッチを通常位置に戻し、復旧スイッチで受信機を初期状態に戻す

試験電流を「公称作動電流値の1.5倍以内」で作動することが確認できれば合格です。1.5倍を超えなければ作動しない場合や、不作動電流値(公称作動電流値の1.25倍以上)以下の電流で作動してしまう場合は調整・交換が必要です。

音響装置の確認方法と合否基準

受信機に内蔵された音響装置が正常に機能しているかを確認します。音響装置の音圧は、受信機の中心から1mの距離において70dB以上であることが規格の要件です(漏電火災警報器に係る技術上の規格を定める省令第9条)。

音圧の測定には騒音計を使います。70dBを下回る場合は音響装置の交換が必要です。また、音が断続的に鳴るかどうか(連続音か断続音か)の確認も整備の確認項目に含まれます。

変流器の取り付け確認と整備のポイント

変流器(ZCT)の整備では、取り付け位置と電線の通し方を確認します。変流器は「引込口に最も近い箇所」に設置する必要があります(消防法施行規則第24条の2第1項第4号)。

電線の通し方は、往路と帰路の両方の電線を変流器の貫通孔に通す必要があります(第1項第3号)。片方だけを通した場合、通常時の電流がゼロにならず常に警報が鳴り続けるため、正しく通すことが整備の重要確認事項です。

変流器の取り付け位置がずれた場合や、電線の増設によって貫通孔への通し方が変わった場合は、整備(再取り付け)が必要です。

整備後の確認。復旧スイッチと試験完了の確認手順

整備が完了したあと、受信機を通常の監視状態に戻す際は、復旧スイッチを操作して初期状態にリセットします。その後、以下の点を最終確認します。

  • 電源表示ランプが正常点灯していること
  • 音響装置が停止していること(警報状態でないこと)
  • 試験スイッチが通常位置に戻っていること
  • 変流器への電線の貫通状態が正しいこと

鑑別試験での整備工具の出題パターン

乙7の鑑別試験では、整備工具に関して次のようなパターンが出題されます。

  • 工具の写真を見て名称を答える(絶縁抵抗計・クランプメータ等)
  • 「絶縁抵抗測定に使う工具はどれか」のような用途を問う問題
  • 作動試験の手順を問う問題(試験電流の基準値・スイッチ操作の順番)

工具の名称と見た目(外観)・用途の3点をセットで整理しておくと、鑑別問題に対応しやすくなります。特に絶縁抵抗計(メガー)と回路計(テスタ)の外観は混同しやすいため、写真と用途を確認しておきます。

整備と点検の違いをまとめる

区分 内容 資格
点検 作動確認・外観確認 消防設備士または点検資格者
整備 調整・修理・部品交換 消防設備士(乙7)の独占業務

点検と整備は別の行為です。作動確認(試験スイッチを押して動作を確認する)は点検の範囲ですが、作動しなかった場合の調整・部品交換は整備に当たり、乙7の資格が必要です。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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