消防設備士 甲5の製図。避難器具の設置位置と個数を図面に記入する問題の対策。

消防設備士 甲5の製図。避難器具の設置位置と個数を図面に記入する問題の対策。

消防設備士第5類甲種(甲5)の実技試験には「製図」の問題があります。建物の平面図・断面図を見て、避難器具の設置位置・個数・器具の種類を答える問題です。この記事では甲5の製図問題の出題内容と対策を整理します。

製図問題の基本情報

甲5の実技試験には「鑑別等」と「製図」の2つのパートがあります。乙5には製図はありません。

実技パート 問題数 主な内容
鑑別等 5問 写真・図から器具の名称・部品名・確認事項を答える
製図 2問 建物の図面に避難器具の設置位置・個数を記入する

製図問題は記述式です。設置基準(消防法施行令第25条・施行規則第26条・第27条)を正確に理解していることが求められます。

製図問題の出題パターン

甲5の製図問題で出題される主なパターンは次のとおりです。

出題パターン 問われる内容
設置が必要な階と個数を答える 建物の用途・階数・収容人員が与えられ、どの階に何個必要か答える
設置位置を図面に記入する 平面図・断面図に避難器具の設置場所を記号で記入する
設置免除の判断 設置免除条件(施行規則第26条)が適用できる場合を判断する
不備を指摘する 誤りがある図面を見て不備の箇所を指摘・修正する

製図問題を解くための手順

製図問題の解き方の基本手順を整理します。

  1. 建物の用途(別表第一の区分)を確認する
  2. 収容人員を算定する(消防法施行令別表第三の算定方式)
  3. 施行令第25条の表で「設置義務が生じる条件(用途・階・収容人員)」を確認する
  4. 設置が必要な階ごとに設置個数を計算する
  5. 施行規則第26条の免除・減少条件に該当するものがあれば反映する
  6. 施行規則第27条の設置位置の要件(降下空間・操作面積)を確認して位置を決める
  7. 図面に設置場所・個数を記入する

施行令第25条の設置基準の確認方法

設置義務が生じる条件は消防法施行令第25条の表で確認します。製図問題では特に次の区分が問われやすいです。

別表第一の区分 設置義務が生じる主な条件
(一)項・(二)項 2階以上・収容人員50人以上(または3階以上・30人以上等)
(五)項イ・(六)項 2階以上・収容人員10人以上(収容人員の基準が低い)
(十二)項・(十五)項 3階以上・収容人員50人以上等(比較的高い収容人員が必要)

具体的な数値は施行令第25条の条文を直接確認してください。試験では条文の表そのものを参照しながら解答することが基本です。

設置個数の計算方法

設置個数は各階の収容人員に応じて計算します。消防法施行令第25条では「収容人員○○人以上になるごとに1個追加」という形式で規定されています。

設置個数の計算式(概略):
設置個数 = 1(基本)+ (収容人員 – 最低収容人員の条件) ÷ 追加の基準人数

端数は切り上げます。正確な計算方法は施行令第25条の条文を確認し、問題の条件に当てはめます。

設置位置の要件(施行規則第27条)

避難器具の設置位置は消防法施行規則第27条で次の要件が定められています。

要件 内容
降下空間 器具が降下する経路に障害物がない空間が確保されていること
操作面積 器具を操作・着用するための十分な床面積があること(踊り場・バルコニー等)
取り付け金具 構造上十分な強度がある場所に固定できること
壁との距離(固定はしごの場合) 横桟と壁の距離が10cm以上

製図問題では「降下空間が確保できない場所には設置できない」という判断が求められます。窓の前に障害物がある場合・操作面積が不足している場合は、別の位置に変更するか設置不可と判断します。

設置免除・個数減少の判断(施行規則第26条)

製図問題では施行規則第26条の免除・減少条件を適用できるかどうかの判断も求められます。

免除・減少の条件(例) 判断方法
屋外階段がある(建物全体に通じるもの) その階の設置個数を減少できる場合がある
バルコニー(隣の住戸等に通じる)がある 設置免除・減少の条件に該当するか確認
スプリンクラー設備が設置されている 個数の減少条件に該当するか確認

各条件の詳細は施行規則第26条の条文を確認してください。製図問題では「条件に該当するかどうかを判断した上で個数・設置要否を答える」という流れになります。

収容人員の算定方法

設置個数の計算は収容人員の算定から始まります。収容人員の算定は「防火対象物の収容人員の算定基準」(消防法施行令別表第三)に基づきます。

用途ごとの算定方式(概略):

用途(別表第一の区分) 算定の基本方式(概略)
(一)項・映画館・劇場等 固定した椅子の数 + 立見席は床面積で算定
(五)項イ・ホテル等 宿泊室の床面積 ÷ 3m² + 従業員数
(六)項・病院・診療所 病床数 + 外来患者の推定数 + 従業員数
(十五)項・事務所等 従業員席の数(または床面積 ÷ 3m²)

収容人員の正確な算定方式は施行令別表第三を直接確認してください。製図問題では「収容人員○○人」と問題に与えられている場合も多く、その場合は算定の必要はありません。

製図問題の典型的な例題

製図問題の解き方を例題の形で整理します。

【例題】次の条件の建物に避難器具の設置が必要な階と設置個数を答えなさい。

  • 用途:(五)項イ・ホテル
  • 階数:5階建て
  • 収容人員:各階30人
  • 特記:スプリンクラー設備なし・屋外階段なし

【解答手順】

  1. 施行令第25条の表を確認:(五)項イの設置条件→2階以上で収容人員10人以上に設置義務が生じる(条文の正確な数値は施行令第25条を確認)
  2. 各階の収容人員が30人→設置義務が生じる条件を確認
  3. 施行規則第26条の免除・減少条件を確認:スプリンクラーなし・屋外階段なし→免除・減少なし
  4. 各階の設置個数を計算し、答えを図面(または文章)で記入する

製図問題での不備指摘の対策

「不備のある図面を見て誤りを指摘する」問題では、次のポイントを確認します。

確認ポイント 誤りの例
設置すべき階に器具が設置されていない 設置義務が生じる階に器具がない
設置個数が不足している 収容人員の条件から必要個数より少ない
降下空間が確保されていない位置に設置されている 障害物がある場所・前方に構造物がある場所
設置免除の条件を誤って適用している 条件を満たさないのに設置免除としている
標識が設置されていない 設置場所の直近に標識がない

製図問題での記号・記入方法

設置場所を図面に記入する場合、避難器具の設置を示す記号(〇に「避」の文字、器具名の略称等)を使います。問題の指示に従った記号を使用してください。

設置位置は「降下空間が確保できる場所・操作面積がある場所」を選びます。バルコニー・出入口付近・窓際が一般的な設置場所です。

設置個数の計算と端数処理

設置個数の計算では端数処理(切り上げ)が必要です。施行令第25条では「収容人員○○人以上になるごとに1個追加する」という形で規定されており、端数が出た場合は1個として計算します。

例:「50人を超えるごとに1個追加」の場合
収容人員120人 → 1(基本)+ (120-50) ÷ 50 = 1 + 1.4 → 切り上げ = 2 → 合計2個

正確な計算方式は施行令第25条の表を確認してください。製図問題では計算式と答えをセットで記述することが求められます。

製図問題での多階建て建物の扱い

多階建て建物の製図問題では、各階ごとに設置要否を判断することが必要です。

確認の流れ 内容
①用途・階の条件を確認 施行令第25条の表で何階以上に設置義務が生じるかを確認
②各階の収容人員を確認 問題の条件から各階の収容人員を確認・計算
③設置義務の有無を判断 収容人員の条件と照合して各階の設置要否を判断
④免除・減少の確認 施行規則第26条の条件が適用できる階があるか確認
⑤設置個数の計算 設置義務のある階ごとに個数を計算

屋上階・地下階が問題に含まれる場合は設置条件が変わることがあります。施行令第25条の条文で確認します。

用途ごとの設置基準の違いを押さえる

施行令第25条の表では用途(別表第一の区分)によって設置条件が異なります。製図問題で頻出の用途について、設置条件の特徴を理解しておくことが効率的な対策になります。

用途の特徴 設置条件の傾向 代表的な用途
要注意用途(収容人員の条件が低め) 少ない収容人員でも設置義務が生じる 病院・診療所・福祉施設((六)項)・ホテル・旅館((五)項イ)
一般的な用途(収容人員の条件が高め) 多い収容人員でないと設置義務が生じない 事務所((十五)項)・工場・作業場((十二)項)

要注意用途は「自力での避難が困難な人が多い」「就寝を伴う」という特性から、低い収容人員でも設置義務が生じる設計になっています。製図問題で用途が(六)項・(五)項イの場合は設置義務が生じやすいことを念頭に置いて解答します。

製図問題と他の科目の連携

製図問題は法令・構造整備の知識が統合されたアウトプット問題です。次の科目知識を製図問題に結びつけて整理しておくことが重要です。

連携する科目 製図問題での活用場面
消防関係法令(法令類別) 施行令第25条(設置基準)・施行規則第26条(免除)・第27条(設置位置)の適用
構造・機能・整備(構造部分) 各器具の設置位置の要件(降下空間・操作面積)の確認
鑑別等(実技) 設置する器具の種類・特性の理解(垂直式か斜降式か等)

製図問題の対策は「各科目の知識を使って実際に問題を解く」練習を繰り返すことが最も効果的です。問題演習を通じて設置基準の適用と個数計算の流れを身につけます。

製図問題の採点で注意すること

製図問題は記述式のため、答えが合っていても記入方法・表現に問題があると減点されることがあります。

  • 個数の答えは「○個」と明確に記入する
  • 設置位置を記入する問題では、問題が指定した記号・表記方法を使う
  • 設置免除を適用した場合は「○○の条件に該当するため免除」と理由も記入する
  • 施行令・施行規則の条文番号を問われた場合は正確な番号(第25条・第26条・第27条)を書く

製図問題は設置基準の知識を正確に使いこなす問題です。法令・構造整備の知識と実技(鑑別・製図)の練習を組み合わせることで、実力が着実に上がります。甲5の受験者は製図問題の2点を確実に得点できるよう、設置基準の条文を精度高く覚えることが合格への近道です。施行令第25条・施行規則第26条・第27条の3本の条文の役割(設置義務・免除減少・設置位置)を体系的に理解し、問題の条件に当てはめる練習を繰り返すことが最も効果的な製図問題対策です。鑑別問題(5問)と製図問題(2問)を合わせた7問で60%以上(約5問以上)の得点を目指します。製図2問を安定して得点できれば、鑑別5問のうち3問でも合格基準を達成できます。設置基準の条文(施行令第25条・施行規則第26条・第27条)を法令科目の学習と並行して整理しておくことで、実技科目の製図問題にも自然に対応できる知識が身につきます。甲5の実技試験対策は「鑑別(器具・部品の識別)」と「製図(設置基準の適用)」の2つの柱を中心に進めると効率的です。

製図問題の対策方法

甲5の製図問題対策として効果的な方法は次のとおりです。

  • 施行令第25条の表を繰り返し確認し、用途ごとの設置条件を覚える
  • 収容人員の算定方法(別表第三の区分)を整理しておく
  • 設置個数の計算を問題演習で繰り返す(端数処理の確認)
  • 施行規則第26条の免除・減少条件のうち主要なものを覚えておく
  • 施行規則第27条の設置位置の要件(降下空間・操作面積)を図で理解する
  • 過去問・練習問題の図面を使って記入練習をする

製図問題と鑑別問題の得点配分

実技試験の合格基準は「60%以上の得点」です。甲5の実技は7問(鑑別5問・製図2問)です。製図2問で確実に得点できるかどうかが合否を左右することがあります。設置基準の数値を正確に覚えることが最優先の対策です。

出典:消防法施行令第25条・消防法施行規則第26条・第27条(e-Gov法令検索)・消防試験研究センター試験概要

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▶ 消防設備士 第5類(乙5・甲5)AI問題集

作成日:2026年11月5日 作成者:fufumumu_design
出典:消防法施行令第25条・消防法施行規則第26条・第27条(e-Gov法令検索)・消防試験研究センター試験概要

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

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