消防設備士 甲種第3類(以下、甲3)の試験では、CO2以外の不活性ガス消火薬剤(IG-541・IG-55・窒素)の特徴が問われます。甲3が扱う不活性ガス消火設備は、CO2に限らずIG系ガスも対象です。IG-541の成分(窒素52%・アルゴン40%・CO2 8%)やIG-55の成分(窒素50%・アルゴン50%)は試験に出やすい数値です。
この記事では、甲3の試験で出る不活性ガス消火薬剤(IG系)の知識を整理します。
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不活性ガス消火薬剤の4種類
甲3が扱う不活性ガス消火設備で使用できる消火薬剤は、消防法施行規則で定められています。CO2を含む4種類が主な対象です。
| 薬剤の種類 | 主成分・組成 | 貯蔵方法 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 二酸化炭素(CO2) | CO2 100%(液化) | 液化ガス(高圧式・低圧式) | 比重が空気の約1.5倍。低所に滞留。大量使用が必要。窒息・凍傷リスクあり |
| 窒素(N2) | N2 100% | 圧縮ガス(高圧・約15MPa以上) | 大気成分。GWPゼロ。大量の容器が必要。毒性なし |
| IG-55 | 窒素50%・アルゴン50% | 圧縮ガス | 大気成分のみ。GWPゼロ。毒性・腐食性なし |
| IG-541(イナージェン) | 窒素52%・アルゴン40%・CO2 8% | 圧縮ガス | 大気成分のみ。GWPゼロ。CO2 8%が人体の呼吸反射を維持する効果があるとされる |
IG-541(イナージェン)の特徴
IG-541はInargen(イナージェン)とも呼ばれ、窒素・アルゴン・二酸化炭素の混合ガスです。消防法施行規則で定められた不活性ガス消火薬剤の一つです。
IG-541の組成と各成分の役割:
- 窒素(52%):酸素濃度を下げる主成分
- アルゴン(40%):不活性ガスで、混合することで設計濃度を調整
- CO2(8%):少量のCO2が含まれることで、防護区画内の人体の呼吸を促進する効果があるとされる(呼吸が速くなることで肺に取り込まれるガスの組成が体外に排出されやすくなる)
IG-541の成分比率(窒素52%・アルゴン40%・CO2 8%)は試験でよく出る数値です。この比率を「52-40-8」で覚えると記憶しやすくなります。
IG-55の特徴
IG-55は窒素とアルゴンを50%ずつ混合したガスです。
- 組成:窒素50%・アルゴン50%
- 大気成分のみで構成されており、オゾン層破壊係数ゼロ・GWPゼロ
- 毒性・腐食性なし
- 高圧の圧縮ガスとして貯蔵する
IG-55の「55」は2成分の「50-50」ではなく、ISO標準での分類番号から来ています。
CO2との主な違い
IG系ガスとCO2消火設備の主な違いをまとめます。
| 比較項目 | CO2消火設備 | IG系(IG-541・IG-55・窒素) |
|---|---|---|
| 貯蔵方法 | 液化ガス(高圧式・低圧式) | 圧縮ガス(高圧、常温) |
| 充填密度 | 高い(液化のため少容量) | 低い(気体のため容器本数が多くなる) |
| 人体への影響 | 窒息・凍傷リスクあり(高濃度) | CO2より安全性が高いとされる(IG-541はCO2 8%含む) |
| 温室効果(GWP) | CO2自体がGHGガス(放出で温暖化への影響あり) | 大気成分のみ・GWPゼロ |
| オゾン層破壊 | 影響なし | 影響なし |
| コスト | 比較的安価 | 容器本数が多くなるため設備費が高くなりやすい |
IG系ガスが選ばれる場所
IG系ガス消火設備が選ばれるのは、次のような場所です。
- 有人の可能性がある区画(CO2の窒息リスクを避けたい場所)
- CO2放出後の温暖化への影響を考慮したい場所
- 残留物なし・精密機器保護が必要な場所
試験でよく出るIG系ガスの問題パターン
- 「IG-541の成分と組成比率」→ 窒素52%・アルゴン40%・CO2 8%
- 「IG-55の成分」→ 窒素50%・アルゴン50%
- 「CO2消火設備とIG-541の違い(貯蔵方法)」→ CO2は液化ガス・IG-541は圧縮ガス
- 「IG-541の貯蔵圧力が高い理由」→ 液化できないため圧縮ガスで貯蔵する
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出典:消防法施行規則・不活性ガス消火薬剤の規格を定める省令(昭和49年自治省令第27号)。
作成日:2026年11月5日

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