整体院の売上は、施術単価と予約数から計算する。

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実際の数字を入れて月売上を試算できます。

整体院の売上は、「施術単価×1日の件数×稼働日数」の掛け算で決まります。シンプルな算式ですが、それぞれの要素をどう設定するかによって、月間の収入が大きく変わります。

売上は「施術単価×件数×稼働日数」で決まる

整体院の基本的な売上の計算式は次のとおりです。

月間売上 = 施術単価 × 1日の施術件数 × 月の稼働日数

この3つの数字を決めることが、事業計画の出発点になります。

施術コースと単価の設定

整体院の施術単価は、施術時間・内容・地域によって幅があります。一般的な傾向を整理します。

施術時間 単価の目安 主な用途
30〜45分 3,000〜5,000円 首・肩など部分的な調整・お試しコース
60分 5,000〜8,000円 全身の調整・最も一般的なコース
90分 7,000〜12,000円 深部までじっくりほぐす・リラクゼーション系
120分以上 10,000〜18,000円 集中ケア・特化コース

単価の設定は、施術内容の差別化と地域の競合との兼ね合いで決めます。同じ地域の類似サービスと比較し、技術・雰囲気・立地での差別化が単価に反映されます。

1日に対応できる件数の上限

1人の施術者が1日に施術できる件数は、施術時間と移動・休憩・準備の時間によって決まります。

施術時間 インターバル込み 1日最大件数の目安
60分コース 75〜80分 6〜8件(8〜10時間稼働)
90分コース 110〜120分 4〜5件(8〜10時間稼働)
30〜45分コース(短時間型) 50〜60分 8〜10件(8〜10時間稼働)

施術者の身体的な負荷を考慮すると、1日6〜8件が継続して実施できる実質的な上限です。長期的に施術の質を維持するためには、無理な件数を詰め込まないことが大切です。

稼働率とは何か

稼働率とは、「施術可能な予約枠のうち、実際に予約が入った割合」です。開業直後は稼働率が低く、口コミ・リピートが積み重なるにつれて稼働率が上がります。

フェーズ 稼働率の目安 月売上への影響
開業直後(1〜3か月) 20〜40% 1日最大8件でも、実際には1〜3件程度
立ち上がり期(3〜12か月) 40〜70% 徐々に安定してくる
安定期(1年以降) 70〜90% 予約が埋まるようになる

安定期に達するまでの期間は、集客への投資・口コミの仕組み・立地・サービスの差別化によって変わります。半年〜1年を見込んでおくことが多いです。

月間売上の試算例

具体的な数字で月売上を試算してみます。

条件 月売上の試算
60分コース単価6,000円、1日6件、月22日稼働、稼働率60% 6,000×6×22×0.6=475,200円
60分コース単価6,000円、1日6件、月22日稼働、稼働率80% 6,000×6×22×0.8=633,600円
60分コース単価6,000円、1日8件、月22日稼働、稼働率80% 6,000×8×22×0.8=844,800円
60分コース単価7,000円、1日8件、月22日稼働、稼働率90% 7,000×8×22×0.9=1,108,800円

月100万円の売上を超えるには、稼働率80〜90%かつ1日8件程度の件数が必要です。これは1人運営では難易度が高く、開業後1〜2年で達成できれば順調といえます。

回数券・物販による追加収益

施術料だけでなく、次の方法で売上を補完できます。

  • 回数券:5回・10回分の施術をまとめて購入してもらう仕組み。先払いで手元資金が安定するほか、リピート率の向上にもつながります。一般的に1回あたりの料金を単品より1〜2割安くして販売します。
  • 物販:施術後に勧めるストレッチポール・フォームローラー・サポーターなど。仕入れ価格の2〜3倍での販売が目安ですが、医薬品や医療機器の販売には薬機法の確認が必要です。
  • 月定額(サブスクリプション型)会員制度:月1〜2回の施術をセット価格で提供するプラン。安定的なリピート収益の確保に有効です。

これらの追加収益は、メインの施術収益が安定してから取り組むのが自然な順番です。開業直後から複雑な商品体系を用意すると、顧客への説明・管理の負担が増えます。

全国の1人当たり売上高と比較する

整体院に近い業態として参考になる「エステティック業」のデータでは、従業者1人当たりの年間売上高の中央値は8,227千円(約823万円)です。月換算で約685,000円になります。

出典:日本政策金融公庫総合研究所「小企業の経営指標調査」(2025年度調査)エステティック業(p.39、n=105)

月68万円という水準は、60分コース6,000円・1日8件・月22日稼働とすると稼働率が64%程度に相当します。全国の中央値がこの水準であることを踏まえると、開業当初から「1日8件全部埋まる」という前提での計画は楽観的すぎます。保守的な稼働率(30〜50%)から試算し、上振れを期待する計画の立て方が現実的です。

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自分の単価・件数・稼働日数で月売上と収支を試算できます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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