CO2消火設備は、放出時に酸素濃度を下げることで消火します。人が防護区画内にいる状態でCO2が放出されると重大な健康被害が生じます。消防法施行規則第19条では、放出前に人が確実に避難できるよう「放出遅延装置(遅延時間20秒以上)」「音響警報装置」「自動・手動切替装置」等を設けることを義務付けています。
この記事では、CO2の人体への影響・消防法が定める安全措置・甲3試験での出題ポイントを整理します。
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CO2の濃度と人体への影響
大気中のCO2は約0.04vol%です。CO2消火設備が全域放出されると防護区画内のCO2濃度が急上昇し、次の症状が出ます。
| CO2濃度(vol%) | 主な症状・影響 |
|---|---|
| 2〜4% | 頭痛・めまい・呼吸が速くなる |
| 5% | 呼吸困難感・耳鳴り・吐き気 |
| 7〜10% | 意識喪失・体動不能 |
| 10%以上 | 短時間で死亡の危険 |
第1グループの設計濃度34vol%でも、第2グループの50vol%でも、人が防護区画内に留まれば生命危険が生じます。CO2消火設備は「人がいない状態で放出する設備」として設計されています。
法令が定める安全措置の一覧
消防法施行規則第19条は、CO2消火設備の全域放出方式に次の安全措置を義務付けています。
| 安全措置 | 内容 |
|---|---|
| 放出遅延装置 | 起動信号から薬剤放出まで20秒以上の遅延時間を設ける |
| 音響警報装置 | 防護区画内に設けて、薬剤放出前に鳴動させる |
| 表示灯 | 防護区画の出入口付近に「消火設備作動中」の表示灯を設ける |
| 自動・手動切替装置 | 自動起動モードと手動起動モードを切り替えられる装置を設ける |
| 防護区画への立入禁止措置 | 薬剤放出中は防護区画への立ち入りを防ぐ措置(標識・インターロック等) |
| 換気設備の停止 | 薬剤放出前に防護区画の換気設備を停止させる自動装置を設ける |
遅延時間20秒以上の意味
放出遅延装置の遅延時間は「起動装置が起動してから20秒以上」と定められています。
- 起動信号が出ると音響警報が鳴り始める
- 20秒以上の遅延時間中に防護区画内の人が避難する
- 遅延時間後にCO2が放出される
「20秒以上」という数値は試験での頻出数値です。起動装置の操作方法・遅延時間・警報の鳴動順序はセットで覚えておくことが重要です。
自動起動と手動起動の切り替え
CO2消火設備の起動方式は自動と手動を切り替えられます。
| 起動モード | 起動の流れ | 使用場面 |
|---|---|---|
| 自動起動 | 感知器が火災を検知→自動で音響警報→遅延後に薬剤放出 | 常時無人の防護区画 |
| 手動起動 | 手動起動装置のボタンを操作→音響警報→遅延後に薬剤放出 | 有人になる可能性がある防護区画・点検時 |
有人作業が発生する防護区画では手動モードに切り替えることで、自動放出による事故を防ぎます。自動・手動の切替装置は、防護区画外の容易に操作できる位置に設けます。
CO2消火設備に特有の安全上の注意点
CO2消火設備は不活性ガス消火設備の中でも特に安全管理が重要です。
- ハロゲン化物消火設備や粉末消火設備と比べて、高濃度のCO2を放出するため人体への危険が大きい
- 防護区画内に人がいる場合の手順(入室前の確認・退室確認の手順)を整備することが重要
- 点検・整備の際は必ず手動モードに切り替えて作業する
- 薬剤放出後は防護区画内のCO2濃度が低下するまで立ち入らない(換気確認後に入室)
試験でよく出る安全対策の問題パターン
- 「CO2消火設備の全域放出方式において、起動から放出までの遅延時間は最低何秒か」→ 答え:20秒以上
- 「防護区画への立入禁止のために設ける表示装置はどこに設けるか」→ 答え:防護区画の出入口付近
- 「CO2が人体に危険な濃度になるのは何vol%以上からか」→ 答え:7〜8vol%以上で意識喪失の危険(試験では「人体に危険な濃度」として約34%以上の設計濃度環境が前提)
- 「有人になる可能性のある防護区画で自動放出事故を防ぐための措置は何か」→ 答え:手動モードへの切り替え・警報の確認
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出典:消防法施行規則第19条(不活性ガス消火設備の安全措置)・労働安全衛生法(酸素欠乏症等防止規則)。
作成日:2026年11月5日

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