ITパスポートに落ちても、待機期間はありません。受験した翌日から再申込みができます。合格発表を待たずに次の試験日を押さえられますし、合格できなかった原因はスコアレポートに数字で出ています。今回は、スコアレポートの読み方から再申込みの手順、2026年末の日程の注意点まで、順を追って説明します。
令和7年度の合格率は48.6%。約半数が不合格になっている
令和7年度のITパスポート試験は、受験者271,352人のうち合格者が132,012人で、合格率は48.6%でした(出典:IPA公式統計情報)。受験者の約半数が不合格になる試験です。落ちたことを必要以上に引きずらず、次の手を考える方が時間の使い方として合っています。
まずスコアレポートで「どこが足りなかったか」を確認する
ITパスポートの採点結果は、試験終了直後に会場のモニターで表示されます。後日、マイページからもスコアレポートを確認できます。レポートには総合評価点と分野別評価点の2種類が載っています。
合格基準は次のとおりです(出典:IPA公式ページ「出題範囲・合格基準」)。
| 評価の種類 | 合格基準 |
|---|---|
| 総合評価点 | 1,000点満点中600点以上 |
| ストラテジ系(分野別) | 1,000点満点中300点以上 |
| マネジメント系(分野別) | 1,000点満点中300点以上 |
| テクノロジ系(分野別) | 1,000点満点中300点以上 |
総合点と分野別点の両方が基準を超えないと合格になりません。総合点が600点を超えていても、どれか1つの分野が300点未満であれば不合格です。逆に、すべての分野で300点以上を取っていても、総合点が600点に届いていなければ不合格です。
スコアレポートを見たとき、まず確認するのは「総合点が足りなかったのか、特定の分野が足りなかったのか」の2点です。
総合点が600点未満だった場合、広く薄い穴を埋める
総合点が600点未満で、分野別はすべて300点以上だった場合は、特定の弱点があるというより、全体的に正答率が上がりきらなかったことが原因です。
ITパスポートはIRT(項目反応理論)方式を採用しているため、1問ごとの配点は一律ではありません。正答率の低い問題(難しい問題)に正解すると点数が多く加算され、正答率の高い問題(易しい問題)を間違えると点数が多く引かれる仕組みです。得意な問題ばかり確実に取るより、苦手な問題の正解数を1問増やす方が総合点への影響が大きくなる場合があります。
総合点を伸ばすための取り組みの方向性は次のとおりです。
- 正答率の高い問題(よく出る定番の用語問題)を確実に取る練習をする
- 過去問を解いて、間違えた問題の解説をその都度読む
- 暗記だけで対応しようとせず、なぜその選択肢が正解なのかの理由まで押さえる
分野別点数が300点未満だった場合、その分野に絞って対策する
特定の分野が300点未満だった場合は、対策を絞りやすい状況です。どの分野が足りなかったかによって、やることが変わります。
| 足りなかった分野 | 主な内容 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| ストラテジ系 | 経営戦略・財務・マーケティング・法務 | 用語の意味と具体例をセットで覚える。財務諸表・損益計算書の読み方は計算問題として出やすい |
| マネジメント系 | プロジェクト管理・サービスマネジメント・システム開発プロセス | 略語(PDCA・WBS・SLAなど)の意味と使われる場面を整理する |
| テクノロジ系 | ハードウェア・ネットワーク・セキュリティ・データベース・AI | 計算問題(2進数・ビット数・ネットワーク計算など)の練習を重ねる。AIと情報セキュリティ関連の用語は近年出題が多い |
3分野の中で、テクノロジ系は計算問題の比重が高く、苦手意識を持ちやすい分野です。ただし、計算問題は手順を覚えると安定して得点できます。1問の解き方を1問ずつ確認していく練習が効果的です。
IRT方式のため、問題の難しさで点数の重みが変わる
前の節でも触れましたが、IRT方式についてもう少し補足します。
通常の試験では「100問あれば1問=1点」という計算になります。ITパスポートは違います。問題ごとに統計的な難易度データがあり、それをもとに各問の配点が決まります。受験後に「思っていたより取れた(あるいは取れなかった)」と感じるとしたら、IRT方式の影響が大きいです。
このことから言えるのは、「難しい問題は捨ててよい」という考え方は、ある程度は正しいですが、難しい問題に正解したときの加点も大きいということです。時間が余ったときに難問に戻って粘る価値はあります。
再申込みは受験日の翌日から可能。待機期間はない
IPA公式FAQで確認した再受験のルールは次のとおりです。
- 不合格後に申し込めない期間(クーリングオフのような制限)はない
- 次の申込みは、受験日の翌日以降から可能
- 同時に複数の試験日を申し込むことはできない
「3ヶ月待たないといけない」「一定期間は受けられない」という情報を見ることがありますが、IPA公式FAQにはそのような制限は記載されていません。受験した翌日から次の申込みができます。
申込みから試験日まで、時間に余裕を持って手続きする
再申込みの際に注意が必要な期限は次のとおりです。
- 試験日は申込日の5日後以降の日程から選択できます
- クレジットカード払いは試験前日の正午まで支払いが可能です
- コンビニ払いは申込日を含めて3日目の23:59が払込期限です。期限内に払い込まないと申込みが無効になります
コンビニ払いを選ぶ場合は、申込んだ当日か翌日中に払い込む習慣をつけておくと期限切れを防げます。
2026年12月以降の試験日程は変わる。12/27が現時点での最終試験日
2026年10月時点の情報として、次のことがIPAの公式告知で確認されています。
- 9月28日以降の申込みは、2026年12月27日までの試験日しか選べません
- 2026年12月28日以降、ITパスポート試験はシステムリプレースのため一時休止します
- 2027年1月以降の再開は、2026年秋頃に詳細が案内される予定です(2026年10月時点で未公表)
「今年中に再受験したい」という場合は、12月27日までに試験日が取れるよう、早めに申込みをしておく必要があります。試験日程は会場によって埋まるため、希望する日程がある場合は早めの確認をおすすめします。
2027年からの新試験と現行試験の合格の扱いは別になる
2027年度からITパスポートは試験制度が変わります(IPA公式プレスリリース2026年3月31日)。出題分野が現行の3系統から6分野に再編されます。
ここで気になるのが「今受けて合格しても意味があるのか」という点です。IPAのFAQでは「試験合格の有効期限もなく、過去の試験合格が無効となることもございません」と明示されています。今の試験で合格していれば、2027年以降も合格した事実はそのまま残ります。
ただし、今の試験での合格が「2027年の新試験の合格」に自動的に切り替わるわけではありません。2027年の新試験で合格を取りたい場合は、改めて受験する必要があります。目的が「新しい試験制度での合格証書を取ること」なのか「ITパスポートの合格という実績を持つこと」なのかによって、年内に受けるかどうかの判断が変わります。
年内と新試験のどちらを受けるかについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
→ ITパスポートを年内に受けるか、2027年度の新試験を待つか
よくある誤解。「不合格になると受けられなくなる期間がある」は事実ではない
再受験について、いくつか誤解が広がっています。確認できる範囲でまとめます。
| よく見る情報 | IPA公式FAQに基づく実態 |
|---|---|
| 「3ヶ月は受けられない」 | そのような制限はない。翌日から申込み可能 |
| 「不合格のスコアは残る」 | スコアレポートはマイページで確認できるが、合否記録として外部に提出を求められることは通常ない |
| 「何回でも受けられる」 | 回数の制限についてIPA FAQに明記はないが、同時申込みは1件のみ |
| 「合格の有効期限がある」 | ない。IPA FAQで「有効期限もなく、無効となることもない」と明示 |
「3ヶ月待ち」というルールは基本情報技術者試験など一部の試験には存在します。ITパスポートに同じルールを当てはめた情報が広まっている可能性があります。受験に関わる情報は、IPAの公式サイトとFAQで確認することをおすすめします。
よくある質問
合格発表を待ってから再申込みしないといけないか
待つ必要はありません。試験終了直後にその場でスコアが表示されるため、合否は当日わかります。合格発表は翌月ですが、再申込み自体は受験日の翌日からできます。
試験会場を変えて受験できるか
ITパスポートはCBT方式(コンピュータ試験)で全国の試験会場で随時実施されています。前回と別の会場を選んで申し込むことができます。
スコアレポートはいつまで見られるか
マイページからの確認期間についてIPAが具体的な期限を公表しているかは、この記事の執筆時点では確認できていません。受験後なるべく早めに保存しておくことをおすすめします。
まとめ
ITパスポートに落ちた後にやることは、大きく3つです。
- スコアレポートを確認して、総合点と分野別点のどちらが基準に届かなかったかを見る
- 足りなかった部分に絞って対策をする(全体か特定分野かで方向が変わる)
- 受験日の翌日から再申込みをする(2026年12月27日までに受けたい場合は早めに確保)
待機期間はなく、スコアレポートには次の対策に使える情報が入っています。「落ちたから終わり」ではなく、スコアレポートを起点に次の受験の準備を始めることができます。
ITパスポートの試験全般については、こちらのガイド記事もあわせてご覧ください。
→ ITパスポート試験ガイド(受験料・合格率・勉強法まとめ)
過去問や新試験の予想問題を使った練習は、こちらのアプリで無料から始められます。
→ ITパスポート2027 AI問題集


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