整骨院・接骨院の開業にかかる費用の内訳
整骨院・接骨院の開業資金は、立地や規模によって大きく異なりますが、一般的な個人院(10〜20坪程度)の場合、500万円から1,200万円前後が目安です。主な内訳は以下のとおりです。
- 物件の保証金・礼金:家賃の3〜6ヶ月分(150万〜360万円)
- 内装工事費:200万〜500万円(施術ベッド用の区切り・電気工事・水回り含む)
- 施術台・治療機器:100万〜300万円(低周波・超音波・牽引装置など)
- レセプトコンピューター(レセコン):月額3万〜10万円(リース)またはシステム費用50万円〜
- 消耗品・備品:10万〜30万円
- 運転資金(3〜6ヶ月分):150万〜500万円
日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」によると、医療・福祉分野の新規開業時の平均開業費用は約1,200万円です。整骨院・接骨院は医療機器が比較的少ないため、この平均より低くなる傾向があります。
保険入金のタイムラグを見落とすと資金が詰まる
整骨院の収入の大部分を占める保険診療(柔道整復療養費)には、入金のタイムラグがあります。
患者の自己負担分(3割)は施術当日または当月に入金されますが、保険者負担分(7割)は施術月の翌々月に入金されます。つまり、1月に施術した分の保険収入は、3月20日前後に入金される仕組みです。
この仕組みを見落として開業資金を組むと、開業後2ヶ月間は保険収入がゼロの状態で家賃・人件費・材料費を支払い続けることになります。運転資金を少なく見積もった場合、開業直後に資金が詰まるリスクがあります。
日本政策金融公庫(公庫)に創業融資を相談する際も、この入金ラグを踏まえた資金繰り計画を求められます。
整骨院の開業資金の調達方法
開業資金の調達先として最も一般的なのは、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」です。自己資金の10分の1以上(2024年度以降は要確認)の資本があれば無担保・無保証人で融資を受けられます(上限3,000万円)。
また、都道府県や市区町村の「制度融資」(地域の金融機関と自治体が連携した融資制度)も活用できます。金利や保証条件が公庫とは異なるため、両方を比較することが実際の調達コストを下げるうえで有効です。
収支の黒字化にどのくらいかかるか
日本政策金融公庫の「2025年度小企業の経営指標調査」(医療・福祉〔療術業〕184社)によると、損益分岐点比率の中央値は99.7%です。売上高と固定費がほぼ等しい水準で損益がトントンになる業種であることがわかります。
黒字になっている事業所は全体の43%のみ(中央値1.9%の利益率)という結果も出ています。これは、患者数が損益分岐点を大きく超えないと利益が出にくい構造を示しています。
1日の患者数と固定費から損益分岐点を試算したい場合は、下記のシミュレーターをお使いください。
整骨院・接骨院 開業収支シミュレーター
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出典:日本政策金融公庫「2025年度小企業の経営指標調査」(2026年8月公表、医療・福祉〔療術業〕184社)、日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」、厚生労働省「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」(保発0529第4号・令和6年6月)


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