有料老人ホームの加算、特定施設で算定できるものの一覧。

有料老人ホームの加算、特定施設で算定できるものの一覧。 介護




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介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)では、基本報酬に加えて複数の加算を算定できます。夜間支援体制加算・口腔衛生管理加算・看取り介護加算・認知症専門ケア加算・サービス提供体制強化加算・介護職員等処遇改善加算などが主なものです。住宅型有料老人ホームは介護報酬の仕組みそのものが適用されないため、これらの加算は算定できません。

加算は基本報酬に上乗せして算定する

特定施設入居者生活介護の報酬は、基本報酬(要介護度別・1日あたりの単位数)に加算単位を加えて計算します。1単位の単価は地域区分によって異なり、令和6年度の「その他」地域では10.00円です(「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」平成12年厚生省告示第19号・令和6年改定後。以下、告示と記載)〔⚠️告示原文で確認してください〕。加算は要件を満たした月・日について算定でき、収入の上積みになります。

主な加算の一覧(令和6年改定後)

以下は特定施設入居者生活介護で算定できる主な加算です。単位数・要件の概要は告示・厚生労働省の算定基準通知に基づいていますが、詳細は必ず原文を確認してください〔⚠️告示原文で確認してください〕。

加算名 単位数(目安) 算定単位 要件の概要
夜間支援体制加算(I) 18単位 1日 夜間に介護・看護職員を1名以上専従配置
夜間支援体制加算(II) 9単位 1日 夜間に介護・看護職員を1名以上配置(宿直等)
口腔衛生管理体制加算 30単位 1月 歯科医師または歯科衛生士が施設職員に口腔ケアの研修を年2回以上実施
口腔衛生管理加算(I) 90単位 1月 歯科衛生士が月2回以上、入居者に直接口腔ケアを実施
口腔衛生管理加算(II) 110単位 1月 加算(I)に加え、管理栄養士等との連携・栄養状態の評価を行う
栄養スクリーニング加算 5単位 6か月に1回 介護職員等が入居者の栄養状態を確認し、低栄養リスクを記録
栄養管理体制加算 30単位 1月 管理栄養士が常勤換算で入居者50人につき1名以上、栄養ケア計画の作成・管理
医療機関連携加算 80単位 1月 医療機関(医師)との連携体制を確保し、健康管理の記録を共有
看取り介護加算(死亡前31〜45日) 72単位 1日 看取り介護計画を作成し、本人・家族の同意を得て看取りを実施
看取り介護加算(死亡前4〜30日) 144単位 1日 同上
看取り介護加算(死亡前2〜3日) 680単位 1日 同上
看取り介護加算(死亡当日・前日) 1,280単位 1日 同上
認知症専門ケア加算(I) 3単位 1日 認知症ケアの専門研修修了者を配置し、認知症対応の計画を策定
認知症専門ケア加算(II) 4単位 1日 加算(I)の要件に加え、専門研修修了者が施設全体の認知症ケアを統括
サービス提供体制強化加算(I) 22単位 1日 介護福祉士の割合が70%以上、または勤続10年以上の介護福祉士が25%以上
サービス提供体制強化加算(II) 18単位 1日 介護福祉士の割合が50%以上
サービス提供体制強化加算(III) 6単位 1日 介護福祉士の割合が40%以上、または実務3年以上の職員が30%以上
介護職員等処遇改善加算(I〜IV) 所定単位数の一定割合 1月 職員の給与改善・キャリアパス要件を満たす。加算率は区分によって異なる

出典:「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号・令和6年改定後)〔⚠️告示原文で確認してください〕

住宅型有料老人ホームには上記の加算は算定できない

住宅型有料老人ホームは、介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていないため、上表の加算は一切算定できません。住宅型の入居者が介護サービスを利用するときは、外部の居宅介護事業者と個別に契約します。事業者の収入は居住費・食費・生活支援サービス費のみです。介護報酬が入らない代わりに、人員配置基準の縛りは介護付きより緩くなります。

介護付きと住宅型の収入構造の違いについては、別の記事「介護付き有料老人ホームと住宅型、経営として何が違うか。」で整理しています。

加算が月の収入に与える影響の試算の考え方

加算の月収入への影響は「単位数×地域単価×入居者数×日数(または月数)」で計算します。たとえば、入居者20名の施設でサービス提供体制強化加算(I)(22単位/日)を算定する場合、「その他」地域(単価10.00円)では次のようになります。

22単位 × 10.00円 × 20名 × 30日 = 132,000円(月額・概算)

加算はいくつかを組み合わせて算定できるため、要件を満たせるものを積み上げると収入への影響は大きくなります。ただし加算の取得には職員の資格・配置・研修の実施などの要件を満たすコストも伴います。加算収入とそのための人件費・研修費を合わせて収支を試算することが重要です。

入居者数・要介護度・地域区分・加算の組み合わせを変えながら月次収支を確認できるシミュレーターは、以下からご利用いただけます。

介護職員等処遇改善加算は算定しやすい加算の一つ

介護職員等処遇改善加算は、職員の給与改善・キャリアパス要件を満たすことで算定できます。加算率(所定単位数に対するパーセント)は区分(I〜IV)によって異なります〔⚠️告示原文で確認してください〕。処遇改善加算は職員の採用・定着にも関わるため、開業当初から取得要件を整えておくことが現実的です。

処遇改善加算は各加算の中でも金額的なインパクトが大きい一方、職場環境要件や賃金体系の整備、計画書・実績報告書の届出が必要です。都道府県に毎年届出を行い、期日までに処遇改善の実績を報告する義務があります。開業準備の段階から仕組みを理解しておくと、開業後の手続きがスムーズです。

加算の取得要件は告示と算定基準通知で確認する

上表の単位数・要件はあくまで概要です。実際に算定する前には、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(厚生省告示第19号・令和6年改定後)および厚生労働省が発出する「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(通知)を原文で確認してください。また、都道府県による実地指導では加算の算定要件の充足状況が確認されます。算定している加算の根拠書類(職員名簿・研修記録・計画書等)を適切に整備・保管することが求められます。

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出典:「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号・令和6年改定後)。単位数・要件の詳細は必ず原文をご確認ください。当サイトは資格者ではなく、算定の可否を保証しません。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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