基礎試験の出題範囲は、文部科学省が5つの区分・49項目として公表しています。サンプル問題9問の区分別の内訳から、試験で占める比重の違いを読み取ることができます。
この記事では、5区分の内容とサンプル問題からわかる傾向、学習の優先順位を整理します。どこから勉強を始めるかを決めるための整理として使ってください。
基礎試験の5区分とは何か
文部科学省は、基礎試験の出題範囲を5つの区分に分けて公表しています(出典:文部科学省「令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」)。
| 区分 | 問われること(概要) | 含まれる主な項目例 |
|---|---|---|
| 言語一般 | 言語そのものの仕組みと特徴 | 音声・音韻、文法論、語彙論、語用論、談話 |
| 言語と社会 | 言語が社会・文化の中でどう使われるか | 社会言語学、多文化共生、言語政策、バリエーション |
| 言語と心理 | 言語の学習と習得の仕組み | 習得論、中間言語、誤り分析、動機づけ、認知 |
| 言語と教育 | 日本語を教える理論と方法 | 教授法、シラバス設計、誤り訂正、教材・教具、評価 |
| 言語 | 日本語の構造・体系に関する知識 | 日本語の文法・音韻・語彙の特徴、表記 |
(出典:文部科学省「令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」出題範囲一覧)
49項目の細目は文部科学省の資料に全項目が公開されています。試験の準備では、区分の名前だけでなく「49項目のうちどこまで理解しているか」を確認する使い方が実用的です。
サンプル問題9問の区分別内訳
文部科学省が公表している基礎試験のサンプル問題は9問です(出典:文部科学省「令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」)。9問の区分別の内訳は以下のとおりです。
| 区分 | サンプル問題での問数 | 全9問に対する割合 |
|---|---|---|
| 言語一般 | 2問 | 約22% |
| 言語と社会 | 1問 | 約11% |
| 言語と心理 | 2問 | 約22% |
| 言語と教育 | 3問 | 約33% |
| 言語 | 1問 | 約11% |
(出典:文部科学省「令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」。本番100問の区分別配分は非公表のため、サンプル9問の内訳を確認できる範囲として示す)
重要な注意があります。サンプル問題は9問です。本番は100問です。サンプルの内訳が本番100問の配分を正確に反映している保証はありません。ここで示す割合は「サンプル問題から読み取れる範囲」であり、本番の出題割合として断定できるものではありません。
「言語と教育」区分がサンプル問題では最多
サンプル問題9問のうち3問が言語と教育区分でした。この区分は、教授法・シラバス設計・誤り訂正・教材・評価など、「教える方法論」全般を扱います。
この区分が多いのは、登録日本語教員が「日本語を教えることができる人」であることを前提とした国家資格であり、教えることに直結する知識が問われやすい構造と考えられます。ただし、これはサンプル9問から読める傾向であり、本番での確認が必要です。
含まれる主な項目(文部科学省の区分表より):
- 教授法(直接法・間接法・コミュニカティブアプローチ・タスク中心等)
- シラバスの種類と設計(構造シラバス・場面シラバス・タスクシラバス等)
- 誤り訂正の手法(明示的訂正・リキャスト・エリシテーション等)
- 教材・教具の選択と活用
- 評価の種類(形成的評価・総括的評価・Can-Do評価等)
「言語一般」と「言語と心理」が各2問
言語一般と言語と心理はサンプルでそれぞれ2問でした。
言語一般は音声・音韻・文法・語彙・語用論・談話の知識を問います。日本語教育の基礎的な言語学の知識がベースになります。
言語と心理は習得論・中間言語・動機づけなど、「どのように言語を学ぶか」の仕組みを問います。この区分は応用試験の記述問題・聴解問題でも根拠として使う知識のため、基礎試験だけでなく応用試験を見据えた理解が有効です。
49項目の「到達目標」で自分の理解度を確認する
文部科学省は49項目の各項目に「到達目標」を設定しています。到達目標は「〇〇を説明できる」「〇〇を区別できる」のような記述形式で書かれており、その項目についてどのレベルの理解が求められるかが読み取れます(出典:文部科学省「令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」)。
学習の進め方として有効なのは、49項目のリストを手元に置き、「説明できる」「なんとなく知っている」「よく分からない」の3段階に仕分けることです。「説明できない」項目から優先的に取り組む順序をつけると、残り時間と学習量のバランスが取りやすくなります。
区分をまたいで問われる設問がある
サンプル問題を読むと、1問の中に複数の区分の知識が関係する設問があります。たとえば「学習者の誤りを分析して教師として対応を選ぶ」設問では、言語と心理(習得論・誤り分析)と言語と教育(誤り訂正)の両方が使われます。
区分を個別に覚えるだけでなく、「区分をまたいで使う問題がある」という前提で学習すると、応用試験への移行もスムーズになります。
基礎試験の範囲を出題のたびに練習する
登録日本語教員 基礎試験 AI問題集(https://fufumumu-design.com/nihongo-kyoin/)では、5区分・49項目の出題範囲に基づきAIが問題を作成します。区分を指定して集中的に練習することもできます。サンプル問題9問を解き終えたあとの練習素材として活用してください。1日3問まで無料です。
参考資料:文部科学省「令和8年度登録日本語教員試験の試験案内」「令和7年度日本語教員試験の出題内容及びサンプル問題」(2026年10月現在)


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