就労継続支援A型の感染症研修は、年2回以上が義務
就労継続支援A型の感染症研修は、年2回以上の実施が義務づけられている。訓練も同様に年2回以上が必要で、委員会はおおむね3か月に1回以上(年4回以上)の開催が求められる。
根拠は国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)。A型は基準第205条で生活介護の第90条を準用し、解釈通知の生活介護の項は療養介護の項と同趣旨だとしているため、感染症の回数の根拠は同通知「第四の3の(20)」(p.100〜104)になる。
感染症対策として義務づけられている内容
| 義務の内容 | 頻度・補足 |
|---|---|
| 指針の整備 | 作成・定期的な見直し |
| 委員会の開催 | おおむね3か月に1回以上(年4回以上) |
| 研修の実施 | 年2回以上・新規採用時には必ず |
| 訓練の実施 | 年2回以上 |
出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)第四の3の(20) p.100〜104
A型の感染症研修で扱うべき固有の視点
就労継続支援A型の利用者は、事業所と雇用契約を結んでいる。労働基準法・最低賃金法の適用を受ける「労働者」でもある。そのため、感染症が発生したときの対応は、B型や生活介護と異なる問題が生じる。
発熱・体調不良による欠勤と賃金の扱い
利用者が感染症(インフルエンザ・ノロウイルス等)に罹患して出勤できない場合、その欠勤の扱いは就業規則に基づく。事業所が就業規則に「感染症罹患時の出勤停止と賃金の取り扱い」を定めていない場合、現場での判断に迷いが生じやすい。
なお、法定感染症(感染症法に基づき保健所等から就業制限を受けた場合)については、使用者の責に帰すべき事由による休業には当たらないと解される。一方、感染症の疑いや体調不良で事業所側が自主的に出勤停止を指示した場合は、使用者側の判断による休業として扱われる可能性がある。就業規則・賃金規程の整備と、指定権者・社会保険労務士への確認が重要になる。
感染症の内容を職員全員で共有する
A型では、職業指導員・生活支援員も利用者と同じ就業規則の枠組みの中で働いているケースがある。感染症研修は利用者支援のためだけでなく、職員自身の感染リスクの把握にも役立つ。研修の内容を職員全員で共有することで、事業所全体の感染対策の水準を統一できる。
研修で扱う内容の例
- 感染症・食中毒の種類と感染経路(飛沫・接触・経口)
- 手洗いの手順(6ステップ法)と手指消毒の方法
- 作業場所の換気・清掃・消毒の方法
- 発熱・嘔吐・下痢等の症状が出たときの対応手順
- 感染者が出たときの連絡・報告の流れ
- 欠勤・出勤停止の際の手続き(就業規則に基づく)
訓練の進め方
感染症対策の訓練は、実際の感染発生を想定したシミュレーションが基本となる。以下のような訓練が実践的だ。
- 「利用者Aがインフルエンザ感染と診断された」という想定で、当日の対応手順を確認する
- 嘔吐物の処理方法(ガウン・マスク・手袋の着用、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒)を実際に体験する
- 保健所・家族への連絡タイミングと内容を確認する
記録の整備と保存期間
研修・訓練・委員会の記録は2年間保存する。運営指導では次の書類が確認される。
- 研修の実施記録(日時・参加者・内容・担当者のサイン)
- 訓練の実施記録(日時・参加者・想定シナリオ・実施内容)
- 感染対策委員会の記録(開催日・出席者・議題・決定事項)
- 指針の文書
ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する
就労継続支援A型の感染症研修の資料・確認テスト・訓練の記録様式がまとまったキットを用意している。


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