テレスコピックブームとラチスブームの違い【移動式クレーン】

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移動式クレーンのブームには「テレスコピックブーム」と「ラチスブーム」の2種類があります。試験では両者の構造・特徴・用途の違いが問われます。比較表を使って整理しましょう。

テレスコピックブーム(油圧式箱形ブーム)

テレスコピックブームとは、入れ子(テレスコープ)構造の箱形断面ブームで、油圧シリンダによって伸縮するタイプです。ラフテレーンクレーン(ラフター)やオールテレーンクレーン・タイヤクレーンなどに多く採用されています。

主な特徴:

  • 油圧で自動伸縮するため、ブーム長さをステップレスに変更できる
  • コンパクトに収納できるため、移動性・機動性が高い
  • 断面が箱形のため曲げ剛性は高いが、同じ重量でのスパンはラチスより短い
  • 保守整備がシンプル

ラチスブーム(トラスブーム)

ラチスブームとは、鋼材を格子状(ラチス=格子)に組んだトラス構造のブームです。大型クローラクレーンや大型タイヤクレーンに採用されており、長いスパンが必要な大型作業に向いています。

主な特徴:

  • 同じ重量でもテレスコより長いスパンを確保できる
  • たわみが少なく、大吊り上げ能力に対応
  • 分解・組立が必要なため機動性は低い
  • フライジブ(補助ブーム)を先端に取り付けて更に延長可能

テレスコ vs ラチス 比較表

項目 テレスコピック ラチス
構造 入れ子式・箱形断面 格子(トラス)構造
伸縮方式 油圧シリンダ 分解・組立
移動性 高い(公道走行可) 低い(現場組み立て要)
主な用途 ラフター・タイヤクレーン 大型クローラクレーン
最大ブーム長の目安 50〜70 m程度 100 m以上も可能
補助ブーム 一部機種で対応 フライジブで延長可

フライジブとは

フライジブとは、ラチスブームの先端に取り付ける補助ブームです。高所作業や狭所への適用性を高めるために使用されます。フライジブを付けた状態では定格総荷重が低下するため、荷重表での確認が必要です。

試験頻出ポイント

  • 「テレスコピックブームに使用される機構は何か」:油圧シリンダ(伸縮)
  • 「ラチスブームはどのような構造か」:鋼材を格子状に組んだトラス構造
  • 「フライジブを装着するのはどちらか」:ラチスブーム
  • 「移動性が高いのはどちらか」:テレスコピックブーム

出典:クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)・安全衛生技術試験協会 公表試験問題

テレスコピックブームの伸縮機構

テレスコピックブームは油圧シリンダによって伸縮します。基本セクション(ベースブーム)の内側に第2セクション・第3セクションと入れ子状に格納されており、油圧を送ることでセクションを押し出す仕組みです。

伸縮は作業中でも行えるため、揚程の調整がスムーズです。一方、シリンダのシールや油圧配管の保守が定期的に必要です。故障した場合は油圧が失われてブームが自重で下がるリスクがあるため、油圧系統の点検が安全管理上重要となります。

ラチスブームの組み立てと解体

ラチスブームは現場での組み立て・解体が必要です。輸送時はセクションごとに分解してトレーラー等で搬入し、現場で順次組み立ててクレーン本体に取り付けます。大型クレーンの場合、組み立てだけで数時間〜1日程度かかることもあります。

このため長期間・大型作業には向いていますが、短工期・頻繁な移動が必要な現場には不向きです。作業計画ではラチスブームの組み立て・解体時間を工程に含める必要があります。

フライジブの詳細

フライジブ(補助ジブ)はラチスブームの先端に取り付ける補助的なブームです。通常のラチスブームに加えてフライジブを使うことで、より高所への揚程が確保できます。

項目 内容
用途 高所作業・特殊角度への吊り作業
取り付け角度 メインブームに対して数〜20°程度
定格総荷重への影響 フライジブ装着時は定格総荷重が低下する
荷重表 フライジブ用の荷重表が別途用意されている

試験での出題傾向と対策

「テレスコピックブームとラチスブームの違い」は、五肢択一での「正しいもの・誤っているもの」形式で出題されます。頻出の誤り選択肢として「テレスコピックブームはトラス構造である」「ラチスブームは油圧で伸縮する」などが挙げられます。

対策としては、テレスコ=油圧・箱形・コンパクト・移動性高い、ラチス=格子構造・大型・組み立て式・長スパン可、という対比を覚えておくと混同しにくくなります。

出典:クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)・安全衛生技術試験協会 公表試験問題

ブーム選択の実務的な考え方

実際の現場でブームの種類を選ぶ際は、作業条件・工期・移動回数・吊り上げ能力のバランスで判断します。短工期・頻繁な場所移動が必要な建設工事ではテレスコ式ラフター、長期間の大型プラント建設ではラチスブームの大型クローラクレーンが採用される傾向があります。

試験では実務知識より構造上の特徴の正誤判断が問われます。「テレスコ=箱形・油圧伸縮・移動性高い」「ラチス=格子構造・組み立て式・大型向き」の対比を確実に覚えておくことが得点への近道です。

出典:クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)・安全衛生技術試験協会 公表試験問題

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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